カジカガエル

2014.06.27(Fri)

鳴き声が美しい渓流のカエルとしてよく知られるカジカガエル。その実物はご覧の通り、意外と地味な姿です。

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(20140626 富津市)

春から夏、繁殖のためにこうして渓流の石の上で鳴く雄の姿を見ることができます。雄は体長4cmほど、雌はそのおよそ1.5倍ほどになります。産卵は水中の石の下に行われ、生まれてきたオタマジャクシは口で石にはりいて流されないようにしつつ、石に付着した藻類を食べて暮らします。房総半島では、南部の河川に生息しています。

カジカガエルは実はアオガエル科で、指先には吸盤があります。体色にはかなりの個体変異があり、シュレーゲルアオガエルなどが緑の葉に溶け込んでいるように、こちらは石だらけの早瀬に溶け込む保護色になっているのです。

※カジカガエル
千葉県RDB・B(重要保護生物)
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Category: 両生類

22:53 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

青色型のサワガニ

2014.06.26(Thu)

渓流沿いを歩いていたら視界の隅でシャカシャカっと動くものが。そーっと水中に手を突っ込んで石をどけると、立派なサワガニが出てきました。

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(20140626 富津市)

ちょっと困ったように見える顔がなんとなくかわいいですね。片方のはさみが大きいことから、雄であることがわかります。

サワガニと言えば赤いものだと思っていらっしゃる方が、もしかしたら多いかもしれません。しかし地域によってそうとは限らず、房総半島で言うと真ん中から南のほうの個体群は、おとなになるとほとんどこのように青白くなります。南房総で赤いサワガニを見ると、かえってびっくりするくらいです。純淡水産であり、移動能力の低いサワガニは遺伝的な分化が進んでおり、わかりやすく言えばこっちの川のサワガニとちょっと離れた別の川のサワガニでは相当中身が異なっている、なんてこともあります。これは、一度その土地のカニが絶滅してしまったら、もはやその個体群を再び復活させる手立てはなく、別の土地から持ってきたサワガニを放流しても取り返しなどつかないということを意味しているのです。今そこにいるものが住み続けることのできる環境を保つことができないのであれば、悲しいかなそれは保全でも保護でもないのです。

※サワガニ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


▽サワガニに関する過去の記事

サワガニの稚ガニ 2013.10.12

サワガニ 2011.11.10

Category: エビ・カニ類

22:20 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ヤケヤスデ

2014.06.24(Tue)

この季節、雨っぽい日に建物の壁などにこのような2cmくらいのヤスデが上がってきているのをよく見かけます。これがヤケヤスデです。

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(20140624 千葉市若葉区)

ヤスデとムカデの違い、というのはしばしば子供さんなどに聞かれるところ。ムカデには体節一つにつき一対の脚が生えていますが、ヤスデには二対生えています。ムカデには毒牙がありますがヤスデにはありません。ムカデをつついていじめると咬みついてくるか逃げるかしますが、ヤスデはだいたい丸まって身を守ろうとします。ムカデは他の小動物を襲って食べて暮らしていますが、ヤスデは腐植質を食べて分解して暮らしています。大量に発生したりすると気持ち悪がられ、不快害虫として扱われてしまいがちなのですが、言ってみれば、せっせといい土壌を形成するために働いているわけです。

さて、この季節にヤケヤスデが建物の壁などに上がってくるのは、雨が降ると地面の中の水分が多くなるからです。湿ったところは好きですがあんまり水っぽいと溺れてしまうというわけですね。

Category: 多足類

21:22 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コマルハナバチ(♂)

2014.06.13(Fri)

コマルハナバチの雄は、雌、すなわち女王や働き蜂とはずいぶん姿が違います。雌バチが全身黒い毛に覆われお尻がオレンジ色なのに対し、雄はこのような明るい色の黄色い毛に覆われ、ちょっとぬいぐるみみたいです。

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(20140610 袖ヶ浦市)

この雄は梅雨の時期に発生します。コマルハナバチは他のハチに比べてその生活サイクルが「前倒し」なハチで、春になるとすぐに女王バチが活動を始め、梅雨の時期までに子育てを終え、雄バチと翌年の新女王を送り出して巣を解散してしまいます。

そもそも羽化の時期がそんなですから、雄バチは働きバチのような家事労働は一切しません。その仕事は新女王と交尾して翌年に向けての遺伝子を残すことです。その後、新女王は越冬しますが、雄バチはひっそりとこの世から消えていくのです。

