チョウセンカマキリの産卵

2011.09.30(Fri)

チョウセンカマキリと言っても、帰化種ではありません。中国と朝鮮半島にも分布していますが、これはオオカマキリも同じです。また、チョウセンカマキリは単に「カマキリ」と呼ばれる場合もあります。

オオカマキリとの区別は時にかなり難しく、鎌状の前脚の根元や、後翅の色などをチェックしないとわかりにくいことも多いです。しかし、卵を産んでいるところに行き会えば一目瞭然です。「卵鞘」の形が全然違うからです。

こちらが三年前に撮影した、オオカマキリの産卵シーン

そしてこっちがチョウセンカマキリの産卵シーンです。ほとんどサイコロ型に近いようなオオカマキリの卵鞘に対し、チョウセンカマキリの卵鞘の方が断然、細長いのです。

$DAYLIGHT RAMBLER 
(20110927 袖ヶ浦市)

動画もあわせてご覧ください。



動画の中で現地のスタッフさんから(自然観察会の下見の途中だったもので)質問を頂いておりますが、オオカマキリの場合、一つの卵鞘から孵化する幼虫は200匹。チョウセンカマキリはもうちょっと少ないにしても、やはり相当な数です。その光景が現出するのは、ひと冬を越え、来年の初夏ということになります。


(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

Category: 昆虫類・カマキリ目

17:14 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

キイロスズメバチ、ジョロウグモの巣から餌を盗む

2011.09.29(Thu)

10月1日に上総自然学校のフィールドで自然観察会を行いますので、現地に下見に行ってまいりました。

当日お世話になる上総自然学校のスタッフさんとともに谷津の奥へとちょいと分け入ってみると(当日のコースからは外れております)、ちょっぴり珍しい光景が。

$DAYLIGHT RAMBLER 
(20110927 袖ヶ浦市)

ジョロウグモの巣に、キイロスズメバチがかかっている・・・わけではありません。巣網にかかっているセミの肉を、スズメバチがせっせと盗んでいるのです。動画でどうぞ。



網にからめとられる気配は全くなく、堂々と大顎を使っています。クモは見ているだけで何もしません。キイロスズメバチはスズメバチの中でも肉食性が強い種です。造網性のクモもその餌食となることがあるそうですから、クモとしてもおいそれと手出しはできないのでしょう。

「今こっちに向かってきたら逃げようがないのであきらめてください」なんて言ってるのは私の声ですが、無論冗談です。実際問題、餌に夢中になっているスズメバチは、余程のことがない限り即座に攻撃してきたりはしません。本当に危険なのは既に幼虫が育っている巣を守ろうとする場合です。それ以外のケースでは、こちらが気をつけていれば不幸な接触は避けられることが多いのです。


(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ

Category: 昆虫類・ハチ目

17:32 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

鹿島川系水路のホトケドジョウ

2011.09.28(Wed)

最近、野田総理が自らをドジョウにたとえたということで、世間やマスコミはそれを謙遜の意味で受け取っているようですが、私などはドジョウは非常に美しい、すばらしい魚だと思っているので、どちらかと言うと「こいつ、大きく出やがったな」と思っております。


そんなわけで今日も、ドジョウの中でも大変に魅力的なホトケドジョウ に登場していただきます。今回の水路調査では、ある地点から上流では網を振るたびに入るほどたくさん確認できました。


顔のアップです。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110925 千葉市若葉区)


わかるでしょ、私が言ってる意味が。このつぶらな瞳。上品な胸鰭。八本の髭。おまけにその髭の一対が鼻の穴から伸びているあたりがたまらなくチャーミングですね。


全体のプロポーションはこんな感じです。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110925 千葉市若葉区)


