路上で出会ったニホンイシガメ

2016.10.26(Wed)

夕闇の迫る国道9号線を走行中、前方の車が何かを不自然に避ける動きをしました。見ると動物の死体のような感じのものが路上に見えます。ああ、何だろうと思いながら近づくと、その死体のようなものがのそのそと動いています。カメだったのです。

慌てて車を路肩に止め、妻と二人で飛び出してカメをつかまえ、カメの進行方向の路肩に持って行きました。つかまえた時点で首をひっこめているので、地面に置いてみるとこうです。

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(20161018 山口県山口市)

甲長20cmになんなんとする、大きなニホンイシガメです。どうやら山から道路を渡って田んぼに戻ろうとしていたようです。平日の夕方とは言え車の流れは切れ目なく、みんなかなりの速さで走っています。あんな渡り方では絶対に轢かれる気がしますが、このカメはけっこう歳をとって見えるので、意外と長年、こんなことをしていたのかもしれません。

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(20161018 山口県山口市)

数m離れて見ていると、2、3分で首を伸ばしてあたりを窺い始め、

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(20161018 山口県山口市)

目的地だったとおぼしき田んぼの方へのっしのっしと降りてゆきました。旅先でカメを助けるというのもなかなか得難い経験です。長生きしろよ!轢かれるんじゃないぞ!

※ニホンイシガメ
環境省レッドリスト・NT(準絶滅危惧)
千葉県レッドリスト・A(最重要保護生物)


▽ニホンイシガメに関する過去の記事
ニホンイシガメの日光浴・2015年 2015.3.25
ニホンイシガメの日光浴・2014年 2014.4.24
ニホンイシガメの追尾・求愛行動 2013.9.25
ニホンイシガメの求愛行動 2012.7.10
ニホンイシガメの日光浴・2012年 2012.6.15
ニホンイシガメの日光浴・2011年 2011.5.20
ニホンイシガメ@綿打池 2011.4.13 
ニホンイシガメの日光浴・11月 2010.11.30
ニホンイシガメの日光浴 2010.7.25
ニホンイシガメ@都川 2010.5.5
ニホンイシガメ@都川 2010.4.20
ニホンイシガメ@不忍池 2009.9.11
ニホンイシガメ@綿打池 2009.7.18

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Category: 爬虫類

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ミシシッピアカミミガメの求愛行動

2015.09.22(Tue)

清澄庭園の池です。泳いでいる大きなカメに向かって、小さなカメが近づいては爪の伸びた両手をかざして大きなカメの顔の前で震わせるような動作をしています。



これは求愛行動で、小さなカメが雄です。一生懸命、雌の前に回り込み、時折顔に直接触れたりもしますが、雌はあんまり気分が乗らないようで、雄をよけて泳ぎ、あまつさえ顔をひっぱたいたりします。ユーモラスな中にも哀愁が漂う場面です。

国際的にはIUCNにより「世界の侵略的外来種ワースト100」に、日本でも要注意外来生物に指定されているアカミミガメ。環境省は今年に入って、5年後をめどに輸入を規制する方針を固めました。その理由の最たるものはもちろん、ペットとして大量に輸入・遺棄された個体が生態系に大きな影響を与えていることです。一方、皮肉なことに、こうした輸出目的での乱獲がたたって、原産国アメリカでは生息数が減少しているのです。これから飼おうとする方に私からお願いすることはただひとつ、「飼うのなら死ぬまで」ということだけです。寿命の長いカメは、本来、気軽にペットとして飼える生きものではありません。考えようによっては一生のパートナーになることもできる一方、飼い主が先に死ぬ可能性も多いにあるのですから。

※アカミミガメとして要注意外来生物


▽ミシシッピアカミミガメに関する過去の記事
ミシシッピアカミミガメの幼体 2011.6.11
ミシシッピアカミミガメ@綿打池 2010.2.25
カメの日米交流 2010.2.14
ミシシッピアカミミガメ@泉自然公園 2009.12.29
ミシシッピアカミミガメ@坂月川 2009.12.9
ミシシッピアカミミガメ@都川 2009.1.16
ミシシッピアカミミガメ 2008.3.12

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23:25 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カミツキガメ

2015.05.30(Sat)

