モモブトスカシバ

2015.06.30(Tue)

谷津田の林縁にいた、もじゃもじゃの脚をしたこの変な虫、これモモブトスカシバといいます。

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(20150629 佐倉市)

スカシバガ科というのは昼間に出てくるガの仲間で、だいたいはハチのような恰好をしています。このモモブトスカシバもハチの仲間に擬態してこのような姿をしているのだということですが、この写真の個体は頭部と胸部の黄色い粉が落ちてしまっており、ハチどころかどんな昆虫にも似ていませんね。幼虫の食草はウリ科で、アマチャヅルなどで発生します。成虫は梅雨時に観察することができます。

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大島 健夫

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Category: 昆虫類・チョウ目

18:20 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クロクモエダシャク

2015.06.29(Mon)

この日は知人の命日だったので、お墓参りのために静岡県に行っておりました。

帰り際、墓地の水汲み場にこんなガがいました。

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(20150623 静岡県島田市)

クロクモエダシャクは、開張4cmほどになります。翅を拡げた時に三本の横線が走って見えるのが特徴で、本州から奄美大島まで姿を見ることができます。この写真のように触角が櫛状になっているのは、雄である証。幼虫はヒノキ科の葉を食べて成長します。

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Category: 昆虫類・チョウ目

20:01 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

オカモノアラガイ

2015.06.25(Thu)

名前からして「陸生のモノアラガイ」というオカモノアラガイは、確かに見た目は水中にいるモノアラガイそっくりですけれど、実際にはモノアラガイ目ではなくマイマイ目に属しており、むしろカタツムリやナメクジの少し離れた親戚にあたる貝です。顔つきにもそういう感じが現れていますね。

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(20150618 袖ヶ浦市)

また、陸生と言っても水辺の近くで暮らしており、この写真の個体も、ガマやアシが密生した池のほとりにいました。

貝殻のかっこう以外にも、この貝にはモノアラガイに似たところがもう一つあります。水中に暮らすモノアラガイがヘイケボタルの幼虫の餌となるように、このオカモノアラガイは、クロマドボタルのような陸生のホタル類の餌となるのです。

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Category: 貝類

19:37 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クビグロクチバ

2015.06.24(Wed)

クビグロクチバは、開張が6cmにも達する、かなり大きなガです。頭が黒いところが「首黒」のゆえんです。

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(20150618 袖ヶ浦市)

配色そのものは地味ではありますが、枯葉に顔を描いたような模様はかなり独特で、妙に立体的にも見えます。幼虫の食草はイネ科やカヤツリグサ科などの植物。成虫は夏の間、姿を見ることができます。

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Category: 昆虫類・チョウ目

18:45 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アオジョウカイ

2015.06.22(Mon)

ジョウカイボンの仲間で、ダークブルーの体色をしているので「アオジョウカイ」。なかなかわかりやすい名づけです。

20150622.jpg 201506221.jpg
(20150618 袖ヶ浦市)

ジョウカイボンの仲間はみんなそうですが、このアオジョウカイも幼虫・成虫ともに肉食で、他の虫を襲って食べます。もっともアオジョウカイは花の蜜なども食べるようで、このクリの木でも、花に頭を突っ込んでいる個体が散見されました。

ジョウカイボン科はホタル上科に属しており、ゲンジボタルやヘイケボタルとは、相当遠いものの親戚筋に当たります。もっとも、当然のことながら、ジョウカイボン科の仲間はお尻が光ったりはしません。

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Category: 昆虫類・甲虫目

22:20 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

モートンイトトンボ

2015.06.19(Fri)

『千葉県の保護上重要な野生動物 千葉県レッドデータブック動物編』には、モートンイトトンボについて、「(県内での)産地は極めて限定されており、現在確実な産地は10箇所以下である」と記述されています。そのように少ない上、そもそも体がとても小さいので、出会うのはなかなか困難です。

