バラの葉のシュレーゲルアオガエル

2008.05.31(Sat)

個人的に私のもっとも愛するカエル、シュレーゲルアオガエルの今年初目撃です。鳴き声はずいぶん前から聴こえていましたが、姿はやっと見ることができました。



 

(20080527 千葉市若葉区)


最初、アマガエル だと思ったんですね。ごく小さかったので。しかし、近づいて見るとシュレーゲルのまだ若い個体でした。ご覧の通りバラの葉にくっついているのですが、それにかぶさるようにミカンの木があり、そこにいろいろな昆虫が来ていたので、それを目当てにしていたのでしょうか。


   

(20080527 千葉市若葉区)


アマガエルと見分けるには、耳の鼓膜のところを見てください。アマガエルは黒い筋になっていますがシュレーゲルはここが緑一色です。あと、肌の質感や体型もちょっぴり違いますし、これはまだ小さいけど、全体としてはシュレーゲルのほうがかなり大柄になります。私は去年、6cm半もの大物を撮影しました。鳴き声も違います。アマガエルは文字通りのゲコゲコ声ですが、シュレーゲルはクルクル・・・という澄んだいい声です。


ところで、洋風チックな名前ですが、シュレーゲルアオガエルは日本の固有種です。


「シュレーゲル」というのは人名で、この種の記載者たるヘルマン・シュレーゲル氏のことです。この方はドイツ人の学者で、オランダはライデン博物館の二代目館長でした。19世紀初め、かのシーボルトは日本で収集した膨大な動植物の標本をこのライデン博物館に送り、やがて禁制品の日本地図を持ち出そうとして国外退去処分となるのですが、シュレーゲルアオガエルも、シーボルトが送った標本に基づいてかの地で記載された種の中のひとつなのです。


現生の日本の両生類・爬虫類の多くはシーボルトの標本によってライデン博物館の学者が記載したものであるばかりか、あのニホンオオカミを記載したのはシュレーゲルの先代、すなわち初代ライデン博物館館長のクンラード・ヤコブ・テミンク氏であるという事実を述べれば、シーボルトが成した実績の中で、教科書にあまり載っていない種類の部分がいかに重要なものであるかわかっていただけるかと思います。


それにしても、つくづく、記載者のシュレーゲル氏が他の変な名前でなくて良かったですね。例えばもしこの人がアホンダラさんという名前だったらこのカエルは「アホンダラアオガエル」になり、スケベさんという名前だったら「スケベアオガエル」になっていたかもしれないのです。我々日本人のあずかり知らないところで・・・

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Category: 両生類

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ドクダミ

2008.05.31(Sat)

ドクダミの花って清楚でとっても素敵ですよね。



   

(20080527 千葉市若葉区)


ドクダミって漢字だと『毒溜』なんだそうです。それって、「独特の臭気があるため、毒があるものと考えられた」なんて説明されることもありますけど、私はどっちかと言うと意味が逆なんじゃないかと思います、ハイ。だって、昔の人がそんなに頭悪かったわけがないじゃないですか。ドクダミは『毒矯』と書かれることもあるし、漢方では『十薬』っていうんですね。おそらく、昔の人は、ドクダミが毒を取り去る働きのある植物だということを当に知っていたのではないでしょうか。だって、こんなに即効的に野外で薬として用いられる植物はそんなにないですよ。生のままでちぎって指ですりつぶすだけで、虫刺されとかにすごくよく効くんですから。葉っぱは天ぷらにすればまあまあの味ですしね。


そのようにたいそう役に立つ存在でありながら、いつも日陰にそっと暮らして、季節が来ればひっそりと可憐な花を咲かせるという。これはもう、道徳の教科書レベルの植物ですよ。私など、小さい頃から両親に「おまえはドクダミになれ」「ドクダミのような男になれ」と言われて育ったものです(うそです)。


ま、とにかく、何はともあれ、私はこの花、大好きなんです。

Category: 山野草

21:48 | Comment(7) | Trackback(-) | EDIT

ヤマカガシ

2008.05.30(Fri)

ヤマカガシは田んぼに生きるヘビです。水を好み、カエルや魚を食します。



   

(20080526 千葉市若葉区)


