スッポン・2012年

2012.03.30(Fri)

私が千葉市内の河川でスッポンを初めて実際に目撃したのは2010年の5月のことでした

千葉県内に生息するスッポンの場合、野外で目撃してもそれが在来の個体であるのか、あるいは養殖個体に由来するものであるのか、いまだに本格的な研究がなされていません。ともあれ、この2年間私が調べたところでは、その河川の特定の区間に、複数頭のスッポンが生息していることは明らかです。

スッポンの冬眠条件は水温によるようです。春を迎え、今年もついに現れました。

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(20120329 千葉市)

色(意外と個体間の変異が多彩です)、形、大きさ、目撃地点から、おそらく一昨年5月に初めて確認したものと同一個体かと思われます。甲長は30cmを超えるかと思われ、迫力満点です。しかし、ここから少し上流には、さらに大きい怪物的な個体も生息しているのです。スッポンはほぼ完全な水生ですが、一方で特に大型の個体は日光浴を好み、一日のうちかなりの時間を陸上で文字通りの甲羅干しをして過ごします。私の観察では、その場所と時間のサイクルは個体ごとにだいたい決まっています。

私は小さな頃から、外をうろうろして生き物を眺めるのが好きでした。その頃は、もっと大きくなればそんなにうろうろしたくなくなるよ、と言われたものです。今、37歳になりましたが、うろうろしたい、生き物を眺めたいという気持ちは薄れるどころか強くなるばかりです。同じところに何度通っても、決して飽きることがありません。こんなにもおもしろい生き物たちが、この千葉の里山にはたくさん暮らしているのですから。

※スッポン
環境省レッドリスト・DD(情報不足)
千葉県レッドリスト・情報不足
千葉市レッドリスト・X(消息不明・絶滅生物)
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Category: 爬虫類

19:11 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

マダラガガンボ

2012.03.29(Thu)

カの親方みたいなガガンボの中でも、マダラガガンボは日本最大級のサイズを誇ります。

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(20120328 千葉市若葉区)

その名の通り、体も翅もまだら模様です。単独だといまいちスケール感がありませんね。私の左手と勝負。

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(20120328 千葉市若葉区)

ジャーン。この通り、「最大直径」だと10cmあまりにまで達し、体長そのものも3cmを超えます。拡大すると迫力満点。

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(20120328 千葉市若葉区)

これでカみたく素早く飛んで人の血を吸いに来るのだったらホラーですが、ガガンボはせいぜい花の蜜を吸う程度。動きも鈍く、ふんわりふんわりとしか飛べません。この個体もコンクリートの壁面で、いくら撮影しても不動のまま、じーっと春の陽を浴びておりました。

Category: 昆虫類・ハエ目

19:55 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カタクリ・2012年

2012.03.28(Wed)

なんだかんだ言って三月も末です。北総の里山ではカタクリの開花が見られるようになりました。

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(20120328 千葉市若葉区)

カタクリというのは、いわゆるスプリング・エフェメラル ――― はかない春の花、と呼ばれる部類に属する生活史を持っています。三月の半ばに地表に葉を出し、四月の中ごろにかけて花を咲かせ、光合成をし、種子を散布し、五月には葉はもう見えなくなってしまいます。つまり、地上に顔を出している期間は、実は年に二ヶ月くらいでしかないのです。それ以外の期間は、地面の下で鱗茎として過ごしているのです。このサイクルは、北総の谷津の環境、気候など様々な微妙なバランスの上に成り立っていることは言うまでもありません。

その減少の原因については、千葉県のレッドデータブックにも「鑑賞目的の盗採が著しい」と明記されています。おそらく、花が見たくて掘っていく人たちの大半は、こんなブログなんか見ないし、レッドデータブックという言葉も知らないような人たちでしょう。しかし中には、希少な植物の採掘は悪いことだと百も承知で、自分の欲求のために、あるいは金銭のためにそれをやっている人たちがいます。悲しいことですが、モラルに訴えることには限界があります。ならば、罰則を含む法制度の実現を目指すことと、そして何よりもそれを周知徹底させていくことが、保護のために求められるところではないでしょうか。

※カタクリ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)
千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)