ホトケドジョウはふつうのドジョウより体形が短いので、いっそう可憐な感じがします。濃い飴色も落ち着いたいい色です。


北総台地において、ホトケドジョウは湧水のある谷津田の水路などを中心に生息しています。そのような環境は年々、悪化というよりは消滅しつつあり、加速度的に生息域を狭めているのが現状です。しかし、よその地域の個体群を安易に移入するような行為は厳に慎まねばなりません。遺伝子汚染をもたらすだけでなく、病気を拡散する場合もあるのです。そういった事例は、アユなどさまざまな淡水魚で数多く発生しています。


※ホトケドジョウ

環境省レッドリスト・EN(絶滅危惧ⅠB類)

千葉県レッドリスト・C(要保護生物)

千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ






Category: 魚類

18:08 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

水中のクサガメ

2011.09.27(Tue)

水路ガサガサ編、まだ続きます。ふと足元を見ると、甲長10cm少々の若いクサガメ がいました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110925 千葉市若葉区)


若いクサガメは、紫の甲羅に薄い黄色の縁取りが鮮やかで、こうして野外で間近で見るととても美しい姿をしています。さっそくTG310を水中に突っ込んでみます。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110925 千葉市若葉区)


クサガメは甲羅がもっこりしているので、小さなカメでもこうして見るとなんだか非常に立派です。


正面に回ると・・・


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110925 千葉市若葉区)


狭い水路にしゃがんで撮影している私の姿勢が苦しいため、アングルがおかしい点はご容赦ください。クサガメの眼には「瞬膜」というものがあり、水中でも平気なのです。クサガメは雑食性で、水草から水中の小動物、また動物の死骸のようなものまで幅広く食べます。その行動範囲もまた幅広く、水路、田んぼ、林床などを見かけよりもずっとアグレッシブに歩き回って生活しているのです。


※クサガメ

千葉県レッドリスト・情報不足

千葉市レッドリスト・C(要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ





Category: 爬虫類

22:07 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ニホンカワトンボのヤゴ

2011.09.26(Mon)

ということで水路ガサガサ編の続きです。流れの緩くなっているところの挺水植物の根元に網を入れると、ニホンカワトンボ のヤゴが入りました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110924 千葉市若葉区)


普段そういうところで生活しているカワトンボのヤゴ。すくい上げても手近な植物片にさっそくしがみついています。いかにもヒュンヒュン泳ぎそうな形状ですが、実はそうでもないのです。


カワトンボはヤゴのままで冬を越し、春来て羽化します。その体色は緑から銀、翅の色には赤から透明と様々なパターンがあります。さて、この子はどんな色のトンボに育つのでしょうか。


※ニホンカワトンボ

千葉市レッドリスト・C(要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ


Category: 昆虫類・トンボ目

17:05 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヤマサナエのヤゴ

2011.09.25(Sun)

水面を上から眺めているだけでは、その下で暮らしている生き物たちのことはわかりません。水と陸の両方にまたがる生き物の生活史を陸の上からだけとらえたのでは、それを解き明かすことにはなりません。


とまあ偉そうなことを言っていますが、要するにこの週末、鹿島川系の某水路にせっせと網を入れて調べておりました。無論、何がどれだけ網に入ったかはきちんと記録していますし(アメリカザリガニ以外は全部リリースしております)、しかるべきところに報告もしておりますから、私のガサガサ技術の向上は自然科学の発展に貢献する・・・はずはないということもないのではないかと自負する次第です。


最初の話に戻ると、例えばトンボ類は、幼虫の間は水の中、成虫になると陸と空で活動しますから、まさに幼虫時代を押さえなければ、本来は分布の確定さえできないわけです。


ここでは、ヤマサナエ のヤゴがたくさん得られました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110924 千葉市若葉区)


低く構えたその姿は何と言うか、非常に兵器っぽいです。例えば、ヤマサナエは水質のいい、底が砂泥の細流などで発生する・・・とものの本に書いてあれば「ああそうか」という感じですが、実際にそんな場所でこうしてヤゴに出会えれば、「にゃるほど」と体感的に納得できるわけですね。ヤマサナエのヤゴはこうした環境で二年間過ごし、しかるのちに羽化して成虫になるのです。