毒こそありますが(毒牙はマムシみたいに口の前のほうにあるのではなく奥にあるので、噛まれても何ともないことも多い)だいたいはおとなしい性質なので、用水路沿いの土手なんかによくいるんだけど、人を見るとこうやってニョニョニョっと逃げていきます。これは長さ1m以上ある、なかなか立派な個体です。最大だと1.5mくらいになるそうです。もっと大きいのがいた・見たという話はけっこうあって、私も目測上、そうとう大きいのを何度か見たことがありますが、ヘビって実際より長く見えるのが普通なので・・・。そう言えば、昔、友人と、アオダイショウの大きいのを「これは2m越えだろ!」と測ってみたら1.8mしかなかったこともありました(そのとき友人が、もがくヘビを両手に持って「ヘビーなヘビだぜ」という破壊力満点のギャグをつぶやき、嫌々同行していた友人の彼女にすごい白い目で見られていたのを懐かしく思い出します)。



   

(20080526 千葉市若葉区)


水辺の小動物に食を依存するヤマカガシの生息は、農村環境が保たれていることのひとつの証明でもあります。よく、「メダカが棲める自然」「ドジョウが棲める自然」「カエルが棲める自然」などというキャッチフレーズが掲げられますが、それはとりもなおさず、「ヤマカガシが棲める自然」ということでもあるのです。

Category: 爬虫類

20:24 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

ニホンアマガエルのオタマジャクシ

2008.05.29(Thu)

親たちが昼寝したりゲコゲコ言ったりしている間も、オタマジャクシはせっせと育っています。



  

(20080526 千葉市若葉区)


アマガエルって小さいからオタマも小さいと思うでしょ。ところが、意外にでかいのです。尻尾も入れれば優に成体より長さがあります。反対にヒキガエルのオタマなどはうんと小さく、上陸したての子ガエルなどもすごく小柄です。


アマガエルのオタマを他のと見分けるのは割合にやさしく、まず、①・目と目が左右に離れてること、②・背中に黒い点があることです。つまり簡単に言うと、目と目が離れてて背中に点があることです・・・おんなじか。


やがて脚が生えてきて、次に手が生えてきます。そして最後に尻尾がなくなるとオタマを卒業し、上陸するわけです。アマガエルは基本的に陸で暮すので、その次に水中に戻ってくるのは、もしかしたら子作りをするときだったりするわけですね。

Category: 両生類

22:26 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

ヤマトシジミ

2008.05.29(Thu)

さきほど取り上げたカタバミ を、幼虫の食草として活用しているのがヤマトシジミです。



   

(20080526 千葉市若葉区)


先に述べたように、カタバミは生命力の強いポピュラーな植物ですから、このヤマトシジミもそれに合わせて広い分布で生き延びています。フワフワと頼りない飛び方で、すぐ地面に降りて休みますが、成虫もやはりカタバミ等の花の蜜を吸っているようです。


表側は、雄はライトブルー、雌は黒っぽい色でどちらもなかなか渋いのですが、それは撮れなかったのでまた今度。

Category: 昆虫類・チョウ目

22:17 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カタバミ

2008.05.29(Thu)

道端に瑞々しいあざやかな花を咲かせるカタバミですが、大変打たれ強いというか繁殖力が強く、子孫繁栄の象徴ということで、古来、武家・公家問わず、多く家紋に用いられてきました。



  

(20080526 千葉市若葉区)


大名のうちでも、有名どころでは備前の宇喜多家、土佐の長曽我部家、徳川傘下でも酒井家・森川家などが用いています。歴史オタクな私には、墓地を通りかかるとつい墓石の家紋をチェックしてしまうというあまり良くない趣味があるのですが、「片喰」紋には、「蔓片喰」、「剣片喰」など、とても多くのバリエーションがあり、あちこちで目にする機会があります。それほど人々の生活の近くにあった植物だということでしょうか。一応、食用にならないこともないそうですが、基本的には雑草であることを考えると、これほど親しまれているというのはずいぶん驚異的な気もします。



 

(20080526 千葉市若葉区)


花は秋まで見ることができます。夕方になると葉を閉じてしまいますが、これは「就眠運動」というそうです。

Category: 山野草

21:49 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ヒメウラナミジャノメ

2008.05.28(Wed)

ジャノメチョウっていっぱい種類がありますけど、このヒメウラナミジャノメは、



   

(20080524 千葉市若葉区)