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(20150618 袖ヶ浦市)

この写真の個体は雌で、複眼の後ろの「眼後紋」が縦長の形をしていますね。平地から低山地の、そんなに大きくない挺水植物の多い、湿地や水田で発生します。圃場整備や耕作放棄の進行、乾燥化などによる稲作農業の構造変化に伴って全国的に著しく減少しており、2007年には環境省のレッドデータブックでも、「NT(準絶滅危惧)」として記載されています。

※モートンイトトンボ
環境省RDB・NT(準絶滅危惧)
千葉県RDB・B(重要保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


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Category: 昆虫類・トンボ目

23:00 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アメリカジガバチ

2015.06.18(Thu)

アメリカジガバチは、その名の通りアメリカからの帰化昆虫です。それも終戦後に進駐軍と一緒に入ってきて居着いてしまったという、比較的新しい帰化種です。

20150618.jpg
(20150618 袖ヶ浦市)

姿かたちは、在来種であるキゴシジガバチとよく似ています。識別するには胴体部分を見ることで、体のまんなかあたりで細ーく伸びた『腹柄』の部分が、このアメリカジガバチは黒く、キゴシジガバチは黄色をしています。この両者は生活も似ており、同じような泥の巣を作り、クモを狩ってきて幼虫の餌とします。そのキゴシジガバチの方は、アメリカジガバチの勢力拡大とともに各地で減少しており、地域によっては絶滅が危惧されているところもあります。大日本帝国が戦争への道をひた走り、挙げ句に敗亡したという現実は、今もなお、在来生態系に、つまり国土そのものに、じわじわと目立たない影響を与え続けているのです。

***

6月17日、マイナビよりAmazon Kindleストアにて、拙著「ちょっと少なくなってしまった里山の生き物たち」が発売の運びとなりました。

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大島 健夫

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今回は、かつては身近な存在でありながら、今では絶滅危惧種となってしまった20種類の生き物たちにスポットを当て、写真とともに紹介しております。

明治維新以降、近代化の波とともに、数多くの野生動物の姿がこの国から消えていきました。

そして、今も、日本の里山からはかつては身近だった生き物の姿が日ごとに消え続けています。里山とは、この国の先人たちが深い叡智とともに維持・管理を続けてきた、まさしく日本が世界に誇るべき生態系モデルです。そこに生きる動植物たちが消えてゆくということは、間違いなく、この国の行く末とも深くかかわりのあることです。

今後、日本の第一次産業を取り巻く状況はますます厳しくなってゆくでしょう。その結果としてこの国から里山なるものが失われるということは、経済的な損失、自然科学的な損失にとどまらず、取り返しのつかない文化的損失でもあります。

私は学者ではありません。個々の生き物に関して深い知識は持たず、ただ、生き物が好きで千葉の里山を歩き回っているだけの人間です。そうして歩き回っている里山において、このような生き物たちがそこに存在していたという事実、そしてそれは私たちの人生とも関係があるのだという事実について知って欲しいがために、この本を書きました。ご一読頂ければ、心から幸いに思います。定価500円です。

*Kindleをお持ちでなくても、スマートホン、タブレット、そして PCからでも、無料アプリをインストールすることによりお読み頂けます。



Category: 昆虫類・ハチ目

22:38 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クロイトトンボの繁殖行動・2015年

2015.06.16(Tue)

千葉市内にあるこの池では2011年以来、ずっとクロイトトンボの繁殖行動を観察し続けています。今年も多数のクロイトトンボが、スイレンの葉の上に姿を見せていました。

頭胸部に白い粉を吹いているこの個体は、成熟した雄。

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(20150610 千葉市若葉区)

池のほとりの植物上では、いかにもイトトンボらしくハート形につながっている雌雄、

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(20150610 千葉市若葉区)

スイレンの葉に目を戻すと、雄が宙に浮かんだちょっとおかしな格好で連結しているカップルや、

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(20150610 千葉市若葉区)

