ナガゴマフカミキリ

2013.08.30(Fri)

ナガゴマフカミキリは、雑木林でよく見られるカミキリムシです。北海道から奄美諸島まで、幅広く分布しています。

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(20130830 千葉市若葉区)

体長は2cm程度。地味な色づかいながら複雑怪奇な模様は、樹皮にとまると実に見事な保護色となります。様々な広葉樹の伐採木や倒木、枯木などで幼虫が発生することから、時にはシイタケのほだ木などの害虫とされることもある、昔ながらの里山の営みに近いところにいる昆虫です。
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Category: 昆虫類・甲虫目

18:25 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アカボシゴマダラ

2013.08.27(Tue)

世の中にはいろんなゲリラがいます。

中には「放蝶ゲリラ」なんてえのもあります。このアカボシゴマダラを関東に広めたのは、どうやらそのての人たちであったらしいです。

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(20130825 東京都練馬区)

アカボシゴマダラは元来南方系のチョウで、日本で奄美大島や徳之島などに自然分布するのみでした。それが90年代に入って神奈川県の、どうやら藤沢のあたりから急に出現して増え始め、都内を席巻し、2011年には千葉県内でも記録されました。

幼虫の食草はエノキであり、それがあるところであれば都市公園等でもかなり普通に見られるようになってきている、というよりもどうやら都市公園のような環境がその生育にむしろ好適であるようです。同じくエノキを食草とするゴマダラチョウやオオムラサキとの競合も問題視されています。この件についてはしっかりとした研究が少ない状況であり、滅多なことは言えないのですが、相対的にゴマダラチョウの個体数が各地で減少しているのは確かです。懸念されているような生態学的な競合が本当に成立しているとすると、おそらく中国大陸産であろうアカボシゴマダラを野外に放した誰かの行為は、その目的はどうあれ、ゲリラというよりは結果としてテロ行為に似ています。

よく「外来生物」という言葉が使われます。このアカボシゴマダラも、環境省により要注意外来生物に指定されています。しかし、ここに言葉のトリックがあります。アメリカザリガニだろうがウシガエルだろうがミシシッピアカミミガメだろうがアライグマだろうが、彼らは自分で泳いだりして日本に渡ってきたのではなく、何らかの意図を持って人間が持ち込んだものであるからです。言ってみれば外来生物とはすなわち、人為的移入生物であり、人為的放逐生物です。何はさておき、そのことを忘れてはいけないと思います。

※アカボシゴマダラ
要注意外来生物





Category: 昆虫類・チョウ目

21:52 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ウスバカゲロウの幼虫

2013.08.18(Sun)

乾いた砂の斜面に、こんなようなすり鉢状の穴がたくさんあいています。

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(20130818 千葉市若葉区)

さて、千葉の田舎で育った人ならこれがなんだかわからない人はおそらく少ないことでしょうが、世界がみんな千葉の田舎で育った人ばかりというわけではありません。ちょいと木の枝でほじくり返してみましょう。

穴の底から出てきたのは、こんなひとです!

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(20130818 千葉市若葉区)

これすなわちウスバカゲロウの幼虫、つまりはアリジゴクです。この穴の底にひそみ、小さな虫が通りかかるのを待ちかまえ、すり鉢の中にうっかり入り込むと砂をかけて落とし、大顎でつかまえて体液を吸い取るのです。獲物さえ手に入れば飼うのはわりかし簡単なので、自由研究の題材にした方もいらつしゃることでしょう。

穴の大きさは中にいるアリジゴクの大きさに比例し、大きな穴には大きいのが隠れています。成虫になると2、3週間で死んでしまうウスバカゲロウは、羽化するまでのざっと2年間、土の中でこの姿で暮らすのです。

▽ウスバカゲロウに関する過去の記事

ウスバカゲロウ 2011.7.18

オオトリノフンダマシ

2013.08.12(Mon)

車の屋根に鳥の糞みたいなものがくっついていました。

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(20130808 袖ヶ浦市)