このように翅を閉じた時、「蛇の目」模様が上から一、二、三個見えるのが特徴です。上からいち、にい、さんです。


蛇の目もよく見るとブラウンとクリームイエローの二重縁取りになっており、中にはちゃんと目玉があるなど、なかなか凝った意匠です。特に、前翅の大きい蛇の目を見てください。中の目玉は二つあるんですよ~。

こっちが翅を広げた姿。



   

(20080524 千葉市若葉区)


表と裏が微妙に一致してないのがおもしろいところ。一見地味でもなかなか奥が深いのです。今の季節、最もよく目にするチョウのひとつです。

Category: 昆虫類・チョウ目

23:17 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヒシバッタ

2008.05.27(Tue)

畑の隅っことかでよくピョンピョン跳んでる1㎝くらいの茶色い小さいバッタ、あれがヒシバッタです。


 

(20080524 千葉市若葉区)


ヒシバッタという名がついているのは、もちろん背中が菱形だからで、そのへんはアップの写真を見てください。


   

(20080524 千葉市若葉区)


この写真のはたまたま葉っぱの上にいるので目立ちますが、通常、地面そっくりな色でなかなか見分けがつきません。足元でピョンと跳ねて初めて「あ、いた」とわかることもあります。模様には住んでいる環境等によっていろいろ個体差があるので、それぞれの微妙な違いを楽しむのもおもしろいかもしれませんね。何しろあちこちにいることだし。

Category: 昆虫類・バッタ目

21:33 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シオカラトンボ

2008.05.27(Tue)

夕暮れの帰り道にシオカラトンボを見つけました。少し飛んでは地面に降りるのにそーっと近づき(空手の『猫足』というものが大変役に立ちます)、そーっとカメラを向けます。



   

(20080523 千葉市若葉区)


よく見ると右の写真、トンボが首をかしげているのがなんか可笑しいです。とってもポピュラーなシオカラトンボですが、雌は茶色っぽく地味な、いわゆる「ムギワラトンボ」で、こういうカラーリングなのは雄だけです。トンボの季節も、いよいよ始まりですね。

Category: 昆虫類・トンボ目

21:23 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヨコヅナサシガメ

2008.05.27(Tue)

見つけたとき、一瞬「うそ!このへんにいたんだ!」と思ってびっくりしました。



   

(20080522 千葉市若葉区)


異様な姿のこの虫はヨコヅナサシガメです。2㎝以上もある、大型のサシガメなのです。サシガメというのはカメムシの仲間ですが、肉食で、口吻を獲物に突き刺して体液を吸うのです。間違ってこれに刺されると、人間でも非常に痛いそうです。



   

(20080522 千葉市若葉区)


上から見ると、脇腹の部分が広く張り出して黒白の縞になっている様子がわかります。東南アジアから中国まで広く分布していますが、日本に入ってきたのは意外と新しく、1920年代になってから船荷に紛れ込んで侵入したらしいのですが、90年代以降になってから関東に進出し、現在増加中・・・なのだそうです。私の子供の頃にはこんなの見たこともありませんでした。そんなわけで、いるのは知ってましたが自分の生活圏で実物を見たのは初めてです。何となく、漠然とした不安を感じてしまいます。

Category: 昆虫類・カメムシ目

20:52 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

デーニッツハエトリ

2008.05.26(Mon)

水道のホースにくっついていたのは、ちょっと大きめのハエトリグモ、デーニッツハエトリです。大きめと言ってもギリギリ1cmないくらいですが。しかし、このクモはかなり太ってますね。



  

(20080521 千葉市若葉区)


名前のデーニッツというのは人名でして、明治時代にお雇い外国人として来日したドイツ人医師、ウィルヘルム・デーニッツさんという方のことなのです。この人は医師であると同時にクモ学者で、1879年に佐賀県立病院に着任すると精力的に佐賀の野山を歩き、実に多くのクモの標本を採集しました。その後の日本の蜘蛛学の発展は、多くこの人の功績に拠るところがあるという、それは偉い人物なのです。まあ、命名としては「シュレーゲルアオガエル」みたいなものだと思っていただければよろしいかと。



  

(20080521 千葉市若葉区)

デーニッツさんはこのクモのこんな顔を見てどう思ったでしょうか。明治維新の幕開けとともに日本にやってきた西洋人たちが担ったのは、必ずしも富国強兵の一端だけではなかったのです。

Category: 鋏角類

22:55 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ナミテントウ

2008.05.26(Mon)

先生!こんなの図鑑に載ってません!新種ですか!?