※ヤマサナエ

千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)

千葉市レッドリスト・C(要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 昆虫類・トンボ目

18:41 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ヒガンバナで吸蜜するナガサキアゲハ

2011.09.22(Thu)

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、ほんとうに急に涼しくなってきましたね。大きな台風も来ましたが皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。

さて、彼岸とくればヒガンバナ。林縁や道端で打ち上げ花火のような赤い花を咲かせ始めています。そこに雄のナガサキアゲハがやってきて吸蜜していました。



左の後翅が大きく欠けています。鳥にでもやられたのでしょう。ボロくなっているチョウというのは、ああ、こいつもいろいろあったんだなあと感じさせます。風が吹いてもカメラを近づけても逃げる気配もなく、一心不乱に蜜を吸っています。

$DAYLIGHT RAMBLER 
(20110922 千葉市若葉区)

本来、南方系のチョウであるナガサキアゲハのこうした姿は、千葉ではほんの数年前まで見られなかったものです。それが今では、そこらへんをヒラヒラしている黒いアゲハの過半数はこのナガサキアゲハです。地球温暖化というのは嘘である、なんて説もあるけれど、しかしそんなこと言ってる間に南方系の昆虫の北上は凄まじいスピードで進んでいます。何かが異常であることは、日ごろ野生の生き物を眺めている人ならはっきりとわかるはずです。


(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ

Category: 昆虫類・チョウ目

20:23 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

タケニグサ

2011.09.21(Wed)

タケニグサは、漢字だと「竹似草」あるいは「竹煮草」と書きます。前者は茎が中空で竹に似ていることに、後者は竹とこれを一緒に煮ると竹が柔らかくなって細工しやすくなることに、それぞれ由来します。どちらもなかなか説得力十分で、両方が併記されている本も多くあります。


林縁や草地などに生育する、時に高さ2mにも達する大きな野草です。今の季節はちょうど実をつけています。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110921 千葉市若葉区)


この実は薄くて乾燥していて、風が吹いたり耳元で振ったりすると音がするので、「囁き草」という別名もあります。なかなか風流ですが、この植物はさらにもうひとつ、恐ろしい別名も持っています。「蛆殺し」というのです。


実はタケニグサはケシ科に属しており、茎を切ったりするとでてくる乳液の中には数種類のアルカロイドが含まれているのです。よって、かつて汲み取り式便所が主流であった時代には、これを便槽に放り込んで殺虫剤代わりに使ったというわけで、なかなか強烈です。また皮膚病の薬としても用いられてきたようですが、これまた使用法を誤るとかえって症状を悪化させてしまうという紙一重な代物。大ぶりののんびりした外観の裏にけっこうなパワーを秘めているのです。



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 山野草

21:52 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ムネアカセンチコガネ

2011.09.20(Tue)

センチコガネ はしょっちゅう見ますが、その親戚筋にあたるムネアカセンチコガネは千葉の里山にはあんまり個体数が多くないようで、出会うのはけっこう珍しいです。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110920 千葉市若葉区)


体長は1cm少々。しかし丸っこくてがっしりしているのでもう少し大きく見えます。橙色の模様が鮮やかですね。


牛糞や腐った動植物を餌としていると言われ、牧草地やゴルフ場などに多産し、その生態や分類にはまだ謎が多いようです。千葉も含め、数多くの地方自治体でレッドリストに掲載されています。


※ムネアカセンチコガネ

千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)

千葉市レッドリスト・C(要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ


Category: 昆虫類・甲虫目

21:35 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

泳ぐヤマカガシ

2011.09.18(Sun)

以前にも水中にいる姿を紹介したことがありますが、ヤマカガシはとても泳ぐのが得意なヘビです。水面を泳ぐだけでなく潜水もでき、自由自在です。水たまりをスルスルと移動しているのを見つけました。



ほとんど波さえ立ちません。

DAYLIGHT RAMBLER DAYLIGHT RAMBLER 
(20110918 千葉市若葉区)