Category: 昆虫類・ハチ目

18:21 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

ガガンボモドキ

2014.06.12(Thu)

昼なお薄暗い森の中で、房総ではちょっと珍しい昆虫に出会いました。ガガンボモドキです。

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(20140610 袖ヶ浦市)

名前の通りその姿は非常にガガンボっぽいのですが、実はシリアゲムシ目です。よくよく見れば、ドラえもんに出てくる『ウマタケ』みたいな口の尖った顔つきはまさしくシリアゲムシの仲間のものです。日本の前脚でものにぶら下がる、不思議なとまり方をします。

この虫の繁殖行動はなかなかおもしろいもので、雄は雌に食べ物をプレゼントし、食べている間に交尾を行います。これは「求愛給餌」とか「婚姻贈呈」と呼ばれるもので、プレゼントが気に入ってもらえないと交尾をしてもらえなかったり、その時間が短かったりするというなかなかシビアなものです。しかしながら雄の方は雄の方で、雌が食べる方ばかりに夢中になっていると交尾を打ち切ってプレゼントを持ち去ってしまったりするというのですから、この虫に「無償の愛」とかを説いても無駄なのかもしれません。

※ガガンボモドキ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


シマゲンゴロウの幼虫

2014.06.11(Wed)

谷津田の土水路に網を入れていて、顎の大きいエイリアンみたいなのを掘り出しました。シマゲンゴロウの幼虫です。

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(20140610 袖ヶ浦市)

こんな恐ろしい見かけをしている生き物はだいたい殺し屋に決まっていますね。ゲンゴロウの幼虫は、成虫と同じく肉食で、この顎で小さな水の中の生き物を捕食します。捕食者としてはむしろ成虫よりも恐ろしい面があり、獲物に噛みつくとすかさずタンパク質を分解する消化液を注入して体組織を溶かし、それを吸い取るという水生カメムシ類みたいな食べ方をするので、捕まった獲物はまず助かりません。また成虫と異なり、生き餌だけを食べます。このような終齢幼虫となると、体長も成虫の2倍くらいあります。

シマゲンゴロウは春から初夏に交尾・産卵し、夏には羽化して成虫となり、そのまま成虫で越冬します。幼虫は通常、田んぼのような止水で成長します。この個体はきっと、前の日までの雨で谷津の上のほうの田んぼから流れてきたのでしょう。

※シマゲンゴロウ
千葉県RDB・D(一般保護生物)
千葉市RDB・B(要保護生物)


▽シマゲンゴロウに関する過去の記事

シマゲンゴロウ 2011.9.15

Category: 昆虫類・甲虫目

22:29 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヒメアシナガコガネ

2014.06.10(Tue)

ヒメアシナガコガネと言っても、同じような名前で同じような暮らしをしているアシナガコガネと、体のサイズは同じくらいです。大きなものだと体長1cmくらいの、小さなコガネムシです。

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(20140610 袖ヶ浦市)

体は鱗片で覆われており、黒い模様のように見えるのはその鱗片がなかったり落ちている部分です。そのため模様のパターンは千差万別で、大げさに言えば全く同じものは2匹とないくらいの微妙な個体差があります。日本全国、さらにアジア大陸にも分布する普通種ですので、出会ったヒメアシナガコガネをかたっぱしから撮って並べていくだけでも立派な写真集が出来上がりそうですね。需要があるかどうかは謎ですけれど。

Category: 昆虫類・甲虫目

21:54 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コガタノミズアブ

2014.06.07(Sat)

水草の多い池沼や湿地、農薬の使用の少ない田んぼなどで、こうしたライムグリーンのアブに出会うことがあります。コガタノミズアブです。

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(20140605 千葉市若葉区)

体長は1cmほど。成虫は花の蜜を吸い、水中で暮らす幼虫はどうも肉食であるらしいのですが、その生態はいまだ十分に解明されていません。

かつては普通種とされ、千葉県、千葉市のレッドデータブックへの記載もありませんが、近年では非常に数が少なくなっています。時々思うことですが、「どこにでも旅ができるなら今一番行きたいところは?」と尋ねられたら、私は「昔の日本」に行きたいです。明治維新以前の日本の農村に、デジカメを持って時間旅行がしてみたいです。場所は千葉で構いません。どんなにか素晴らしい写真を撮って帰って来られることでしょう。

Category: 昆虫類・ハエ目

14:16 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ミズイロオナガシジミ

2014.06.06(Fri)

