ハリガネムシ

2013.01.24(Thu)

谷津田の水路の水底から、ハリガネムシが出てきました。

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(20130123 袖ヶ浦市)

ハリガネムシというのは、「類線形動物」という仲間に属します。少し前までは、回虫や蟯虫などの、人間にとってはあまりお友達になりたくない生き物が属する「線形動物」の一員だと考えられていました。線形動物とは違うけど似ているので「類」線形動物というわけです。

体長は、(伸ばすと)10cmから30cmほど。その生態はなかなかややこしい他力本願なものです。まず、水中で卵から孵り、ちっちゃな水生昆虫に食べられます。そしてその体内に寄生して、宿主がカマキリやキリギリスのような、もっと大きな昆虫に食べられるのを待つのです。とりわけカマキリが多いです。

そうしてカマキリなどのおなかの中で成長し、宿主が水辺に近づくと体外に脱出して水中に戻り、水中で交尾・産卵します。この日土水路の底から出てきたのは、越冬中のそうした成虫です。

このブログの読者の中にも、カマキリのおなかの中から針金みたいなものが出てきて仰天した経験を持つ方がいらっしゃることでしょう。あれがこれです。秋に、おなかの大きなカマキリのお尻を片っ端から水につけてみると、運が良ければハリガネムシに出会えます。宿主を水辺に近づかせるにあたっては、その脳を乗っ取って水中に飛び込ませている・・・というぶっそうな説もあります。それが本当かはさておいて、寄生された昆虫が生殖能力を失うのは事実ですから、結局こいつにとりつかれると、おなかの中でこれを養ってやるためだけに生きることになります。

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(20130123 袖ヶ浦市)

拡大するとこんな感じ。名前の通り体は固く、伸縮もしませんので、からまっていると鋳物門扉の飾りみたいに見えます。実際に触ってみると、博多ラーメンのバリカタの一番固いやつをさらに固くしたくらいの感じです。絶対に食べたくありませんが。

動きは、こうです。



長くて足のない生き物はミミズからヘビまでたくさんいます。しかしそれらはみな柔軟な体を持っています。足がなくて長くて固い体を持っていると、その動きはかくも独特なものになるのです。



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Category: 類線形動物

21:07 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ユリカモメの水浴び

2013.01.22(Tue)

奇数月の第三日曜日に、清澄白河の「そら庵」というブックカフェ兼イベントスペースから放送する詩の朗読のインターネットTVのパーソナリティをやっています。

その際には必ず会場入り前に清澄庭園に寄るのが習慣になっており、池のまわりをぐるぐる回っています。目的はもちろん庭園の景色とかよりもそこにいる鳥やカメです。

今の季節は様々な冬の水鳥の姿を見ることができます。なにげに『東京都民の鳥』に指定されている、ユリカモメの水浴び姿を動画に撮影してみました。



昔のコマ送りフィルムみたいな超高速で体と羽を動かしては、水面上でバタバタと羽ばたきます。その動きは実に気持ちが良さそうで、つい真似をしてみたくなるほどだけど、池にちょっと指を突っ込んでみれば、やはりその水は冬の池らしくそれなりに冷たいのでした。

▽ユリカモメ

ユリカモメ@綿打池 2010.3.9

ユリカモメ@不忍池 2009.3.16 

Category: 鳥類

20:21 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ビンズイ

2013.01.19(Sat)

都川でビンズイの群に出会いました。中に1羽、対岸からじーっとこっちを見ているやつが。

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(20130119 千葉市若葉区)

ビンズイはセキレイ科の鳥です。じーっとしているとホオジロ科かなんかの鳥っぽくも見えますが、長めの尾羽を上下に振る歩き方などはセキレイそのものです。そっくりさんであるタヒバリとは、背中が緑がかっていること、白い眉斑、眼の斜め下後方の黒斑などで区別できます。