連結したまま葉の裏に産卵しているカップルも見ることができました。

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(20150610 千葉市若葉区)

雄同士が縄張りをめぐって激しく争っている光景も、交尾中のカップルから雌を奪おうと別の雄が突撃してくる光景も毎年おなじみのものです。このキラキラした小さなトンボたちは、この池で毎年生まれ、さまざまなものと戦い、そして死んでゆきます。来年もまた出会えることを心から祈っています。

▽クロイトトンボに関する過去の記事
クロイトトンボの産卵・2013年 2013.5.20
クロイトトンボの連結産卵 2012.5.17
クロイトトンボ 2011.6.30


Category: 昆虫類・トンボ目

19:48 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

卵塊を背負ったコオイムシ

2015.06.10(Wed)

隣接した二枚の田んぼで管理者が違っていて、片方は農薬をよく使っていて生き物の姿がなく、もう片方はあまり農薬を使用しておらず畦道一つ隔てて生き物だらけ、という状況をしばしば目にします。

コオイムシも農薬の影響を受けやすい虫で、これが生息しているかどうかはその田んぼがどんなふうに管理されているかのひとつの指標ともなります。目の前をすうっと泳いでいくのが目にとまり、無意識のうちに思わず左手が出てしまいました・・・

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(20150608 いすみ市)

ちょっと気持ち悪いですが、これは「卵を背負った雄」です。コオイムシは、雌が雄の背中に卵を産みつけ、雄はそれが孵化するまで守るのです。つまり雄は、卵を背負っている間は飛ぶことができません。この個体では、卵はほとんど孵化したあとですね。孵化後の卵塊はやがて剥がれ落ちます。

この「雄が卵を守る」習性は、コオイムシをそのまんま大きくしたような姿のタガメにも見られ、タガメの場合は、卵を背負うのではなく、水面に突き出た杭や植物などに産みつけられた卵塊にずっと侍し、外敵を見張り、水分を与え続けるのです。自然界には、そんな雄もいます。

※コオイムシ
環境省RDB・NT(準絶滅危惧)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


▽コオイムシに関する過去の記事
コオイムシ 2011.5.29

Category: 昆虫類・カメムシ目

19:41 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

卵嚢を運ぶスジブトハシリグモ

2015.06.09(Tue)

水辺を走り回る巨大なクモ、スジブトハシリグモは、小さな水棲動物が豊富な場所を好みます。もちろん、それらを食べて暮らすためです。大きい個体になると昆虫だけでなく、カエルや魚さえも捕食してしまいます。

とりわけ巨大なやつが集まっていた谷津の奥の池で、卵嚢を抱いた雌に出会いました。

20150609.jpg
(20150605 袖ヶ浦市)

抱いていると言っても、そう見えるだけで実際には口でくわえているのです。つまり、卵嚢を保護している間、雌は絶食せねばならないということになります。そのわりにこの個体はよく太っており、体長も2cmはありました。いや、頭からお尻までが2cmということですから、脚を広げると8cm四方くらいのボリュームがあります。

スジブトハシリグモは、脚に密生した毛を用いて水面をアメンボのように走り回り、また時には潜水することもできます。もし、このクモが体長2cmではなく2mあって、水面をばばばばーって走って襲ってきたら・・・いや、人間の図体がうすらでかくて良かったなあと思います。

▽スジブトハシリグモに関する過去の記事
スジブトハシリグモ 2009.6.13

Category: 鋏角類

18:25 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

クロズマメゲンゴロウ

2015.06.06(Sat)

クロズマメゲンゴロウは、マメゲンゴロウをそのまま巨大化したような姿をしています。巨大化といっても体長は1cmちょっとしかなく、ヒメゲンゴロウなどと同じくらいの大きさです。

20150606.jpg
(20150605 袖ヶ浦市)

