キヅタ

2013.10.31(Thu)

なんだか夏からダイレクトに冬が訪れつつあるような今日この頃。林縁ではキヅタの花が咲いています。

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(20131031 千葉市若葉区)

ウコギ科キヅタ属の常緑つる性木本です。ツタに比べてより茎が「木質」であるため、このような名がついています。空気中に出す根、すなわち「気根」を出しつつ樹木を這いのぼりますが、締めつけたり樹冠までを覆ったりしないので、樹木を枯らしてしまうことは通常ありません。来年の春には、この花に代ってなかなかかわいらしい実を見ることができるはずです。
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Category: 樹木

20:26 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

サワガニの稚ガニ

2013.10.12(Sat)

湧水が流入する谷津田の土水路に網を入れたところ、甲幅1cm未満のちっちゃなサワガニがざくざくとかかりました。

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(20131010 袖ヶ浦市)

サワガニというのは実はけっこう特殊なカニです。日本固有種、そして一生を淡水で過ごす日本で唯一のカニで、通常のカニが孵化後にゾエア→メガロパ→稚ガニ、という三段階の変態でようやくカニの姿になるのに対し、稚ガニになるまでを卵膜の内部でやってしまい、親と同じ姿になってから出てきます。雌は初夏に50個くらいの卵を産み、孵化後も3日か4日ほどおなかに抱えて過ごすので、たまに子ガニをたくさん抱いた母親ガニに出会うことがあります。

こうした稚ガニが成熟するまでには3~4年とけっこうかかり、その寿命は10年に達するということです。

※サワガニ
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)


▽サワガニに関する過去の記事

サワガニ 2011.11.10

Category: エビ・カニ類

20:43 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

白花のキツネノマゴ

2013.10.11(Fri)

キツネノマゴと言えば淡紅色の唇形花。しかし、ここの谷津田近辺では白いものが出現します。色以外は大きさも形も全て淡紅色のものと変わりありません。また白花のみで群落をつくっているというわけでもなく、淡紅色のと混じって生育しています。

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(20131010 袖ヶ浦市)

見慣れた花も色が違うだけで見え方がずいぶん変わります。質感も異なって感じられます。「シロバナキツネノマゴ」という名前で呼ばれることもあります。わりと多数発生する地域もあるようですが、房総半島では結構レア。見かけた方は教えてくださいね。


▽キツネノマゴに関する過去の記事

キツネノマゴ 2008.9.23

Category: 山野草

20:13 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヤブマメ

2013.10.10(Thu)

藪のようなところに生えてるマメ科植物なので「藪豆」というそのまんまのネーミングです。9月の終わり頃から、林縁でなかなかかわいらしい花を咲かせています。

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(20131009 千葉市若葉区)

地上と地下の両方に豆をつけ、地上の豆はサヤエンドウに似ています。一方で地下にできる豆の方はなかなかの美味だそうで、ただし秋のうちに掘るのではなく、春になってから掘った方が味が良くなるんですって。

Category: 山野草

21:48 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カタシロゴマフカミキリ

2013.10.09(Wed)

カタシロゴマフカミキリは、以前紹介したナガゴマフカミキリとかなりよく似ています。相違点は、名前の通り鞘翅の上のほうにやや判然としない白い色彩があること、また、触角も白い部分が目立つことです。体は微毛に覆われており、触角にも毛が生えています。

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(20131008 千葉市若葉区)

生活もナガゴマフカミキリと似ており、広葉樹で幼虫が発生する、里山のカミキリムシです。灯火にもよく集まります。しばしば間違えられますが、名前は「カタジロ」ではありません。「カタシロ」ゴマフカミキリです。

Category: 昆虫類・甲虫目

18:24 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ゴンズイの実

2013.10.08(Tue)

谷津田の林縁では、ゴンズイの実が赤くはじけています。いや、黒くはじけているというべきでしょうか。いやいやきちんと正確を期すなら、赤い袋果が破れ、黒い種子が現れたというべきでしょうか。まあきりがないので難しいことは抜きにしましょう。

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(20131008 千葉市若葉区)

これもまた、里山の秋を彩るおなじみの風物詩のひとつですね。

中の種子は1個のものと2個のものとがあります。ひとつひとつの種子の直径は5mmくらい。ゴンズイはミツバウツギ科の落葉小高木で、高さは5mをしばしば越えますから、そんなに小さな木ではありません。日本にはゴンズイ属はこれ一種だけです。学名には「Euscaphis japonica」と日本の国名が入っていますが、朝鮮半島や中国にも分布しています。

Category: 樹木

23:05 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

シマヘビ、ニホントカゲを捕食する

2013.10.07(Mon)

木漏れ日の射し込む林床で、体長1mほどのシマヘビに出会いました。しきりに鎌首をもたげてあたりを睥睨し、また頭を落葉の下に突っ込んでみたり、何か獲物を探している風情です。