特に暑い季節には、しばしば水につかっています。もちろん体温調節のために水に入るだけではなく、オタマジャクシや小魚を捕えることもあります。ヤマカガシは田んぼの周辺の環境に実によく適応しています。そこが生き物の豊富な田んぼであればの話ですが・・・

※ヤマカガシ
千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)
千葉市レッドリスト・C(要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ

Category: 爬虫類

22:08 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

シマドジョウ

2011.09.17(Sat)

さて、袖ヶ浦でたくさんの水生生物と出会い、地元の水路やなんかにも改めてきちんと網を入れてみないといけないという思いを強くいたしました。とりあえず鹿島川系の水路を一つ選び、さっそく実行!といってもこの日は時間がなかったので、30分程度ガサガサしてみただけだったのですが、まずざくざくと網に入ったのが大量のホトケドジョウ 、そして次にはシマドジョウ。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110916 千葉市若葉区)


ドジョウよりも体が細く、体側に並ぶ美しい斑紋が特徴です。この斑紋は個体によってかなり幅広い変異があります。体長は14cm程度になるということですけれど、千葉市内ではなぜかそんな大きいのは見たことがありません。たいていは大きくても6、7cm程度です。髭は6本です。


水質のいい細流などに棲み、よく砂に潜ります。この水路の場合、コンクリートの三面張りなのですが底にはさらさらの砂が分厚く堆積しており、そういった場所にも生き残っていることがあります。ドジョウといっても、泥水を好む種ばかりではないのです。


※シマドジョウ

千葉県レッドリスト・C(要保護生物)

千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ


Category: 魚類

21:45 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

スジエビ

2011.09.16(Fri)

スジエビは、ヌマエビとは異なり、テナガエビ科に属しています。身体もかなり大きくなり、雌では5cmくらいにまで達します。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110913 袖ヶ浦市)


ザリガニを除けば、千葉の淡水では最大のエビです。汚染に弱い面があり、水質が悪化するとすぐに姿を消してしまいます。捕まえるとピンピンとよく跳ね、うっかり蓋のない入れ物に入れておくといつの間にか全部脱走していたりするのでご注意ください。


肉食性が強く、水中の様々な小動物を捕食します。元気な時はこのようにほぼ透明に近いのですが、死んだり死にそうになったりすると白く濁った色になります。各地で減少が著しく、それは前述の汚染や生息環境の悪化だけでなく、ブルーギルやブラックバスなどの外来魚の影響と絡めて論ぜられる場合もしばしばです。


※スジエビ

千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)

千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ


Category: エビ・カニ類

15:43 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シマゲンゴロウ

2011.09.15(Thu)

シマゲンゴロウは体長14mmほど。漆を塗ったような黒い身体に薄黄色の縞が特徴的な、美しい中型ゲンゴロウです。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110913 袖ヶ浦市)


体形も丸っこい感じで、同じくらいの大きさの他のゲンゴロウよりもボリューム感があります。水生植物のある止水を好む種で、山間地のため池や田んぼの周辺でよく見られます。ご多分に漏れず県北部を中心として減少が著しいのですが、その減少には、水質の悪化とともに生息環境の消失、特に農法の変化により生息に適したため池などが県北部の水田地帯からはどんどん消えていること、そして耕作放棄により田んぼそのものが消えていることが大きく関係しているのです。千葉県、千葉市とも、実に多くのゲンゴロウ類がレッドデータブックに掲載されているのは、その危機的な状況を端的に表しています。


※シマゲンゴロウ

千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)

千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ


Category: 昆虫類・甲虫目

18:18 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ミズカマキリ

2011.09.14(Wed)

この9月から、いよいよこちらの谷津田 の生物調査を開始させていただく次第となりました。13日、第一回の調査を行いました。


今回は範囲内の池や水路などの水場に網を入れ、水生小動物の調査をメインに実施ました。そこで出会った生き物について、こちらのブログでも少しずつ紹介していきたいと思います。