   

(20080521 千葉市若葉区)


・・・いえいえ、ナミテントウは模様に様々なバリエーションがあり、この「黒地に赤二紋型」の他、四紋型、斑がいっぱいある型、さらには赤地に黒の斑型などいろいろなのです。うちの周りにはこのタイプが多いようですが、他のもいずれ撮れたらアップしますので、その時は比べてみてくださいね。


これもナナホシテントウ と同じく、成虫・幼虫ともアブラムシを食べるので、庭にいたら大切にしてあげてください。農薬代りになります。何でも、テントウムシの仲間の中でも、このナミテントウは、大変アブラムシ駆除に効果的なのだそうですよ。

Category: 昆虫類・甲虫目

22:39 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

マガリケムシヒキの雌

2008.05.26(Mon)

二週間ばかり前にマガリケムシヒキの雄 のほうを取り上げましたが、今回は雌のご登場です。



 

(20080521 千葉市若葉区)


雄と異なり、尻の先端が尖っているのですが、何か捕まえてます。よく見ると、それはあの、ヤブキリの幼虫 だったのでした。撮影の場所からして、まさにあの子だった可能性があります・・・



 

(20080521 千葉市若葉区)


こんな顔のおばさまに襲われるのは、さぞ恐ろしかったことでしょう。


   

(20080521 千葉市若葉区)


大きな眼。がっちりした長い脚。流線型でいかにも機能的な体のライン。小さいとは言え肉食動物のたたずまいをしっかりと持っています。「虫挽き」という名前がついてはいますが、獲物を挽肉にしてしまったりするわけではありません。鋭い口吻を急所に突き刺して仕留め、その体液を吸うのです。

Category: 昆虫類・ハエ目

22:09 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

トキワハゼ

2008.05.25(Sun)

ちっちゃくてかわいいこの花はトキワハゼです。同じゴマノハグサ科のムラサキサギゴケに似ていますが、それより小さく、花の色が白基調です(ムラサキサギゴケは紫基調)。



  

(20080521 千葉市若葉区)


人家の庭にも道端にもよく見られますが、「トキワ」というのは「常盤」で、春から秋まで長い間、花が見られることに由来いたします。


 

(20080521 千葉市若葉区)


アップにするとしみじみと綺麗ですね。

Category: 山野草

22:03 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

フェンスにくっつくニホンアマガエル

2008.05.22(Thu)

春先は地上の草むらにいることが多いアマガエルですが、夏が進んでくると次第にこういうところでじーっとしていることが多くなり、写真が撮りやすくなります。



  

(20080520 千葉市若葉区)


この、「マジになんてやってられねーぜ」と言いたげな怠惰なたたずまいがたまりませんね。が、やっぱりすごいですよ。何しろ垂直面で休んでいるんですから。人間だったら忍者とかが死ぬほど修行してやっと身につけることを、野生の生き物はいとも簡単に実現してしまいます。つくづく人間なんて大したことないです。



  

(20080520 千葉市若葉区)


よく太ってツヤもいいですが、なんか傷だらけですね。生き延びるのは大変なのです。ちなみにアマガエルは、分類学上、実際には風体の似ているシュレーゲルアオガエルとかよりむしろヒキガエルの仲間に近いのだそうで、体表から毒を分泌する、立派な「毒ガエル」なのです。と言っても、私は子供の頃から何千回アマガエルに触ったかわかりませんが、それで何か体に影響が出たことなど全くありません(ヒキガエルにしてもそうです)。要するに、その程度の毒だということです。気になる人は後で手を洗いましょう。いや、私だって外から帰ればもちろん手ぐらい洗いますけどね。

Category: 両生類

22:44 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

オオヒラタシデムシ

2008.05.22(Thu)

物陰をカサカサと駆け抜ける平べったく素早い黒い虫・・・



   

(20080520 千葉市若葉区)


・・・と言っても、Gじゃないですよ、Gじゃ。


確かにいくらか似てますが違います。シデムシです。オオヒラタシデムシです。



   

(20080520 千葉市若葉区)