Category: 山野草

17:46 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シュンラン・2012年

2012.03.22(Thu)

生き物を目当てに野山を歩くことには、人それぞれ様々な楽しみ方があると思います。しかしやっぱり、その季節でなければ見られない動植物に出会うことによって四季の移り変わりを感じることは、いつでもとても嬉しいものです。

旧街道に沿った林縁の土手に、シュンランが一輪、花を咲かせていました。

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(20120322 千葉市若葉区)

国内の多くの地域で、春の里山を代表する野生ランと言えば、やはりこれでしょう。何しろ名前からして、春の蘭と書いてシュンランです。房総半島では「ジジババ」なんていう別名もありますけれども、ありがたいことにこのブログにはお子様の読者もいらっしゃるということですから、その由来の解説はここでは避けておきます。知りたい方はあまり周囲に人の多くないところで年輩の方に聞くか、ネットで検索してみてください。

※シュンラン
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

Category: 山野草

20:44 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

越冬明けのニホントカゲ

2012.03.21(Wed)

少しずつ、少しずつ、冬眠から覚めた生き物たちが姿を現しています。今日はニホントカゲに出会いました。

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(20120321 千葉市若葉区)

堂々とした立派な体格の雄です。林縁の斜面で日光浴の真っ最中。ニホントカゲは石垣の穴や石の下、斜面の穴などで冬眠し、春来て繁殖期を迎えると、雄同士で互いの頭部を咬み合う激しい闘争を行うのです

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(20120321 千葉市若葉区)

カメラに気づくと、めんどくさそうに画面右側に見える穴の中に入っていってしまいました。邪魔しちゃってごめんね。

※ニホントカゲ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

Category: 爬虫類

20:29 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

シマドジョウの幼魚

2012.03.20(Tue)

湧水が流れ込む用水路でヤゴを調べていたら、水底の砂の中からシマドジョウの幼魚が出てきました。

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(20120320 千葉市若葉区)

体長は3.5cmほど。シマドジョウの最大体長は14cmくらいなはずですが、どういう事情でか、北総の谷津ではそんなに大きいのはまず見かけません。せいぜい5、6cmくらいです。

上から見るとこんな感じ。

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(20120320 千葉市若葉区)

いわゆる普通のドジョウに比べるとずっとスマートで、大変美しい斑紋をもっています。比較的水のきれいな河川の中流域や、このような水路やその周辺の田んぼなどで見られ、鹿島川流域ではまだかなり生息域が残されていますが、それらはだいたい個別に分断されていたり環境が急速に悪化しつつあったりして、また生息総数そのものもあまり多くありません。千葉市のレッドリストには「B(重要保護生物)」として記載されていますが、「A(最重要保護生物)」として記載されているホトケドジョウと比べても、その生息状況は決して楽観視できるものではないと言えるでしょう。

※シマドジョウ
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

Category: 魚類

20:31 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

テングチョウ

2012.03.16(Fri)

越冬明けのテングチョウが活動を始めています。鼻先に長い突起があることが「天狗」の名の由来です。

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(20120315 千葉市若葉区)

タテハチョウ科に属していますが、かつては独立のテングチョウ科として扱われていました。テングチョウの仲間は世界で10種ほどが知られるものの、国内では1種のみです。その中でもいくつかの亜種に分かれており、残念ながら北海道の亜種は現在では絶滅しているようです。幼虫はエノキなどを食草としています。


Category: 昆虫類・チョウ目

16:35 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

キセキレイ

2012.03.15(Thu)

尾羽を上下させながら水辺を跳び回るスマートな黄色い鳥、キセキレイ。ハクセキレイセグロセキレイなどよりも一層、水の近くから離れない傾向があり、まあこの鳥がいれば近くにだいたい水の流れがある、というくらいなものです。

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(20120315 千葉市若葉区)

冬羽ではやや色が薄く、夏にはもっと鮮やかなレモンイエローをまといます。個体数は各地で減少しており、千葉県、千葉市ともレッドデータブックには「B(重要保護生物)」として記載されています。

※キセキレイ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

Category: 鳥類

14:48 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

越冬明けのマツモムシ

2012.03.14(Wed)