まずは、ミズカマキリです。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110913 袖ヶ浦市)


細長いボディにこれまた細長い脚、鎌状の前脚とカマキリそっくりですけれど、実はカマキリとは他人の空似でカメムシ目に属していることはよく知られているところ。獲物を捕らえてからの食べ方もカマキリとは違います。カマキリは頭からむしゃむしゃ食べてしまいますが、ミズカマキリは他の肉食水生カメムシと同じく、尖った口吻を獲物に突き刺し、消化液を注入して中身を吸いとるのです。あまり大きな相手を襲うことはなく、メダカやオタマジャクシ、水生昆虫などを食べます。


先日紹介したタイコウチ と同様、このミズカマキリも千葉市内では非常に減少している印象があります。これには、圃場整備や農薬その他の問題により、餌となる水生生物自体が減少していること、また、田んぼの「中干し」の時期に避難できる水場がなくなっていることなど、様々な要因が複合的に関係しています。現在は千葉県、千葉市ともレッドデータブックへの記載はありませんが、かつてのように、どこの水場でも子供たちが気軽に出会うことができる生き物ではなくなってきていることは確かです。


☆☆☆


なお、こちらの谷津田を管理されている上総自然学校の主催で、10月1日にトンボを中心とした自然観察会を行います。


詳細はこちらをご覧ください。


当日は私がガイド役を務めさせていただきます。ご都合の宜しい方は是非、お気軽にご参加くださいませ。



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 昆虫類・カメムシ目

18:29 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヤマホトトギス

2011.09.13(Tue)

夏の終わりとともに、林縁でヤマホトトギスが咲き始めました。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110912 千葉市若葉区)


花びらが強く下向きに反り返るのが、ほかのホトトギスの仲間との一番の相違点です。「ホトトギス」というのはこの花の斑点が、鳥のホトトギスの胸の模様と似ているから名づけられた、ということがどの本にも書いてありますが、さて、鳥のホトトギスの紫なのは見たことありませんねえ。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110912 千葉市若葉区)


ユリ科に属しています。写真右の花にはアリが群がっていますね。ホトトギスに群がるといえば、ルリタテハ の幼虫があります。これの葉っぱにトゲトゲの毛虫がくっついていたら、それがそうです。見てくれは気色悪いですが、無毒な毛虫なのでご安心。


※ヤマホトトギス

千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ



Category: 山野草

18:47 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コシマゲンゴロウ、スズメガの仲間の幼虫の死骸に群がる

2011.09.12(Mon)

昨年、水路に煮干しを放り込んで、小型のゲンゴロウ類の食事風景を撮影してみました。

あの時は記録のために食べ物で釣るようなことをしましたが、巡り合わせが良ければ、煮干しなど使わなくても同じような光景を見ることができます。水路のマスに落ちていた大きなイモムシに、無数のコシマゲンゴロウが群がっていました。

DAYLIGHT RAMBLER DAYLIGHT RAMBLER 
(20110911 千葉市若葉区)

イモムシはもはや原型がなくなりかけています。尾角があるのでスズメガの仲間の幼虫ですね。ゲンゴロウたちは外皮を食い破って体内にまで侵入し、ものすごい食欲です。よく見るとヒメゲンゴロウも少数、混じっています。 

田んぼの水が抜かれる季節には、ゲンゴロウは付近の水場に(狭くても)大量に集まる傾向があります。そこに大型の餌が落ちてくると、このような事態に相成るわけです。このような小型のゲンゴロウは、弱った小動物を捕食する以外に、水中の一種の「掃除屋」的な役割も果たしており、わずかな時間で大きな死骸をあっという間に消化してしまうのです。


(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ



Category: 昆虫類・甲虫目

18:44 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ホトケドジョウを水中撮影

2011.09.11(Sun)

定期的に、ホトケドジョウが多数生息する、例の水路のマス を見に行っています。


最近、DAYLIGHT RAMBLERはハイテク化、機材の高度化が著しく、今回の調査は、先日導入したTG310 、百円ショップで買った植木皿、金魚用の網という万全の準備であります。