それにしても「ビンズイ」って妙な名前です。ものの本やらネットやらによればこれは鳴き声が「ビンビンズイズイ」と聴こえるから、というのですが、ビンズイの声は「ツィー」というか「ヅィー」とかいう感じで、あまりビンとかズイとかは聴こえないのです。さらに不思議なのは、これに「便追」という、バキュームカーを思わせるような漢字が当てられていること。中国語に由来するのかと思って調べてみたところ、中国ではこの鳥を「树鹨」というそうです。何やら調べがいがありそうと申しますか、謎の扉が口を開けております。

Category: 鳥類

22:39 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

キセキレイの採餌と水浴び

2013.01.13(Sun)

コンクリートの三面張り水路にも、長い時間が経てばところどころに砂がたまります。今回取り上げるポイントでは湾曲した流れの先に小さな堰があり、その下流にちょっとした島というか中洲のようなものができています。そこにはいつも様々な鳥が集まってきています。

今日はキセキレイの姿がありました。

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(20130113 千葉市若葉区)

中洲そのものではなく、その周辺の枝やゴミの上を、しきりに跳ね回っています。じーっと見ていると、

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(20130113 千葉市若葉区)

なんだか上の方を気にしています。そして、

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(20130113 千葉市若葉区)

ピョンピョンとジャンプしては、水の上を舞っているブユをフライキャッチして採餌していました。実に身軽で、重力を感じさせないかのような動きです。鳥という生き物の筋力というか瞬発力は本当に凄いものです。

私はこの模様を動画に撮ろうと思い、デジカメを動画モードに切り替えたところ、ちょうど採餌が終ったタイミングだったようで、はからずも水浴びの模様を撮影することとなりました。これまたまるでコマ送りのような素早い動きです。



尾羽をピコピコ上下に動かすのが、この鳥の特徴的なムーヴですね。

※キセキレイ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽キセキレイ

キセキレイ 2012.3.15

Category: 鳥類

19:40 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ウスタビガの繭

2013.01.11(Fri)

冬枯れた雑木林の、そんなに高くない枝に、よくこんなものがぶらさがっています。

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(20130110 千葉市若葉区)

ヤママユガの仲間の大型のガ、ウスタビガの繭です。

ウスタビガ、というのは漢字だと「薄手火蛾」あるいは「薄足袋蛾」と書きます。どちらにしてもこの繭の形状からの命名です。「手火」というのは読んで字の如く手に持つ松明のような明かり、ひいては提灯みたいなもののことなのです。確かにそうしたものに似た形状ではあります。繭の底に小さな穴が開いているのは、水がたまらないようにするための穴です。羽化した成虫の出口は反対側にあります。

こうした繭は、冬になって出現するわけではなく、実は夏からずっとあるのですが、葉が茂っている間は目立たず、見つかりません。葉が散ってしまって初めて、この鮮やかな緑色が露わになるのです。

そして、露わになった頃にはもう中身は空っぽだったりします。ウスタビガは秋に羽化するので、今この繭をやぶいてみても、中には脱ぎ捨てた蛹の殻とかしか入っていないのです。自然というのはうまくできています。

※ウスタビガ
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽ウスタビガに関する過去の記事

ウスタビガ(♂) 2011.11.25

Category: 昆虫類・チョウ目

17:15 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シロハラの採餌

2013.01.10(Thu)

今年もユーラシア大陸から、たくさんのシロハラが越冬にやってきています。薄暗い雑木林の林床でじっと立ち止まってみると、あちこちからガサガサと音が聴こえてきます。この鳥が採餌している音です。

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(20130110 千葉市若葉区)

では具体的にどうやって採餌しているのかというと、動画でご覧いただくのがわかりやすいように思います。



このように、落葉をどんどん引っくり返しては、下にいる昆虫やミミズのような無脊椎動物を探しているわけです。実にパワフルです。私たちがレジャーシートみたいなものを連続して裏返すような作業をこれと同じ速さで続けたら、あっという間に息が上がってしまいそうです。