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(20131007 千葉市若葉区)

10分ほど観察していると、唐突にその時が訪れました。一気に跳び出し、ニホントカゲを捕えました!トカゲはとっさに尻尾を自切して逃れようとしましたが、間一髪、間に合いませんでした。

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(20131007 千葉市若葉区)

横ぐわえにされたトカゲは、ヘビの首の横に咬みついて抵抗します。動画でご覧ください。



ヘビはトカゲの下半身をうまく自分の口に対してまっすぐな方向にくわえ直すものの、トカゲは上体をU字型に曲げてヘビに咬みついているので、そのままでは呑み込むことはできません。ならばとヘビはぐるぐるとトカゲに巻きついてギュッと締め上げます。

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(20131007 千葉市若葉区)

しかしトカゲは細い上に口から出ているのは上半身だけなので、うまく締められないようです。とぐろを解いた時、トカゲはまだヘビにしっかりと咬みついたままでした。

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(20131007 千葉市若葉区)

柔道で言ったら、足一本を絡めて抑え込みのコールをかろうじて先延ばししている状態でしょうか。もっとも、状況ははるかに絶望的です。ヘビは何度も首を振り、トカゲをくわえ直して咬みつきを外そうとしますが、トカゲは放しません。トカゲの咬む力はさほど強くありません。バッタを捕食してもなかなか頭を噛み砕くことができないほどです。ヘビの鱗を破り、皮膚を傷つけることは思いもよりません。それでもトカゲはヘビに咬みつき続けます。ヘビもトカゲも声を発することはありませんから、その戦いは奇妙に静かです。

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(20131007 千葉市若葉区)

ついにヘビはトカゲの下半身を完全に口の中に収めます。逃れる術はもはやなく、トカゲの運命は99.9パーセント決しています。仮に奇跡が起き、ヘビがトカゲを吐き出したとしても、もはやトカゲの内臓は潰れ、脊椎も壊れていることでしょう。その後の時間を生き長らえることはおそらく不可能です。この咬みついている口を放しさえすれば楽に死ねるはずですが、野生の動物はその道は選ばないのです。最後の最後まで命にしがみつき、とことんまでやるのです。私は、食物連鎖の輪の中で起きる野生の動物同士の戦いを見ていると、「潔さ」とか「引き際」などという言葉は一体何だろうと考えてしまいます。

トカゲがついに咬みつきを放したのは、ヘビに捕えられてから50分後のことでした。ヘビがトカゲを地面に押しつけるような動作を何度か繰り返した時、ついに放したのです。ヘビから口を放したトカゲは、それでも両手で虚空をかき、動かせる限りのところを動かしながら、静かにヘビの喉の奥に呑みこまれてゆきました。

※シマヘビ
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)

※ニホントカゲ
千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽シマヘビに関する過去の記事

シマヘビの幼蛇 2013.8.6

枝を這うシマヘビ 2011.6.12

シマヘビ 2010.6.2

シマヘビの幼蛇 2010.4.19

▽ニホントカゲに関する過去の記事

婚姻色の出たニホントカゲ 2013.3.22

穴を掘るニホントカゲ 2012.10.25

垂直壁面で日光浴するニホントカゲ 2012.5.7

越冬明けのニホントカゲ 2012.3.21

ニホントカゲの赤ちゃん 2011.8.7

ニホントカゲの幼体 2010.9.27

ニホントカゲの幼体 2010.8.4

ニホントカゲの日光浴 2010.5.23

ニホントカゲ、コバネイナゴを襲う 2009.10.15

ニホントカゲの幼体 2009.8.5

ニホントカゲ、雄同士の闘争 2009.4.27

ニホントカゲ 2008.4.25

Category: 爬虫類

21:22 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

キバラヘリカメムシ

2013.10.06(Sun)

マユミの実などに集まるキバラヘリカメムシは、個人的には千葉県で見られるカメムシの中でも美しい種のひとつだと思います。

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(20131006 千葉市若葉区)

写ってませんが、腹部はレモンイエローです。以前紹介した幼虫と比べると、黒い翅が全体を引き締めなかなかシックです。

動きはあまり速くなく、カメラを向けるとやおら葉の裏に回り、その葉を裏返すとまた表に回り、という無限軌道のような動きをします。テントウムシを棒につけて両端を上げ下げするのと同じようにいつまでも遊べます(そんなことして遊んでもしょうがないのですが)。

体長は1.5cmほど。いつも集団でいることと臭いを発すること以外には武器を持たず、食草に群がって淡々と暮らしています・・・というのは人間から見た見方で、きっと彼らは彼らなりにエキサイティングな生活を送っているのかもしれませんね。

▽キバラヘリカメムシに関する過去の記事

キバラヘリカメムシの幼虫 2010.9.18

Category: 昆虫類・カメムシ目

23:31 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ノウサギの足跡

2013.10.05(Sat)