谷津の奥のため池のほとりでトウキョウダルマガエルの写真を撮っていたら、視界の隅に何やら、かなり大きな生き物がじっとしている時特有の違和感が。

20150530.jpg
(20150527 佐倉市)

・・・向こう側の岸にいたのは、カミツキガメでした。

この池は樹木に囲まれて薄暗く、このカメがいるあたりだけに日光が当たっています。カミツキガメは夜行性で、クサガメやアカミミガメほど大っぴらな日光浴はしませんけれど、やはり時々は日光浴をするのです。そーっと近づこうとしたら気づかれ、カメが潜ってしまったので、その場にじーっとしゃがんで再び出てくるのを待ちます。

30分後、水面に顔を出しました。

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(20150527 佐倉市)

さらに10分後、また最初と同じところに這い上がってきました。

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(20150527 佐倉市)

甲長は20cmほど。まだ若い個体のようです。最大では甲長50cmほどにまで成長しますが、40cmを越えている個体は多くありません。

首をもたげると、案外かわいい顔をしています。

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(20150527 佐倉市)

カミツキガメというと、なんとなく南国のカメというイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には北米大陸に広く分布しており、低温にも強い耐性を持っています。今年の春には新潟でも冬眠中らしき個体が見つかり、問題になりました。千葉県では既に印旛沼水系で定着・繁殖が確認されています。カミツキガメは一回の産卵数が通常20から30個、稀に100個を越えるという多さで、かつカメであるからして寿命が長く、50年生きるとも80年生きるとも言われています(ただし、性成熟には亜種により数年~十数年がかかります)。従って、天敵のいない環境下では、極めて強い繁殖力を発揮します

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(20150527 佐倉市)

動画にも撮影しました。カメの日光浴は動きが少なく、静止画とあんまり変わらないのはご容赦。



日本にいるカミツキガメは、当然のことながら、もともと生息していたものではなく、60年代以降、ペットとして飼われていたものが遺棄され、それが野外で繁殖したものです(現在ではカミツキガメは特定外来生物に指定されており、許可なく飼育・移動などを行うことはできません)。その噛む力の強さなどからくる危険がクローズアップされることが多く、また漁網を破るなどの被害も出ているカミツキガメですが、在来生態系に対する脅威がもっとも問題視されるべきでしょう。カミツキガメは口に入るものは何でも食べる肉食寄りの雑食です。例えばこの池には、トウキョウダルマガエルを始めとする稀少な両生類、各種の淡水魚や甲殻類が生息しています。そこへ、先ほど述べたような繁殖力と寿命を持ち、天敵のいない生き物を放てばどうなるか、という話です。

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(20150527 佐倉市)

私は、カミツキガメそのものには何の悪意も持っていません。悪いのは100パーセント、人間です。カミツキガメと並んで印旛沼水系で定着しているワニガメなど、原産国では地域によって絶滅の危機にされされています。それを「愛玩目的」で世界中に流通させ、飼いきれないから捨てるという行為が行われ、その結果として在来生態系に甚大な影響を与えているという、世の中にこれほど愚かしい話があるでしょうか。そもそも、カメは「愛玩目的」で気安く飼うことのできる生き物ではありません。飼い主が先に死ぬ場合が多くあるからです。最後まで面倒を見きれないものを飼うことは、やはりやってはいけないことです。

千葉県では、「千葉県におけるカミツキガメ防除実施計画」に基づき、

平成19年度はワナによる捕獲で247頭、緊急収容(市町村・警察等)75頭の計322頭、
平成20年度はワナによる捕獲で157頭、緊急収容(市町村・警察等)95頭の計252頭
平成21年度はワナによる捕獲で216頭、緊急収容(市町村・警察等)80頭の計296頭
平成22年度はワナによる捕獲で192頭、緊急収容(市町村・警察等)128頭の計320頭
平成23年度はワナによる捕獲で414頭、緊急収容(市町村・警察等)172頭の計586頭
平成24年度はワナによる捕獲で274頭、緊急収容(市町村・警察等)115頭の計389頭
平成25年度はワナによる捕獲で550頭、緊急収容(市町村・警察等)85頭の計635頭

(データは千葉県生物多様性センターのwebサイトより引用)