この日はマスの中でザリガニが死んでおり、そこに大小さまざまなホトケドジョウが集まっていました。さっそくカメラを沈めます。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110911 千葉市若葉区)


水深は約10cm。真横から見ると、紡錘形で太短いスタイル、大きな頭など、いわゆる普通のドジョウとの違いがよくわかります。ここでちょっと、網と植木皿登場。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110911 千葉市若葉区)


・・・ドジョウより動きがゆっくりしているので、金魚網でもすくうのは比較的簡単です(撮影後はちゃんと水中に戻してますよ)。ドジョウと異なり、始終水底にへばりついているわけではなく、それより少し上を「泳いで」いることが多いです。


こうして見るとまるでナマズのようで、かなり大きな魚という感じがするかもしれませんが、実際には、このようによく成長した個体で6cm程度。写真右の、上のほうに写っているメダカみたいのは幼魚で、こちらは2cm程度です。かなり小さな魚なのです。黒斑が入った網目状の模様も渋いですね。前述のように動物の死骸に群がるほか、底生の小動物などを食べて暮らしています。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110911 千葉市若葉区)


ここにはカワニナも多数生息しており、マツモムシや小型のゲンゴロウも豊富です。今でこそ良好なバランスが保たれているかに思えますが、ホトケドジョウは環境変化に弱い魚です。何かの原因で水質が悪化したり湧水の流入が止まったりすると、こうした狭い範囲に高密度で生息している場所はあっという間に壊滅してしまいます。注意深く観察を続けていきたいと思います。


※ホトケドジョウ

環境省レッドリスト・EN(絶滅危惧ⅠB類)

千葉県レッドリスト・C(要保護生物)

千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ





Category: 魚類

18:53 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

キリウジガガンボの交尾

2011.09.10(Sat)

カのお化けみたいなガガンボ。キリウジガガンボは、田んぼの近くなどでよく見られる種です。体長は1.5~1.8cmほど。脚が長いので見かけ上の大きさはその倍以上です。薄暗い林縁で子作りに励んでおられました。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110910 千葉市若葉区)


・・・無論、人の血を吸ったりはしません。


「キリウジ」というのは変な名前ですが、漢字にすると「切蛆」です。これの幼虫が、途中で胴体をぶった切ったような形をしていることに由来するのです。そのぶった切られウジムシ型の幼虫は植物の根などを食べて育つため、イネの害虫として扱われる場合もあります。羽化後の成虫は、花の蜜などを吸っているようです。



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 昆虫類・ハエ目

17:49 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クヌギの木のアオダイショウ

2011.09.09(Fri)

アオダイショウが木登りが得意なことは、今までにもこのブログで何度か紹介してきた通りです。通りすがりのクヌギの木で、こういう状態で休んでいるのに遭遇。

DAYLIGHT RAMBLER DAYLIGHT RAMBLER 
(20110907 千葉市若葉区)

よくもまあ、垂直な木の幹で逆さまに静止していられるものです。体長は7、80cmほど。まだ背中にマムシのような模様が入っている、幼い個体です。

カメラを近づけるとスルスルと動き出しました。動画でどうぞ。速い!

 

まあ、樹上などの高所でネズミや鳥を捕獲するには、このくらいのスピードがなけりゃダメでしょう。たまに「マムシが木の上から降ってきた」なんて言う人がいます。しかしマムシというのは地面にへばりつくような生活をしているヘビですから、こんな芸当はおよそ不可能です。そのようなケースはたいていの場合、こうした若いアオダイショウを誤認したものでしょう。十分に成長したアオダイショウでしたら、マムシなどとは間違えようもありません。何しろデカいですから。

※アオダイショウ
千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)
千葉市レッドリスト・C(要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)
人気ブログランキングへ

Category: 爬虫類

19:03 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ニホンカナヘビ幼体の日光浴

2011.09.08(Thu)