畑などで、このような足跡を見かけたことはないでしょうか。

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(20131004 八街市)

これはノウサギの足跡です。左の写真で、奥から手前に向かって駆けてきています。こうした足跡は、よく「ケンケンパッ」あるいは「チョンチョンパッ」などという擬音で表現されますが、一直線に二つ並んでいるところが前足の跡、二つ平行に並んでいるのが後足の跡です。前足を時間差で「チョンチョン」と地面につき、それから後足を揃えて「パッ」と蹴るため、変形のY字型が出来上がるわけです。

この写真を撮影した畑は周囲を森林に囲まれており、他にもタヌキやハクビシンの足跡がありました。夜の間、それらの獣たちは縦横にあたりを行動しているのでしょう。そこには日中、人間が見ているものとは異なる世界が広がっています。

※ノウサギ
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽ノウサギに関する過去の記事

ノウサギの「ため糞」 2012.9.6

シュンランに残るノウサギの食痕 2012.4.10

ノウサギの糞 2012.3.2

ノウサギ 2010.3.28

Category: 哺乳類

22:50 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ビロウドサシガメ

2013.10.04(Fri)

ビロウドサシガメは県内にかなり広範囲に分布しているようですが、その個体数はそれほど多くなく、目にする機会もあまりありません。こうした虫との出会いは嬉しいものです。

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(20131003 千葉市若葉区)

体長は1.3cmほど。ほんのわずかに青みがかったような黒い光沢のある頭部と胸部、腹部側縁の赤と白の縞模様など、なかなか美しい姿のサシガメです。地上性であり、地面を歩き回り小昆虫などを捕食します。この個体は農道を歩いて渡ろうとしているところでした。

Category: 昆虫類・カメムシ目

23:38 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

キボシアオゴミムシ

2013.10.03(Thu)

雨の午後、濡れた地面をキボシアオゴミムシがしゃかしゃかと歩いていました。

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(20131001 千葉市若葉区)

体長は1.3cmほど。メタリックな赤銅色の頭部と胸部、腹部後端付近の一対の斑紋が特徴です。いかつい大顎が示す通りに肉食で、他の昆虫を捕えて食べ、あるいは屍肉にも集まります。主に夜行性で、昼間は石やなんかの下にじっとしていることが多いのですが、雨が降る日や暗い日はこうして歩き回っている姿をよく見かけます。

Category: 昆虫類・甲虫目

19:08 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アオイトトンボの産卵・2013年

2013.10.02(Wed)

アオイトトンボは、千葉市内で見ることのできる最も美しいトンボのひとつでしょう。形態はほぼオオアオイトトンボと同じですが、そのコバルトブルーの眼は見間違えようがありません。

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(20130929 千葉市若葉区)

挺水植物の多い池沼などで発生するアオイトトンボの産地は、オオアオイトトンボに比べるとかなり限定されており、確実に出会える場所は千葉市内ではほんのわずかでしかありません。この写真を撮影した池では2009年から毎年秋に交尾・産卵の模様を記録しています。様々な形での環境悪化が進む中、この数年で千葉市の動物相も大きく様変わりしています。例年と同じ生きものの営みの光景と出会えるのというのは、本当に幸せなことです。

※アオイトトンボ
千葉県レッドリスト・C(要保護生物)
千葉市レッドリスト・B(重要保護生物)


▽アオイトトンボに関する過去の記事

アオイトトンボ・2011年 2011.10.9

アオイトトンボの産卵 2010.10.15

アオイトトンボの交尾 2010.10.9

アオイトトンボ 2009.10.17

Category: 昆虫類・トンボ目

19:44 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

キクイモ

2013.10.01(Tue)

都川の川岸にキクイモが鮮やかに咲いていました。

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(20130929 千葉市若葉区)

草丈は時に3mにもなります。北米原産の帰化植物で、花のかっこうが示す通りキク科であり、地下に塊茎をつくって増えるため「菊芋」というわけです。繁殖力がたいへん旺盛で在来種に対する影響が懸念され、そのため要注意外来生物に指定されています。

塊茎は食用となります。多糖類の一種イヌリンを含んでおり、これは人間の持っている分解酵素では分解できない構造を持っているため、ここからブドウ糖を摂取することはできず、それがために血糖値上昇の抑制につながるという効能があります。

しかしながら、しばしばマスメディアでも主張されるように、キクイモが血糖値を「下げる」効果が本当にあるのかとなると話は別です。「上がらない」ことと「下がる」ことは全く違うからです。

キクイモという名前で検索をかけると、植物そのものを紹介するサイトよりも、むしろサプリメント会社などが大量に出てきます。明治時代に飼料用植物として日本にもたらされたキクイモは、今では資本主義経済の渦中にいるのです。

※キクイモ
要注意外来生物


Category: 山野草

17:05 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
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まで送っていただけると幸いです。

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