先にも書いたように、ユーラシア大陸から渡来する冬鳥なのですが、西日本の山地では少数が繁殖しているそうです。

▽シロハラに関する過去の記事

シロハラ 2010.1.11

Category: 鳥類

17:30 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

スズガモ(♂)

2013.01.08(Tue)

この冬も、千葉ポートパークにはスズガモの群の姿が見られます。この日は堤防の内側に40羽くらいを観察することができました。ここでは日中はだいたい、オナガガモとヒドリガモの群が波打ち際に、スズガモの群がやや沖に、という感じで行動範囲を分けているようです。

そんな中、雄が1羽、比較的岸に近いところにいました。

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(20130108 千葉市中央区)

スズガモといえば泉水の名手。ただ淡々と波に揺られているわけではなく、しきりに潜っては何か捕っています。

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(20130108 千葉市中央区)

上がってくるところを見ると、二枚貝をよく食べています。

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(20130108 千葉市中央区)

「鈴鴨」という名前の響きも風流ですが、これは、飛ぶ時の羽の音が金属的に聴こえるから・・・なんですって。

※スズガモ
千葉県レッドリスト・D(一般保護生物)
千葉市レッドリスト・C(要保護生物)


▽スズガモに関する過去の記事

スズガモ@千葉ポートパーク 2012.2.22

スズガモ(♀) 2012.1.2

Category: 鳥類

20:18 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ダイゼン

2013.01.07(Mon)

ダイゼンは、ハトよりちょい小さいくらいの体格の、チドリの仲間です。日本には春か秋の渡りの途中に立ち寄る旅鳥として飛来するか、または冬鳥として越冬にやってきます。

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(20130106 習志野市)

「ダイゼン」という名前は、ちょっと前にいた「大善」というお相撲さんとはもちろん無関係で、漢字だと「大膳」と書きます。これは律令制下で宮中の食事を司っていた役所、大膳職に由来するもので、実はこの鳥、肉がおいしく、かつては宮中の食事に供されていたこともあるのだそうです。ちなみにこの大膳職の長官を「大膳大夫」といい、かの武田信玄もこれに任命されています。とは言えその頃には既に律令制は無実化し、単なる名誉称号に過ぎなくなってはいましたが・・・

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(20130106 習志野市)

気持ち良さそうに水浴びしている個体も見られました。こうした干潟では、ゴカイなどの無脊椎動物や小型の魚類などを捕食して生活しています。夏羽と冬羽ではルックスが全然異なっており、夏羽になると体の下面が黒くなり、まるで別の鳥のようになります。

※ダイゼン
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

Category: 鳥類

17:34 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヨシガモ

2013.01.06(Sun)

皆様、明けましておめでとうございます。遅まきながら新年最初の更新です。

今日は用事のついでに、ちょろっと谷津干潟に寄りました。

オナガガモやヒドリガモの群の中に1羽、ヨシガモの雄が混じっていました。

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(20130106 習志野市)

このカモ、雌は地味なんですが、雄はご覧の通りメタリックグリーンの顔&紅色の頭、それに尾羽のように見える立派な三列風切羽と、たいへん優雅な姿です。お正月にはちょうどいいですね。

ユーラシア大陸東部で繁殖し、日本列島には冬季に渡ってきます。北海道の一部でもちょっとだけ繁殖しています。「葦鴨」という名前からは淡水のカモ、というイメージが漂ってくるけれど、こうした干潟や内湾の浅瀬にもやってきます。

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(20130106 習志野市)

しきりに羽つくろいと羽ばたきを繰り返していました。しかし、オナガガモやヒドリガモが近づいてくると止まっている場所を明け渡して逃げたりしており、若干肩身が狭めです。東京湾で越冬する個体群は近年減少傾向にあり、千葉県、千葉市とも、レッドデータブックにおいては「B(重要保護生物)」にランクされています。

※ヨシガモ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

Category: 鳥類

22:27 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

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