シデムシって、漢字でどう書くのか、考えたことあります?なんと、「死出虫」なんですよ~。


生き物の死骸や糞などを食べて分解する、自然界の掃除屋さんなのです。これなくしては成り立たないという大変重要なポジションです。だいたい、トイレが汚い会社とかにロクなとこないでしょ?それと同じです。


シデムシの仲間には「子育て」をするという特徴があり、このオオヒラタシデムシも、雌が腐肉などで団子状のものをつくってそれを地下に埋め、そこに卵を産むのです。孵化した幼虫はしばらくの間それを食べて成長し、しかる後に地上に出てきます。幼虫もやはり真っ黒で、ダンゴムシと三葉虫のあいのこのような姿をしています。

Category: 昆虫類・甲虫目

22:23 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

マミジロハエトリの共食い

2008.05.20(Tue)

先日、マミジロハエトリ を取り上げましたが、その時写真を撮った場所のすぐ近くに置かれていた観葉植物の葉の上で、私は怖ろしい光景を目にしてしまったのです。



 

(20080518 千葉市若葉区)


これ、交尾じゃないです。上にいるのが雌で下が雄なんです。しかも、雄は既に完全に死んでます。



   

(20080518 千葉市若葉区)


飼育下ではハエトリグモは共食いすることもあるそうですが、野生でも起こるのですね・・・。

合掌。

Category: 鋏角類

22:00 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クロカタビロオサムシ

2008.05.20(Tue)

3㎝くらいの、名前の通り肩幅の広いオサムシです。



   

(20080517 千葉市若葉区)


オサムシやハンミョウの仲間は飛べないのが多く、前に取り上げたアオオサムシ などもやはり飛べない(後翅は退化し、甲羅になっている前翅は癒着している)のですが、このクロカタビロオサムシは飛べます。胸とおなかの間がくびれているのは、翅をうまく開くためなのだそうで。


オサムシはだいたい優れたハンターなのですが、この虫もまたガの幼虫等を常食としておりまして、よくよく見ると顎が大きく、いかにも肉食という顔つきですね。



 

(20080517 千葉市若葉区)

Category: 昆虫類・甲虫目

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ノアザミ

2008.05.18(Sun)

こういうことを下手に人に言うと、女性の好み等と絡めて論ぜられてしまう傾向があるのであまり言わないようにしていたのですが、どうも私めはトゲトゲのある植物に惹かれる傾向があるらしく、オニノゲシとかこのノアザミとかが大好きなのです。と言っても別にトゲがあるから美しいと思うわけではなく、トゲを含めた全体のパッケージとして魅力的だなあと思うわけでございます。あらためてしつこく断っておきますが、女性の好みとは関係ありません。性格のトゲトゲしい女性は苦手ですし、全身からトゲが生えた女性などさらに苦手です。そんなのいるわけないですが。だんだん何を言ってるのかよくわからなくなってきたのでとっとと話を進めましょう、はい。


そんなわけでノアザミです。どうしてそういうところに行ったかは話が長くなるので割愛しますが、これは茂原市は本納城という戦国時代の山城の跡(なかなかすばらしい城なのでそういうのに興味ある人は一度行ってみてください)の主郭の部分に生えていたものです。崖の縁にたくさん咲いておりました。



   

(20080515 茂原市)


アザミにはたくさんの種類がありますが、この時期に野山で咲いているのは、まあ大抵ノアザミです。アザミといえばスコットランドの国花ですが、あちらのはもっと大きく、トゲも鋭いそうです。なぜ、かの地でアザミが尊ばれているかというと、それは1263年にさかのぼりまして、その年、ハーコン王率いるノルウェー軍、まあヴァイキングですね。それがスコットランドの侵略を仕掛けてきたのです。で、スコットランド西部のラーグスというところに攻めてきたヴァイキングな人たちは、迎撃に出たスコットランド軍に対して夜襲を計画したのですが、兵隊の一人がこともあろうに裸足でアザミを、日本のアザミよりもっと大きくてトゲも鋭いアザミを踏んづけてしまい、思わず大声を上げてしまったのです。その声で、それまでぐうぐう眠っていたスコットランド軍は敵襲に気づいてしまい、ただちに起き上がってノルウェー軍を攻撃し、撃退したのです。スコットランドを救ったのはたった一輪のアザミだったというわけで。



   、

(20080515 茂原市)