8月から9月、林縁などではニホンカナヘビの赤ちゃん の姿がよく見られます。7日の早朝、農道の路上でのんびり日光浴している子に出くわしました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110907 千葉市若葉区)


単体だといまいちサイズ感がありませんね。私の左手と勝負。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110907 千葉市若葉区)


・・・こんな感じです。


すばしこいニホンカナヘビも、そこは爬虫類ですので、日光浴にいそしんでいるときには比較的楽に近づけます。幼体の場合は、成体よりも警戒心が薄い場合が多いようです。この後、性成熟までは約一年かかります。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110907 千葉市若葉区)


せっかくなので視線の高さを合わせてみました。逃げる気配は全くなし。むしろカメラに近寄ってきたりします。もうちょっと人見知りしたほうがいいかもよ、君は。


※ニホンカナヘビ

千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 爬虫類

20:57 | Comment(1) | Trackback(-) | EDIT

ハナガメ@泉自然公園

2011.09.06(Tue)

泉自然公園 は、私が子供の頃からよく遊んでいた場所です。何しろ私が通っていた小学校はこの公園の真裏にあるのですから。


そんなわけでこの公園には大いに愛着もあるのですか、こと「自然」公園という観点からみると、手放しで絶賛できない面があります。ちょっと目に余るほど外来生物が多過ぎるのです。


ウシガエルカダヤシミシシッピアカミミガメアメリカザリガニ 。まるで北米の湿地帯のようにそれらがはびこっている様子は、既に在来生態系が歪められてしまった日本の里山の縮図であるかのようです。


その中でカメについて話すと、泉自然公園には在来種(あるいはそれに準ずる種)のカメとして、クサガメニホンイシガメ が生息しています。寿命の長いカメの場合、外来種が在来種を駆逐するスピードも他の動物に比べると遅いとはいえ、クサガメはミシシッピアカミミガメよりはずっと少なく、イシガメに至っては公園全体でほんの若干数でしかないことは確かです。


加えて、在来のカメにとってはもしかしたらアカミミガメ以上に危険かもしれないカメが、ここにはいます。ハナガメです。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110905 千葉市若葉区)


私がデジカメを持って生き物の記録らしきことを始めたのは2008年です。その当時から既に、複数のハナガメを公園の中のある特定の池で撮影しています。つまり、おそらく誰かがペットとして買っていたものを放流した個体であろうこのハナガメたちはここで冬を越え、定着しているということになります。元来ハナガメは台湾や中国南部を原産地とするカメでありながら、低温にも比較的強いのです。


ハナガメはほぼ、クサガメと同大のカメで、生活も似ています。その何が問題なのか。それは、同所的に生息する場合、クサガメ、そしてイシガメとの交雑が起きることが既に確かめられているからです。生活が競合するのとは別の形で、直接的に在来種の遺伝子を損ない、地域的絶滅を促進する可能性があるのです。これは非常に恐ろしいことです。


私はハナガメを、支川都川等でも撮影したことがあります。千葉市内の水辺に、既にかなりの数が野生化していることは大いに考えられます。


気をつけなくてはならないのは、私たちが目にしている「きれいな自然」が、実際には攪乱され、本来の姿を失っているものである場合が非常に多いということです。そこで目にしている生き物たちが、本来そこにいたはずのものたちを駆逐してしまった種である場合が非常に多いということです。自然公園が自然教育の場でもあるのなら、外来生物の存在、それによってもたらされる「本来の自然」への悪影響を語ることを避けて通ることは決してできないし、その排除の手立てを探らねばならないと私は思うのです。


※ハナガメ

要注意外来生物



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ



Category: 爬虫類

21:40 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ヤマトイシノミ

2011.09.05(Mon)

