コナギ

2014.09.18(Thu)

農薬を用いない田んぼの、代表的な雑草と言えばこのコナギ。旺盛な繁殖力ですぐに圃場を埋め尽くす憎たらしいやつですが、花は大変可憐で、リンドウくらい綺麗です。

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(20140917 袖ヶ浦市)

ちょうど稲刈りの時期に咲くこの花は一日花で、朝咲くと夕方にはしぼんでしまいます。コナギは稲作とともに東南アジアからやってきたと考えられている、非常に古い時代の帰化植物です。万葉集にもこの花のことを詠んだ歌が収録されています。その昔は食用として栽培されたりもしていたようです。原産の東南アジアでは今も食べられているようですから、近いうちに日本の農村でも、有機農業とのセットでコナギ料理を売り出して積極的に村おこしをするところが出てくるかもわかりません。

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(2014/08/20)
大島 健夫

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Category: 水生植物

21:28 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アマゾントチカガミ

2013.09.23(Mon)

三面張りの水路を埋め尽くして繁茂しているこの浮葉植物。環境省のレッドデータブックで「NT(準絶滅危惧)」にランクされているトチカガミかと思いきや、葉の切れ込みが少なく、全体のたたずまいも少し違います。どうやらアマゾントチカガミのようです。

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(20130923 千葉市若葉区)

名前の通り中南米原産。お店では「アマゾンフロックビット」などという名前で売られております。育てるのは比較的簡単で繁殖力強く、野生化するとどうやら条件によっては日本の冬も越すことができるらしく、近年、あちこちで大繁茂してしばしば問題になっています。近頃では千葉市内の水辺でもけっこう見かけるようになってきました。

例えば熱帯魚用などにこのような植物を購入された場合、思ったよりも早く殖えてしまい水槽を埋め尽くしそうになり、やむなく捨てる・・・というようなことはよくある話です。しかし、このような外来生物を野外に投棄することは、多くのケースにおいて結果としてどこの誰をも幸せにしません。在来生態系は攪乱され、あげく投棄されて殖えた外来種も駆除の対象となってしまうのがオチです。「自然に帰す」と言えば聞こえはいいですが、一度手元にやってきた、本来その場所にない生き物を野外に放すのは、悲しいかな管理者として、そして育ての親としての自分の責任を放棄しているに過ぎない面もあり得ることを、どうかお忘れにならないで頂きたいと思います。

Category: 水生植物

22:37 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヒシ

2012.07.20(Fri)

菱形、三菱、武田菱、菱川師宣、など菱のつく言葉はたくさんあります。ではその菱というのは何かというと、こういうものです。

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(20120716 千葉市緑区)

止水域に発生する、ヒシ科の一年草です。日本以外にも中国大陸南部やインドにも分布しています。実は両端にトゲがあり、これを乾燥させたのがいわゆる、忍者が逃げる時に道路にまいて敵を足止めするのに使った「撒き菱」というやつです。ちなみに実の中の種子はゆでたりして食べられます。

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(20120716 千葉市緑区)

葉柄の中に空気が入っており、それでもって浮くわけです。この池ではニホンアカガエルが気持ちよさそうに乗っかっておりました。よく見るとカエルの頭に、さらにハエも乗っておりますが・・・

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19:06 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

ウキクサ

2012.06.26(Tue)

田んぼにはびこるウキクサは、日光を遮って水温を下げ、稲の生育を阻害するとして除草の対象となります。あるいはまた、他の水田雑草の生育をも阻害するという面から、このウキクサ自体の除草効果をとりあげられることもあります。

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(20120625 千葉市若葉区)

いずれにせよ、通常は分裂による無性増殖で、とにかくよく増える植物です。金魚の水槽のなんぞにちょいとひとすくい入れておいたら、あっというまに大繁殖、なんて経験をされた方も多いことでしょう。手間がかからずに増えてくれるので、子供向けの教材とかには大変便利でもあります。上から見ていると葉っぱだけが浮いているようだけれども、実はこれは葉と茎が合わさった「葉状体」という形態です。この中には空気が入っており、それでもって浮かぶわけです。

実はこのウキクサ、サトイモに近い植物でして、最近の分類体系ではサトイモ科に含められたりもしています。同じように水面に浮かんでいる植物でも、オオアカウキクサなどは水生シダ植物、イチョウウキゴケなどはコケ植物のほうに属しており、これとはだいぶ違った仲間です。

Category: 水生植物

14:41 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

イチョウウキゴケ

2012.04.23(Mon)

谷津田のため池に、何やら1cmくらいの半円形をした緑色の葉のようなものが一面に浮いています。

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(20120422 袖ヶ浦市)

イチョウウキゴケです。日本では、水面に浮かんで暮らすコケ類はこれ一種です。拡大してみると、なるほどイチョウのよう。

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(20120422 袖ヶ浦市)

こうした池や水田のような止水に浮かんで暮らし、水がなくなると泥の上で陸生化することもできるというフレキシブルな植物です。この池は昨年の猛暑で一時水がなくなったりしていましたが、それでも生き残ることができた理由はそこらへんなのですね。

しかし、現在このイチョウウキゴケは各地で減少しています。これには乾田化や農薬の問題、水質汚濁などの要因が挙げられ、また千葉県のレッドデータブックには、稲刈り後に刈り取った稲を水田に播く方法が行われるようになったことによって地表部が覆われてしまい、生育しにくくなる、とも記述されています。現在は千葉県内でも、どこででも見られる植物というわけにはいかなくなってきました。

※イチョウウキゴケ
環境省レッドリスト・NT(準絶滅危惧)
千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)
千葉市レッドリスト・B-C(重要・要保護生物)

Category: 水生植物

20:07 | Comment(3) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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