戦争と言えば、これが咲いていた本納城にも、里見氏と酒井氏の間でその帰趨を巡って揺れ動き、1569年には落城して城主・黒熊大膳亮が切腹するなど、血塗られた歴史があります。それは3月の末のことだったそうなので、黒熊大膳亮と、彼とともに死んでいった名もない兵士たちは、その年、アザミの開花を見ることができなかったことになります


主郭は、すばらしい眺めでした。遠く九十九里浜まで見渡せます。



   

(20080515 茂原市)

Category: 山野草

18:57 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ヤマシロオニグモ

2008.05.18(Sun)

ズグロオニグモの項でもちょっと書きましたが、オニグモの仲間って、名前のわりに見た目はあまりおそろしげではないのが多いようです。このヤマシロオニグモも、1cmちょっとくらいしかありません。



  

(20080512 千葉市若葉区)


全身毛むくじゃらで、脚は縞々になっています。腹部の模様とかはけっこう個体差があるようです。美しい円形の網は「これぞクモの巣!」という感じですが(どういう感じ?)、残念なことに写真を撮りそこね、おまけにこの次の日から雨が降って、巣はすっかり流れてしまいました・・・今頃このひとはどこでどうしているのでしょうか。見かけた人は私まで連絡ください。<無理

Category: 鋏角類

18:44 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アヤモクメの幼虫

2008.05.14(Wed)

畑でエンドウマメをもいでおりますと、こういうのが。


   

(20080509 千葉市若葉区)


うっかり豆と間違えてつかんでしまいそうになります。いや、この写真からはとてもそうは見えないでしょうが、実際にはかなりエンドウマメに似ているのです。


大きさはですね。このくらい。



 

(20080509 千葉市若葉区)


それにしても、幼虫の模様のパターンというのは本当に不思議です。


  

(20080509 千葉市若葉区)


非常にポップというか斬新というか、えもいわれぬものがあります。アヤモクメの成虫というのは、良く言えば渋い、悪く言えばあまり見栄えのしない姿をしたガなのですが。


かわいそうだが、エンドウマメのためです。これが踏み殺す前の生前最後の姿。サイドの模様もたいへん複雑であることがよくわかります。落ち葉を一枚かぶせ、足刀下段蹴込みで一瞬にして天国へ旅立っていただきました。痛みもなかったと思います。道場の外では人間相手に使ったことのない空手を、こんなところで用いている私。


 

(20080509 千葉市若葉区)


君たちは悪くない。しかし、その豆は我々が食べねばならんのだ。ごめんな。豆、絶対おいしく食べるからな。

Category: 昆虫類・チョウ目

20:54 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

マガリケムシヒキ

2008.05.14(Wed)

ムシヒキというのはアブの仲間なのですが、今までにこのブログで取り上げてきたハナアブ類、ホソヒラタアブナミハナアブヤマトヒラタアブ などと異なり、ムシヒキアブは肉食なのです。何しろ「ムシヒキ」って、漢字にすると「虫挽き」でして。


   

(20080509 千葉市若葉区)


このマガリケムシヒキもアブやハエのような小昆虫を常食としております。この虫の体長は2cmくらいですので、先に取り上げた三種のハナアブのうち、体の比較的小さいホソヒラタアブなど、これにぶつかったら命がけなわけです。


まるで黄色いブーツを履いているように見えますが、それがこの虫の特徴です。このひとは尻尾の先が丸いので雄ですね。雌はここが細く、尖っています。

Category: 昆虫類・ハエ目

20:43 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アオスジアゲハ

2008.05.12(Mon)

時には、思いもよらない場所で思いもよらない昆虫に出会うことがあります。このアオスジアゲハを見つけたのは、JR市川駅のホームでした。


   

(20080508 市川市)


ちょっと弱っているようで、飛ぼうとしません。あるいは羽化したてだったのかもしれません。どこから来た、あるいは、どこから運ばれてきたのでしょう。写真を見ればわかる通り、とにかく停車位置のまん前なので、誰かに踏んづけられないようにそーっと端っこに移しました。翅の青い部分に麟粉ははないので、まるで透き通るような美しさです。



 

(20080508 市川市)