その名も「オオトリノフンダマシ」。鳥の糞に擬態しているクモです。この個体は雌で体長は1.2cmくらい。雄はうんと小さく、2mmか3mmくらいしかありません。ぽてっとした質感が非常に排泄物っぽいです。夜行性で、夜になると網を張ります。その網は粘り気が強くできており、引っかかった昆虫はなかなか逃げられないのです。

Category: 鋏角類

14:27 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ニホンリスの食痕

2013.08.10(Sat)

里山を歩いていると、マツの木の下でこんなものを見つけることがあります。

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(20130808 袖ヶ浦市)

俗に「エビフライ」などとも呼ばれるこれは、ニホンリスの食痕です。松ぼっくりの鱗片をはがして中の種子を食べたあとなのです。全部同じ形をしているわけではなく、けっこう様々なかじり方をします。周囲には鱗片が散らばっています。

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(20130808 袖ヶ浦市)

このニホンリスはマツ林にかなり依存した生活を送っており、その荒廃・減少とともに各地で姿を消しつつあります。県北部では生息地がどんどん分断・消失しつつあり、さらに視野を広げると九州などでは既に絶滅しているようです。私の少年時代には千葉市内にもかなりの数が生息しておりしょっちゅう姿を見ましたが、今では滅多に実物と遭遇しません。人里近くの代表的な小動物であったリスも、今ではどんどん「幻の動物」への道をたどっています。

※ニホンリス
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)

Category: 哺乳類

11:27 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

キキョウ

2013.08.09(Fri)

秋の七草のひとつともされ、日本全土に分布し、誰でもその名前くらいは知っているキキョウ。しかし、野外で実際に自生するものを見たことのある人は、特に千葉県ではかなり少なくなっているのではないでしょうか。

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(20130808 袖ヶ浦市)

これは、本種の生育に適した、定期的に人の手が入っている茅場のような半自然的な草地が現在では各地で消滅しつつあること、そして観賞目的での採掘(またしても!)がその大きな原因です。花を見たいからと言って掘り返して持って帰ったりしないでください。

もっぱら秋の花とされますが、実際には早ければ7月末くらいから見られるので、私にはどことなく「夏休みの花」というような感覚です。ただし、先にも書いたように非常に少なくなっているので、現代の千葉県の子供が野外で目にする機会は極めて限られているのですが・・・。

※キキョウ
環境省レッドリスト・VU(絶滅危惧Ⅱ類)
千葉県レッドリスト・A(最重要保護生物)
千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)

Category: 山野草

21:10 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヤママユ

2013.08.08(Thu)

7日の夜、お酒を飲んでおりまして、

バスで帰宅し、外はやや涼しげなのでなんとなく少し手前のバス停で降りて、風に吹かれてぷらぷら歩いて家路についておりますと、街灯の光のまわりをコウモリみたいなものがパタパタと舞っています。すーっと足元に降りてきたのを見ると、ヤママユでした。

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(20130808 千葉市若葉区)

ちょっとボロくなっていますが、開張15cmになんなんとする立派な体格です。ヤママユは雑木林で発生し、名前の通りその繭からは上質な絹糸がとれ、これを「天蚕糸」といいます。年に一回発生します。ヤママユガの仲間の常で、口は退化しており、成虫になると何も食べません。

このあと、写真のガはまたすーっと舞い上がり、住宅の塀に沿って飛んでいきました。追いかけようと思いましたが、そこでハタと気づきました。

・深夜の住宅地
・カメラを持った男
・塀に沿って何かを追いかけている

しかも酒まで入っています。うっかり誰かに見つかって警察にでも通報されたらと思うとちょっとコワくなり、いそいそとその場を離れたのでした。

※ヤママユ
千葉市レッドリスト・C(要保護生物)

Category: 昆虫類・チョウ目

21:36 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シマヘビの幼蛇

2013.08.06(Tue)

シマヘビと言えば名前の通り縦の縞が入ったヘビですが、子どもの頃は赤褐色の体に横の縞が入っています。この日出会った個体は、ちょうどその横の縞が縦になってきた段階のものでした。

