越冬するモリチャバネゴキブリ幼虫

2014.12.22(Mon)

寒くなってきて、なかなか野外で虫に出会うのが難しい季節になりました。しかしだからと言って、地上の虫が全部死に絶えてしまうなどということは当然ありません。そんなことになったら、次の春が来たって何も出ては来なくなってしまいます。

道端のコンクリートブロックをひょいと引っくり返してみますと、体長数mmの、このような三葉虫みたいな変なのがたくさんいました。

20141222.jpg
(20141222 千葉市若葉区)

森林性のゴキブリ、モリチャバネゴキブリの幼虫です。ゴキブリといっても家の中にいるあの嫌われ者のやつとは違い、雑木林の林床などで、有機物を分解して暮らしているひとたちです。羽化して成虫となっても体長は1.2cmくらいしかなく、小柄です。

よく家の中でゴキブリホイホイに引っかかっているクロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリなどのたぐいは、あれは実はみんな外来種で、南方のどこかからやってきたものなのですが、このモリチャバネゴキブリは昔から日本にいる在来種。家屋に入ることもなく、日本中の里山で大量に、しかしあまり人目にはつかずに静かに暮らしています。

▽モリチャバネゴキブリに関する過去の記事

モリチャバネゴキブリの幼虫 2011.1.16

卵鞘をつけたモリチャバネゴキブリ 2010.7.24


***


12月19日、マイナビよりAmazon Kindleストアにて、拙著「愛すべき里山の生き物たち 第3集 ~里山のハンターたち編~」が発売となりました!

「愛すべき里山の生き物たち」は、里山の生き物たちの魅力を、ふつうの図鑑や解説書とは違った切り口で伝える電子書籍のシリーズです。第1集「名前の由来編」は8月20日より、第2集「弱者の生存戦略編」は10月30日より好評発売中です。

今回の第3集では、里山を舞台に他の生き物を襲って生活する捕食動物を12種類取り上げ、その精妙で苛烈な戦闘能力と狩りの世界に迫ります。第1集、第2集に比べ写真も大幅に増量してお届けいたします。どうぞお楽しみください!定価250円です。

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第1集、第2集もあわせてどうぞ。
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Category: 昆虫類・ゴキブリ目

13:39 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クロゴキブリ

2011.10.04(Tue)

2年ほど前にある画廊で巨大なゴキブリに出会いました。たまたまそこに当ブログの読者の方がいらっしゃいまして、私が写真を撮り、「これ明日載せましょうか?」と言ったら、「ダメですよ!こんなの載せたらアクセス数が半分になりますよ!」と必死で止められたのを覚えています。その後、みんなでスリッパやボール紙など持って追いかけたのも覚えていますが、どうも結局逃げられたような記憶もあります。


正直なところを言いますと、あの時ブログに載せなかったのは、アクセス数の心配をしたからではなく、写真がブレていたからです。


当ブログは自然科学の真理を希求するブログであります。大衆に迎合するあまりその真理から目を背けることはないのであります。<何を言っているんだ


しかしながら、日ごろ家や仕事先、食堂等で彼らに遭遇しても、まずは古雑誌や新聞紙のような、丸めてひっぱたけそうなものを探す方に頭が行ってしまい、なかなか撮影するという方向にはなりません。そんなわけでたいへん時間はかかりましたが今夜、満を持していよいよ登場いたします。クロゴキブリさんです。ジャーン。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20111004 千葉市若葉区)


クロゴキブリは人家でもっとも普通に見られるゴキブリです。原産地は実ははっきりとはわかっておらず、中国大陸原産ともアフリカ原産とも言われ、日本には江戸時代に入ってきたようです。脱皮を繰り返して成虫になるまで一年半かかり、成虫になってからの寿命は半年ちょっとくらいだそうです。南方系のため寒さには比較的弱く、少し前までは「北海道には生息しない」とどの本にも書いてありましたが、現在ではばっちりと侵入しております。平べったい身体と、垂直面も自由自在な高性能の脚、餌のありかを的確に見つけ出す触角は、もともと暮らしていた熱帯雨林よりむしろ人間の近代的な住環境に適応していたのです。