いつも背泳ぎしているマツモムシは、成虫越冬です。冬の間は水底の落葉の層なんかにひそんでおり、そういうところを掘り返すと出てくることがあります。

そしていよいよ春です。日当たりの良い水たまりの水面を、一匹、ゆったりと泳いでおりました。

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(20120313 袖ヶ浦市)

マツモムシの成虫になってからの寿命は約一年です。こうして越冬した後、春から初夏に繁殖行動を行い、子孫を残すとその命を終えます。今、彼らはどんな気持ちで、自らの運命を規定する春の訪れを迎えているのでしょうか。

Category: 昆虫類・カメムシ目

14:08 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ニホンアカガエルの孵化・2012年

2012.03.13(Tue)

暦の上では春が近づいても、寒い日が続いた今年。年明け早くに産まれたニホンアカガエルの卵塊の中には、降雪や凍結によって死んでしまったものも多く見られました。

しかし、そこを逃れた卵塊は、すくすくと育っております。

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(20120313 袖ヶ浦市)

大量に孵化している水たまりでは、ちょっぴり水面が足りなそうです。

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(20120313 袖ヶ浦市)

浅い止水に産むというスタイルは、前述の、産卵後の気候変化以外にも大きなリスクを伴います。それは、産卵した場所の水がなくなったり、乾燥しやすいということです。

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(20120313 袖ヶ浦市)

谷津田の奥の水路に産みつけられたものですが、水が完全になくなっています。黒く見えるのは死んだオタマジャクシです。一つの卵塊に含まれる卵は数百から三千個余り。この乾上がった水路には七、八個の卵塊がありました。つまり、およそ一万の命がここで育たずに消えていくことになります。

なんと想像を絶することでしょう。

Category: 両生類

21:41 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

3月1日・アブラゼミの死骸

2012.03.03(Sat)

いやはや、ちょっぴり驚きました。さすがの私も3月1日にアブラゼミの死骸を見つけるのは初めてです。

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(20120301 千葉市若葉区)

言うまでもなく、アブラゼミと言えば暑い夏の代名詞みたいなセミです。関東地方においてはその羽化は7月から9月がピークであることは周知の事実でありましょう。土の中で過ごす期間は6年間。その羽化のタイミングには地熱が大きな影響を持っていると考えられています。

この個体が何か間違えて出てきたんだったらいいのですが。地面の底が何か妙なことになっているんでなければいいのですが。

Category: 昆虫類・カメムシ目

20:42 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ノウサギの糞

2012.03.02(Fri)

野生の哺乳類というものは、確かにその場所にかなりの数が生息しているものであっても、なかなか野外で実物に出会うというのは難しいことです。しかし、彼らとてうまく姿を隠していても、様々な形でその生活の痕跡を残していきます。

開けた草原で、ノウサギの糞を見つけました。

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(20120301 千葉市若葉区)

直径1.5cmほど、ほぼ完全なボール型です。植物の繊維がぎっしりと固まっている感じです。前夜の雨で濡れているため黒っぽいですが、乾いているともう少し薄い色です。

夜行性のノウサギはこうした開けた場所、それも毎晩わりと決まった場所に糞をします。この草原は、かなり多くの人がそのすぐ横を通りかかる場所です。その人たちのほとんどはノウサギを見たことはなく、おそらくはいると思ったこともないかもしれません。しかし、ノウサギはそこにちゃんといるのです。そこにいて、毎晩あたりを動き回り、糞を残していくのです。

※ノウサギ
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


Category: 哺乳類

19:02 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ノスリ

2012.03.01(Thu)

新ブログに移転して初めての更新となります。雨上がりの朝、人気のない谷津の奥でノスリに出会いました。

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(20120301 千葉市若葉区)

ノスリはカラスより若干大きいタカで、とまっている時にはぽっちゃりした丸っこい体形をしています。こうして見晴らしのいい梢などから地上を監視し、ネズミ類を中心に小型哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類に昆虫類などを捕食するのです。

千葉の冬の里山の代表的な猛禽であり、谷津田の生態系の頂点に君臨する存在でもあります。よく見ると目つきは意外と可愛かったりもしますが・・・

※ノスリ
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・C(要保護生物)

Category: 鳥類

17:55 | Comment(4) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

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