房総半島ではそれほど個体数が多くないようで、出会う機会はそれほどありません。この写真の個体をすくい上げた谷津の奥の池でも、4年間通って、昨年までは全く見られず、今回急にかなりの数が観察できました。そういうことはたまにあります。

名前の「クロズ」というのは言うまでもなく「黒頭」であり、「黒酢」ではありません。黒頭豆源五郎。なんとなく、ずーっと序二段と三段目あたりを往復しているお相撲さんのような感じのする名前・・・なんて言ったらかわいそうですね。

Category: 昆虫類・甲虫目

13:52 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ユビナガホンヤドカリ

2015.06.05(Fri)

ヤドカリってほんとに楽しい生き物です。なにしろ貝殻を背負っているのですから。元来別の生き物であった貝殻を背負って身を守るよすがとし、自分の体の成長にあわせてより大きな貝殻に移り住んでいく。一体進化の過程のどこで、このような習性を獲得したのでしょう。ちなみにヤドカリの中でも貝殻に入らないグループもあり、ヤシガニやタラバガニがそうです。

私の家の近所の海岸には、ユビナガホンヤドカリがたくさんいます。

20150605.jpg
(20150604 千葉市美浜区)

幅1、2cmの貝に入っていることが多い、小型のヤドカリです。しましまの脚がなかなかかわいらしいですね。この写真の個体は、ちょうど砂の中にはさみを突っ込んでは、何やら食べているところでした。おそらく砂中のデトリタス(有機堆積物)をあさっていたのでしょう。ユビナガホンヤドカリは、国内では北海道の石狩湾から九州まで広く分布しており、東京湾でも全域で姿を見ることができます。

Category: エビ・カニ類

22:03 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ハネナガヒシバッタ

2015.06.04(Thu)

ヒシバッタに似ていて、翅が長いのでハネナガヒシバッタ。よく見ると目玉も飛び出していて、かなりへんてこりんな姿をしています。

20150604.jpg
(20150531 鴨川市)

体長は1cmくらい。ヒシバッタと同じくピシピシとよく跳びます。湿った場所に生息するバッタで、この個体は田んぼのあぜ道で撮影しました。背中には白っぽい模様がありますが、これにはかなりの個体変異があり、数多く観察すると様々なパターンを楽しむことができます。

Category: 昆虫類・バッタ目

18:07 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ウンモンスズメ

2015.06.03(Wed)

山奥の建物にいて、夜中にぽつんとそこだけ電気がついていたりしますと、ガラス戸は灯火採集と同じ効果をもちます。ウンモンスズメがやってきました。

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(20150530 鴨川市)

漢字だと『雲紋雀』と書く、緑色の美しい大きなスズメガです。後翅の紅色も鮮やかですね。ちなみに裏はこう。

201506031.jpg
(20150530 鴨川市)

幼虫の食草はケヤキやハルニレ、マユミなど。夏の間、それらの木々が近くにある雑木林などで観察でき、明かりにもよく集まります。この夜は気がつくと、10頭近い個体がガラス戸にくっついていたのでした。

Category: 昆虫類・チョウ目

18:38 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コゲラの巣穴掘り

2015.06.02(Tue)

前回の記事のカミツキガメが一度水にもぐったあと、再び浮上するのを待つ間、ただじっとしているのもなんなので、近くの木にいたコゲラを撮っていました。

20150602.jpg 201506021.jpg
(20150527 佐倉市)

巣穴を掘っているようです。そのヘッドスピードはかなりのもので、暗い林の中でコンデジではなかなかはっきりととらえることができません。動画でどうぞ。



激しい音とともに木屑がぱらぱらと舞い散ります。日本最小のキツツキ・コゲラ。固い樹木に自らの嘴一本で巣を掘り上げていく姿は、野生動物の凄味に溢れています。

▽コゲラに関する過去の記事
コゲラ 2010.3.6

Category: 鳥類

22:56 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

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