ミズイロオナガシジミもまた、クヌギやコナラで発生する里山の雑木林のチョウです。近年、特に県北部では生息数を減らしています。

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(20140604 市原市)

成虫は年一回の発生で、梅雨の季節に現れ、夏の終わりとともに見られなくなります。昼はあまり動かないため目立たず、夕方になると舞い始めます。裏面の黒い模様には個体間でけっこう差があり、見比べるのも面白いものです。見比べられるほどの数がいる場所は、前述の通りどんどん少なくなっているのですが・・・。

※ミズイロオナガシジミ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・C(要保護生物)

Category: 昆虫類・チョウ目

23:24 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヤマトオサガニの採餌

2014.06.05(Thu)

Category: エビ・カニ類

17:13 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アカクビナガハムシ

2014.06.04(Wed)

アカクビナガハムシは体長1cmほど。光沢のある体をした、肩幅の広いがっしりしたハムシです。

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(20140602 千葉市若葉区)

体色はほぼ真っ赤に近いものから、このようにオレンジ色っぽいものまで個体差があるようです。よく見ると鞘翅と胸部には「点刻」が入っています。よく似たキイロクビナガハムシでは、この点刻がもっとずっと多くなります。食草はユリ科のシオデやサルトリイバラの葉です。人里近くで普通に見られるハムシの中では、堂々として大きい種のひとつでしょう。

Category: 昆虫類・甲虫目

18:59 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

セミスジコブヒゲナガカミキリ

2014.06.03(Tue)

セミスジコブヒゲナガカミキリというのはなんとも長い名前ですが、そのうち「瘤髭長」という部分が特徴をそのまんま表しています。

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(20140602 千葉市若葉区)

雄の触角の第一節と第三節にはコブ状のふくらみがあり、その長さは体長(1.5cmくらい)の3倍にまで達します。昔の中国の武器かなんかみたいです。広く日本列島に分布し、広葉樹から針葉樹まで様々な樹木で発生します。千葉県北部では記録が非常に少ないカミキリムシで、私自身、千葉市内で出会うのは初めてだったのでした。いや、これ自宅から徒歩5分の路上なんですがね・・・

※セミスジコブヒゲナガカミキリ
千葉県RDB・D(一般保護生物)

Category: 昆虫類・甲虫目

22:59 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ムモンホソアシナガバチの肉団子作り

2014.06.02(Mon)

アジサイの葉の上で、ムモンホソアシナガバチが何やらイモムシを肉団子に丸めていました



何の幼虫かは判然としませんが、どうもセセリチョウの仲間の幼虫のように思われます。黒い部分は頭で、少し硬いために切り離したものでしょうか。

ムモンホソアシナガバチは林縁のアシナガバチです。あまりヴィヴィッドでない薄い色をしており、なかなか美しい姿です。こうしてイモムシを積極的に狩るため、植物の生育を助けているとも言えるわけです。ということは、植物がよく生育するとそれを餌とするイモムシもよく生育するので、イモムシの生育を助けているとも言えるわけです。ということは、イモムシがよく生育するとこのハチも数を増やすため・・・(以下無限ループ)

▽ムモンホソアシナガバチに関する過去の記事

ムモンホソアシナガバチ 2009.7.16

Category: 昆虫類・ハチ目

18:57 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ウラナミアカシジミ

2014.06.01(Sun)

一度見たら誰でもすぐ覚える、オレンジの地に幾何学的な黒い模様の「裏地」を持ったウラナミアカシジミは、雑木林のシジミチョウです。クヌギやコナラ、アベマキなどで幼虫が発生します。

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(20140601 千葉市若葉区)

このチョウは近年、各地で著しく減少しています。クヌギやコナラならまだけっこうたくさんあるのにどうしてでしょう?それは、このチョウがそれらの木の新芽や若い枝に好んで産卵するからなのです。つまり、昨今の手入れがされなくなった里山では古い木が切られず新しい木が育たず雑木林の更新がなされずじまいになってしまいがちなため、こうした性質のチョウは生きていけないのです。

私のような者が言うのは口はばったいのは百も承知なのですが、元来が定期的に決まった形で人の手が入ることを前提としてきた「里山」の生態系の維持管理というのは、なんでもかんでも「今ある古くて大きなものをそのまま保護」すればいいわけではなく、「適切なサイクルで物事を回してゆくこと」が非常に大切なことです。ウラナミアカシジミの減少は、ある面でそのことを端的に象徴していると言えるでしょう。

※ウラナミアカシジミ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・C(要保護生物)

Category: 昆虫類・チョウ目

21:21 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

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