幼虫はクスノキの葉を食べ、そのクスノキは街路樹とかによく使われているので、東京都内でも公園などでけっこうこのチョウがひらひら舞っているのを見ることがありますが、実のところ、その来歴は謎めいています。元来が南方系のチョウですが、いつ頃、日本に入ってきたのかはっきりとはわかっていないのです。クスノキも元は日本列島に自生する樹木ではなく、中国南部からの史前帰化植物だという説があるそうで、だとしたら、それとともにアオスジアゲハもこの国にやってきたのかもしれません。

チョウ類が卵から幼虫となり、蛹を経て成虫にまで育つ確率はだいたい百分の一くらいだそうです。


そして、成虫になってからの寿命は短く、アオスジアゲハの場合、二十日と生きることはありません。


生命というものの過酷さを痛感します。

Category: 昆虫類・チョウ目

23:41 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カタクリハムシ

2008.05.12(Mon)

またまた甲虫、またハムシです。今度はカタクリハムシ。



 

(20080508 千葉市若葉区)


この写真だと大きく見えるかもしれませんが、前回のクロウリハムシ よりさらに一回り小さいです。カタクリと言えば北総台地を代表する植物のひとつですけれど、このカタクリハムシは、そのカタクリ、あるいは他のユリ科植物を食べて暮らしております。


甲虫の翅は、日なたと日陰では全然違って見えます。日なたで見るカタクリハムシは、カタクリの花に負けず劣らずの美しさです・・・なんて言ったらちょっぴり言い過ぎかな。

Category: 昆虫類・甲虫目

23:25 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クロウリハムシ

2008.05.12(Mon)

また甲虫です。小さな小さなクロウリハムシ。わずかに6、7mmの大きさです。


 

(20080507 千葉市若葉区)


よく似たカテゴリーの「ウリハムシ」というのがおりまして、そっちは全身オレンジですが、こちらは黒い翅をしております。幼虫はウリ科の植物の根っこを食し、成虫はその他にもいろんな葉や花を食するということで、立派な害虫扱いです。園芸などなさっている方は、今頃こいつの写真を見て「てめー」と思っていらっしゃるかもしれませんね。

でもねえ、太陽の光の下で見ますと、なかなか綺麗なんですよ。えもいわれぬ艶があって。


 

(20080507 千葉市若葉区)


通常、クモや天敵となる肉食昆虫が多い環境下ではそれほど大量発生はしないのですが、薬剤散布により、往々にしてそれら益虫が先にいなくなってしまいがちです。ガーデニング程度なら、ハエトリ紙がけっこう有効ですよ。

Category: 昆虫類・甲虫目

23:00 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ツバメ

2008.05.10(Sat)

佐々木小次郎はすごいなあ、と思うわけです。


だってツバメ斬るんですよ!


私でもメジロやアオジなら死ぬほど頑張れば斬れそうな気がします。餌台を作って毎日手なずけ、すっかり慣れたところで斬るのです。<卑怯


でも、ツバメは無理です。こんなのをどう斬れと。



 

(20080425 千葉市若葉区)


虫をよく食べるので、田んぼの上を飛んでいるのを見ると、薬剤を多く撒布してある田んぼかそうでないかすぐわかります。虫のたくさんいる田んぼの上ではこのような状態です。



 

(20080505 千葉市若葉区)


詳しい姿を紹介したいところですが、3.8倍ズーム+私の腕ではここまでが限界です。



  

(20080505 千葉市若葉区)


そのまましばらく見ていると、別のが呼びに来て、



 

(20080505 千葉市若葉区)


連れ立って飛んでゆきました。

斬ったり撮ったりしないで見ているだけなら、割合にじっくり見させてくれる鳥だと思います。南の国に帰るまで、のんびり見させてもらおうと思っています。


ちなみに、みなさんご存知と思いますが巣はこうです。



 

(20080423 山武市)


家の軒先にツバメの巣があると、とっても縁起が良いそうですよ。巣は一シーズンだけのものではなく、毎年同じツバメが帰ってきて使います。


あ、あと、中華料理の「燕の巣」というのはアマツバメの仲間のもので、日本にいるツバメとは関係ないので、お腹が空いてもこの巣をもいでかじろうなんて気を起こさないでくださいね(←誰がそんなことするか)。多分、泥と繊維の味しかしないと思います。

Category: 鳥類

14:47 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コアオハナムグリ

2008.05.09(Fri)