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(20130805 千葉市若葉区)

このくらいの成長度合いのシマヘビはご覧の通り、エキゾチックな雰囲気で非常に美しいです。頭は三角形でまるでマムシのよう。これは毒蛇に擬態しているものと思われますが、シマヘビはそれ自体けっこう攻撃的なヘビで、

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(20130805 千葉市若葉区)

カメラを向けたままでいるとグッととぐろを巻き、鎌首を持ち上げてこちらを威嚇し、それから首を膨らませて威嚇姿勢をとったまま藪の中に消えていきました。

時折、「野外でガラガラヘビに会った」などと言う人がいます。そうしたヘビの正体は、実はその多くがこのシマヘビでしょう。ご覧の通り、幼蛇のうちはおとなのシマヘビとかなり体色も雰囲気も異なる上、威嚇の際には尻尾を立てて震わせる動作も時々やるのです。

※シマヘビ
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽シマヘビに関する過去の記事

枝を這うシマヘビ 2011.6.12

シマヘビ 2010.6.2

シマヘビの幼蛇 2010.4.19

Category: 爬虫類

20:18 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アズチグモ(雌)の狩り

2013.08.05(Mon)

怪しげなアイマスクをつけているように見える顔つきが特徴のアズチグモ。農道の道端でハチを捕食していました。

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(20130803 千葉市若葉区)

アズチグモはカニグモの仲間で、網を張らずに花の上などで獲物を待ち受けて捕えます。この写真の個体は雌で、体長は7、8mm。雄はぐっと小さく、3mmくらいしかありません。

体色には個体変化があり、と言うよりもまわりの環境に合わせて、白から黄色の間で(何日かかけて)色を少し変えることができます。この個体は黄色い花で暮らしているので、色も黄色っぽいというわけです。また、足などに様々な模様が入っていることもありますが、その模様は一生変りません。

捕えられているハチは全身花粉だらけです。花粉を集めるために花にやってきたのでしょう。野生の世界では、食事の時間は常に危険と隣り合わせです。

▽アズチグモに関する過去の記事

アズチグモ 2009.8.26

Category: 鋏角類

19:02 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ショウリョウバッタの交尾

2013.08.03(Sat)

昨日は、羽化に出会ったのとは別の場所で、ショウリョウバッタの交尾風景にも出会いました。

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(20130802 千葉市若葉区)

実にまあ体のサイズが違います。雌が8cmくらいあるのに比べ、雄は5cmくらいにしかなりません。しかも雌はがっしりしていて雄は細いので、感じとしては雌は雄の2倍半くらいのボリュームです。ショウリョウバッタには褐色型と緑色型がありますが、このカップルは雌が褐色型、雄が緑色型ですね。この後、雌は土中に産卵します。昨日の記事でも書いた通り、孵化するのは来年の初夏です。

▽ショウリョウバッタに関する過去の記事

ショウリョウバッタの羽化 2013.8.2

ショウリョウバッタ 2008.8.23

Category: 昆虫類・バッタ目

15:06 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ショウリョウバッタの羽化

2013.08.02(Fri)

お盆も近くなってまいりました。ちょうどそのころ成虫が現れるので「精霊」という名を持つショウリョウバッタ。道端の草むらで、羽化したての巨大な雌に出会いました。

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(20130802 長生郡長柄町)

しばらく観察しているうちに、みるみる翅がしっかり伸びてゆきます。ショウリョウバッタはイネ科植物が生い茂る草原環境に好んで生息します。秋に産卵し、翌年の初夏に幼虫が誕生し、じゃんじゃん脱皮を繰り返してこのように羽化します。

脱皮というのは昆虫にとって無防備で危険な時間帯です。ショウリョウバッタの場合、外敵に襲われやすいだけでなく、共食いの犠牲となることもあります。また、脱皮した殻は自身にとってもタンパク源となり、あとで自分で食べてしまったりもするのです。

▽ショウリョウバッタに関する過去の記事

ショウリョウバッタ 2008.8.23

Category: 昆虫類・バッタ目

16:51 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

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