そのように人類の身近なところで大繁栄する一方、ゴキブリはよく知られているように、非常に古い時代からその形態を保って生き続けており、3億年以上前の地層から、既に現在と大差ない形の化石が発見されています。この時代は昆虫や節足動物の巨大化が著しく、翼開長60cmの「メガネウラ」というトンボの親方みたいなのや全長2mのムカデなど、もう滅茶苦茶な連中が我が物顔にふるまっておりました。ゴキブリのご先祖様である「プロトファスマ」もやはり大きく、12cmほどあったといいますから、顔に向かって飛んできたら大恐怖だったことでしょう。もちろんこの時代、人間どころか哺乳類そのものがまだ出現していないのですが・・・



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22:53 | Comment(6) | Trackback(-) | EDIT

モリチャバネゴキブリの幼虫

2011.01.16(Sun)

寒い冬でも、物陰や奥まった場所では、ひっそりと昆虫たちが冬越しをしています。敷石をひっくり返してみると、モリチャバネゴキブリ の幼虫がいました。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110115 千葉市若葉区)


モリチャバネゴキブリは、人家の台所ではなく雑木林などを好む森林性のゴキブリですので、見つけても別に駆除する必要はありません。成虫になるのに1年ないし2年かかります。生態系の中では、林床の有機物を分解したりする大切な役割を担っています。


ちなみにこれの親戚筋にあたる種に、その名の通り南米に生息する「ナンベイオオチャバネゴキブリ」というのがおり、これは体長10cm、翅を広げると20cmに達するという、世界最大のゴキブリです。



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Category: 昆虫類・ゴキブリ目

11:32 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

卵鞘をつけたモリチャバネゴキブリ

2010.07.24(Sat)

相変わらずネタ切れ気味なので、少し前の写真からピックアップしてみます。7月10日に撮影したモリチャバネゴキブリ です。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20100710 千葉市若葉区)


お尻に何か角ばったものがついてますね。実はこのゴキブリは雌で、お尻についているのは卵鞘なのです。と言うと非常にまがまがしい感じがしてきますが、このモリチャバネゴキブリは森林に生息する種でして、台所に侵入したりすることはないのでご安心ください。ただし、飛ぶのは上手です。


ゴキブリの卵鞘というと、それこそあの黒光りする大型の「クロゴキブリ」、要するに「G」によって戸棚の裏とかに産みつけられる、あの「がま口」タイプのものを連想される方が多いと思います。しかし、このモリチャバネゴキブリの場合、産みっぱなしにせず、雌が自分の体にくっつけたままで孵化するまで保護します。ひとつの卵鞘には数十個の卵が入っています。


ちなみに人家によくいるクロゴキブリの場合、ひとつの卵鞘に入っている卵の数はだいたい20から30個、脱皮を繰り返しながら普通は1ないし2年かけて成虫となり、成虫になってからの寿命は数ヶ月ほどです。そして、クロゴキブリというのは繁殖力旺盛で、雄と交尾しなくても雌が産卵する「単為生殖」が可能なのがおそろしいところなのです。



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Category: 昆虫類・ゴキブリ目

17:30 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

モリチャバネゴキブリ

2009.09.13(Sun)

さて、DAYLIGHT RAMBLERに、ついに国民的アイドル、G様の初登場です。


といってもこのモリチャバネゴキブリは人家に侵入して人に向かって飛んだりすることはない(飛翔能力はありますが)森林性のゴキブリで、体長も1.5cm以下と小柄です。黒光りもしていません。コワくないよ~。



DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20090909 千葉市若葉区)


雑木林の林床に多く、ときどき花の蜜を吸いに来ていたりします。よく似たチャバネゴキブリは人家で暮らす害虫ですが、それとは胸部の二列の黒い模様が異なっています。チャバネゴキブリはこれが直線的なのに対し、モリチャバネゴキブリでは写真のようにカーブが丸っこく、「()」みたいな形状をしているのです。



DAYLIGHT RAMBLER  

(20090909 千葉市若葉区)


ゴキブリが原始的な昆虫であるというのはしばしば喧伝されるところです。実際のところ、ゴキブリの先祖といわれるプロトファスマという虫が出現したのは石炭紀、つまりざっと三億年くらい前のことです。このプロトファスマは体長10cmを越え、肉食であったそうです。そして、ゴキブリだけでなくカマキリの先祖でもあったと考えられています。そう、ゴキブリとカマキリって実は親戚筋にあたるのですよ。


☆☆☆


まとめサイトが携帯ではうまく表示されないらしいことが判明・・・申し訳ありませんが、対策できるだけのスキルが私に身につくまでお待ちくださいませ。もちろん、PCでは問題なく見られます。

Category: 昆虫類・ゴキブリ目

20:30 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
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まで送っていただけると幸いです。

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