ガガンボモドキ

2014.06.12(Thu)

昼なお薄暗い森の中で、房総ではちょっと珍しい昆虫に出会いました。ガガンボモドキです。

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(20140610 袖ヶ浦市)

名前の通りその姿は非常にガガンボっぽいのですが、実はシリアゲムシ目です。よくよく見れば、ドラえもんに出てくる『ウマタケ』みたいな口の尖った顔つきはまさしくシリアゲムシの仲間のものです。日本の前脚でものにぶら下がる、不思議なとまり方をします。

この虫の繁殖行動はなかなかおもしろいもので、雄は雌に食べ物をプレゼントし、食べている間に交尾を行います。これは「求愛給餌」とか「婚姻贈呈」と呼ばれるもので、プレゼントが気に入ってもらえないと交尾をしてもらえなかったり、その時間が短かったりするというなかなかシビアなものです。しかしながら雄の方は雄の方で、雌が食べる方ばかりに夢中になっていると交尾を打ち切ってプレゼントを持ち去ってしまったりするというのですから、この虫に「無償の愛」とかを説いても無駄なのかもしれません。

※ガガンボモドキ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


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ヤマトシリアゲのタンデム交尾

2013.05.16(Thu)

房総半島でもっとも普通に見られるシリアゲムシ、ヤマトシリアゲは、雄が雌に食べ物を与え、雌が食べている間に交尾をするという習性をもっています。森の中でちょっとおかしな光景に出会いました。一枚の葉に二組のカップルが並んで交尾をしているのです。

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(20130514 袖ヶ浦市)

この場合の「餌」は、鳥の糞のようです。同じ食べ物で雌をくどいた雄が二匹いたということですね・・・。恐竜時代から姿を変えずに生き続けている太古の証人・シリアゲムシ。その交尾はたいへん静かで、ほとんど動きもないままこの形でずっと続きます。

※ヤマトシリアゲ
千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽ヤマトシリアゲに関する過去の記事

ヤマトシリアゲの交尾 2010.5.25

ベッコウシリアゲ(♂) 2009.10.3

ベッコウシリアゲ(♀) 2009.9.25

ヤマトシリアゲ(♀) 2009.6.4

ヤマトシリアゲ 2008.7.9

プライヤシリアゲ

2012.05.11(Fri)

プライヤシリアゲは、千葉県のレッドデータブックへの記載こそありませんが、県内におけるその生息数はヤマトシリアゲなどに比べ非常に少ないことは間違いありません。

谷津の奥の森の中で雌に出会いました(シリアゲムシの雄は、尾部がサソリのように巻き上がっているので容易に区別できます)。黄色と黒の体と、透かしの入った翅がなかなか綺麗です。

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(20120508 袖ヶ浦市)

その名前は、ヘンリー・プライヤーさんという、明治期の日本に滞在していたイギリス人に由来しています。この人は不思議な人物で、プロの学者としてではなく、保険会社の社員として来日しています。思いきり乱暴に言ってしまえば、もともとはただの生き物好きのサラリーマンだったわけですが、日本動物学史を紐解いた時にはこの人の存在がそれこそそこいら中に浮き上がってくるのです。日本産チョウ類初めての図鑑・「日本蝶類図譜」全三巻を著したのも彼、沖縄の県鳥・ノグチゲラを発見したのも彼、生きたニホンオオカミをロンドン動物園に送ったのも彼です。

21歳で来日した彼は、1888年、38歳で横浜で病死しました。その墓所は今も横浜の外国人墓地にあります。

キシタトゲシリアゲ

2012.04.12(Thu)

完全変態をする昆虫としては最古の歴史を持つ、シリアゲムシの仲間。ヤマトシリアゲは日頃かなり見かけますが、こんなのもいます。キシタトゲシリアゲです。

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(20120410 袖ヶ浦市)

谷津の最深部の藪の中で遭遇しました。ヤマトシリアゲに比べほんの少し華奢な体格で、赤い口吻が印象的です。山地性のシリアゲムシで、成虫は早春に出現します。千葉県ではまだデータそのものがそう多くないようです。実は私も、こうして間近で見て写真に撮るのは初めてだったのでした。

※キシタトゲシリアゲ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)

ヤマトシリアゲの交尾

2010.05.25(Tue)

二億数千年前から今とほとんど変らない形で生き続けてきた昆虫界の長老格・ヤマトシリアゲ は、雄が餌のある場所で待ち伏せたり、あるいは雌に餌をプレゼントしたりし、雌が食事をしている間に交尾を遂行するという、賢いんだかいやしいんだかよくわからない習性を持っています。路上でその交尾シーンに遭遇しました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20100521 千葉市若葉区)


お尻が大きく巻き上がっているほうが雄です。確かに雌は交尾中にもかかわらず食事を続けています。食べているのは獣の糞のようです。動物質のものが多く含まれているのがわかります。雄はここに雌を誘い込んだか、待っていたかしたのでしょう。


動画も撮ってみました。


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(20100521 千葉市若葉区)


なんだか奇妙に淡々としており、不思議なくらい静かです。今、アスファルトの上で展開されているこのような光景が、二億数千年前もやはり展開されていたのでしょうか。シダ植物が生い茂り、哺乳類型爬虫類などが闊歩する、太古の世界の片隅で・・・



▽ヤマトシリアゲの過去の記事はこちら からどうぞ



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プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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