のカメを防除しています。それだけの人手とエネルギーをかけても、べつに誰にも何の得にもならないことは言うまでもありません。そういうことに従事する人々は、自治体の職員であり、警察官であり、市民ボランティアであったりします。彼らはその時間とエネルギーを、他のもっと生産的なことに使うこともできるのです。まるっきり利権にも儲けにもならないのです。

しかし、そこまでしても、カミツキガメはやはり、日本の野外環境下にいてはならない生き物なのです。「原産国ではない土地の自然環境下に人為的に持ち込まれ、その土地の在来生態系に被害を与えているから」です。それは情緒で語ることのできる問題ではなく、問題視されている他の外来生物も同じです。アメリカザリガニが、ウシガエルが、アライグマが、ミシシッピアカミミガメが、どれだけの在来種を地域的絶滅に追い込んできたことでしょう。毎日のようにあちこちの里山をうろうろしている私のような人間には、そのことが肌で感じるようにわかります。しかし、それらの外来生物たちを、「悪い生き物」として片づけるだけでは何も変わりません。それは、戦争に際して一人一人の兵士を悪者扱いするのと同じことです。本当に悪いのは、先にも書いたように、それらを野外にばらまくシステムを作ってしまった、そして野外にばらまくことを止めることができない人間そのものなのです。

※カミツキガメ
特定外来生物


Category: 爬虫類

12:43 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

泥をかき分けて進むクサガメ

2015.05.27(Wed)

谷津の奥の浅い池で、何やら泥のカタマリのようなものを見つけました。

20150527.jpg
(20150526 千葉市若葉区)

よく見ると頭が出ています。おお、クサガメだわいと思っていると、のそのそと動き始めました。クサガメは水底の泥にもぐって隠れたりしますから、この個体もどこかから這い出してきたのでしょう。甲羅の上にもたっぷりと泥が積もっています。



その動きはのろいようにも速いようにも見えますが、下がぐちゃぐちゃの泥だということは忘れてはなりません。こんな泥の中を一定速でぐいぐい進めるのですから、実に強靭な体をしているというべきでしょう。時折立ち止まり、首をいっぱいに伸ばして周囲を見渡しては、また歩いていきます。こうした泥田の上に、よくカメの足跡が縦横無尽に残されていることがあります。クサガメは水陸を含む広い範囲を積極的に移動する生き物なのです。まっすぐに谷津を下っていったこのカメは一体、一心不乱にどこへ向かっていたのでしょうか。

※クサガメ
千葉県レッドリスト・情報不足
千葉市レッドリスト・C(要保護生物)


▽クサガメに関する過去の記事
道路を横断するクサガメ幼体 2012.5.16クサガメ、水中でミミズを食べる 2011.10.8
水中のクサガメ 2011.9.27
這いのぼるクサガメ 2011.6.4
クサガメの幼体 2011.5.22
三面張り水路に生きるクサガメ 2011.4.21
真冬のクサガメ 2011.1.18
谷津田の水路のクサガメ 2010.10.18
クサガメ、水底の泥にもぐる 2010.7.23
鹿島川沿いの田んぼのクサガメ 2010.5.30
クサガメ@綿打池 2010.3.7
カメの日米交流 2010.2.14
クサガメの木登り 2009.8.14
クサガメ@泉自然公園 2009.7.9
クサガメ@都川 2009.5.5

Category: 爬虫類

23:12 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ニホントカゲ

2015.04.29(Wed)

今回取り上げるニホントカゲは、これまでこのブログで何度も紹介してきたニホントカゲとは異なっています。なぜなら、東日本に産するトカゲと西日本に産するトカゲとは遺伝子レベルでかなりの違いがあることが従来から知られておりましたが、2012年、東日本およびロシア沿海州の個体は別種ヒガシニホントカゲとして記載されるに至ったからです。つまり、これまでこのブログに登場してきた千葉のトカゲたちはみんなヒガシニホントカゲであり、今日のこの記事に登場するトカゲは山口県産ですから、ニホントカゲであるということになります。

20150429.jpg 201504291.jpg
(20150424 山口県長門市)

別種になったとは言え、ニホントカゲにせよヒガシニホントカゲにせよ、その形態や生活に大きな違いはありません。この写真の個体は大柄な雌で、丸太の上でゆったりと日光浴をしておりました。太陽に照らされた滑らかな鱗は、いつ見てもなかなか美しいものです。

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Category: 爬虫類

22:31 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

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