イシノミの仲間は、昆虫の中でも大変に原始的なもので、昆虫が昆虫としての形態を獲得する以前の特徴をいくつも備えています。無変態であり、幼虫と成虫の違いがなく死ぬまで脱皮を繰り返す上、六本の脚以外にも、腹部に退化した脚の痕跡をとどめているのです。無論、翅などありません。かつてはやはり原始的な昆虫であるシミ目のうちに数えられていましたが、現在では独立のイシノミ目とされています。


この写真の個体は多分、ヤマトイシノミ。東日本ではもっとも普通に見られるイシノミです。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110905 千葉市若葉区)


体長は1cmと少々。植物食で、藻類や地衣類などを食べて暮らしています。小さくてすばしっこい上に薄暗いところにいるので、意識していないとなかなか見つからない昆虫ですが、そのあまりぱっとしない姿には、約4億年前から続く、昆虫という生き物の源流が脈々と受け継がれています。



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ



Category: 昆虫類・イシノミ目

20:12 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

サザナミスズメ

2011.09.03(Sat)

サザナミスズメというとなんだか優雅で美しい感じがするけれど、実物はこんなようなガです。今朝、うちの玄関の外の壁にひっついていました。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110903 千葉市若葉区)


確かに、波型模様は波型模様ですね。開張は5cmを越えます。


むしろ「サザナミ」の呼称にふさわしいと思われるのはこのガの幼虫のほうで、薄いグリーンに白い模様が入った、美しい大きなイモムシです。7月頃と秋が深まってきた頃の年二回、モクセイ科の樹木の葉によくいるので、気になった方は探してみてください。



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ


Category: 昆虫類・チョウ目

17:09 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

オオイトトンボの連結産卵

2011.09.02(Fri)

さらに予備調査編の続きです。谷津の一角にある小さな池で、多数のオオイトトンボ が連結産卵を行っているのに出会いました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110831 袖ヶ浦市)


卵は艇水植物や浮葉植物に産みつけられます。この日は確認できませんでしたが、時には雌が水中に潜った状態で産卵する「潜水産卵」を行うこともあります。日光の下で、その体の光沢は実に鮮やかです。


トンボの常で、産卵中にも他のカップルにちょっかいをかけてくる雄がやっぱりいます。強引きわまる図。「わーやめろ、あっちいけ~」という声が聞こえてきそうです。


DAYLIGHT RAMBLER  

(20110831 袖ヶ浦市)


時に、来る10月1日、この里山でトンボを中心とした自然観察会を行います。私はガイド役です。


詳細はこちら を。


近在の方は是非、お気軽にご参加ください。


※オオイトトンボ

千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)

千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 昆虫類・トンボ目

17:12 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

タイコウチ

2011.09.01(Thu)

この9月から、こちらの谷津田 の生物調査をさせて頂くことになっております。そんなわけで31日、予備調査に伺いました。


状態の良い土水路がたっぷり残存しています。どんな生き物が隠れているでしょう。さっそく網を突っ込んでガサガサしてみました。


まず網に入ったのは肉食性水生カメムシの王道、タイコウチ。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110831 袖ケ浦市)


体長3cmほど。しかし、鎌状の前脚が立派なのでもっと大きく見える虫です。お尻から突き出ている長い管は呼吸器で、これを水面上に出して息をするわけです。子供の頃「切ったらどうなるんだろう」と思ってはさみで切ったことのある人、廊下に正座。


かつて全くどこの田んぼにも普通に見られる虫だったこのタイコウチも、今では、特に千葉市内などでは、容易に採集できない生き物になっています。鎌状の脚で獲物を捕え、口吻を突き刺して消化液を注入するという食生活を送る、つまり常に生餌を必要とするこのような肉食性水生カメムシにとって、圃場整備により小魚等が住めなくなったコンクリート三面張りの水路は、もはやその命をつなぎにくい場所になっているのです。



(ブログランキングに参加しています。気が向いた方はクリックを)

人気ブログランキングへ




Category: 昆虫類・カメムシ目

20:55 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

ツイッター

カレンダー

08 | 2011/09 | 10
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
593位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
63位
アクセスランキングを見る>>

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
↑