このところ甲虫が多くなってきましたね。今回はちっちゃくてかわいいコアオハナムグリの登場です。



   

(20080505 千葉市若葉区)


緑地にゴールドの、なんだかペンキを垂らしたような模様、全身の産毛が特徴ですね。通常、白い花に集まることが比較的多く、この写真でも白いツツジに来ています。


幼虫は腐植土の中で暮らし、白くて、眼科検診用のCの字みたいな形をした典型的なコガネムシの幼虫ですが、何かの都合で地面に出ると、ひっくり返って背中を下にして、背中の毛を使ってウニウニしながら歩くというおもしろい性質があります。無論、成虫は普通に歩きますが。

Category: 昆虫類・甲虫目

18:10 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アオオサムシ

2008.05.09(Fri)

金属光沢のあるディープグリーンのアオオサムシは美しい虫です。



 

(20080505 千葉市若葉区)


子供の頃読んだ「ファーブル昆虫記」の影響で、私は今でもオサムシにはなんとなく好感を持っております。基本、夜行性なので明るいうちはあまり出会いませんが、にもかかわらず朝から写真が撮れたのは、庭掃除をしていたうちの母が、水がめの中でバタバタしていたのを網ですくい出してきて、「この虫なんだっけ」と私のところに持ち込んできたからです。そんなゴールデンウィーク真っ只中。


体長3cmあまり、顎が大きいのを見てわかる通り肉食性で、イモムシやミミズを襲って食べる捕食昆虫なのですが、それよりもピンチになると非常に臭い屁というか液体を噴射し、しかもそれが酸性で肌につくとヒリヒリし、目にでも入るとちょっと面倒なことになります。手で押さえたりする際にはご注意ください。

Category: 昆虫類・甲虫目

17:42 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

メスグロヒョウモンの幼虫

2008.05.09(Fri)

メスグロヒョウモンは、タテハチョウの仲間のヒョウモンチョウの一種です。


ヒョウモンチョウは「豹紋蝶」と書き、大体において黄色い翅に黒の模様が入った豹柄っぽいチョウなのですが、メスグロヒョウモンは、雄こそまさにそんな感じですが、雌は黒味がかったブルーを基調に白い模様に入った渋美しいカラーリングなのです。


で、そういうのは成虫の話で、今回登場するのはその幼虫の方でして、幼虫はズバリ言ってこれです。


   

(20080501 千葉市若葉区)


これはもうかなり蛹になる最終段階に近づいた幼虫で、体長も4cmくらいあります。メスグロヒョウモンは卵あるいはごく小さな幼虫で冬を越し、春が来て大きく成長します。食物はスミレの葉です。来月には成虫の姿をお届けできるかもしれません。

Category: 昆虫類・チョウ目

17:31 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シロツメクサ

2008.05.07(Wed)

シロツメクサもやはり帰化植物です。日本に入ってきたのは幕末で、オランダ船がガラス器を運搬してきた際、割れないための緩衝材として荷物に詰め込まれていたのが最初であったとか。要するに、「プチプチ」の代りであったわけですね。


  

(20080430 千葉市中央区)


確かにシロツメクサは瑞々しい可憐な花をつけます。日本の風景にも馴染んでしまっているのかもしれない。しかし、緑化と称してわざわざ自然の地面にこれを植えている団体や個人を見ると、若干複雑な思いに駆られます。



 

(20080430 千葉市中央区)

植物の世界において、開国と明治維新は、在来種に対する、外来種の大規模な侵略の始まりでもありました。オオイヌノフグリ、セイヨウタンポポ、ヒメオドリコソウ。現在、道端で普通に見ることのできる多くの草花は、実際には江戸時代後期以前にはこの国に存在しなかったものです。では、それより前に道端に咲いていた草花はどこに行ったのか。


それはもう、ないのです。全くないか、あるいはほとんどないのです。グローバリズムという言葉がさまざまな形でマスメディアに上がっていますが、植物の世界では、日本は150年前にまさにそのグローバリズムの津波を受け、そして敗北していたのです。


何をつまらねえことを言ってやがるんだと言う方もいるでしょう。それがどうしたと言う方もいるでしょう。人にはそれぞれの考えというものがあります。


でも、私は、この国において四つ葉のクローバーが幸運を呼ぶとは思っていませんし、これからも思うことはないでしょう。

Category: 山野草

18:52 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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