ウスバカミキリ

2015.07.30(Thu)

今年もコヅカアートフェスティバルに参加させて頂いております。

昨年のこの時期も書いたかもしれませんが、会場であるアートガーデン・コヅカは鴨川の山中で、様々な生き物が生息しておりますので、私みたいな人間にとっては宝探し状態です。

夜になると、森の家の周りには、灯火に惹かれてたくさんの昆虫が集まってきます。ウスバカミキリも、近年北総地域では出会う機会がめっきり減りました。

20150730.jpg 201507301.jpg
(20150726 鴨川市)

大きいものでは体長6cm近くにまで達する、大型のカミキリムシです。体色は薄い褐色からほぼ黒に近い色まで、様々な個体変異があります。

幼虫は様々な広葉樹、また針葉樹の朽木から発生します。その幼虫はなかなか美味だそうで、日本でも地方によって食され、かのファーブル昆虫記にも、ファーブルがこれを料理して客にふるまう場面がかなりの長さを割いて描かれています。

***

なお、コヅカ・アートフェスティバルでは、大島健夫は今後8月1日、2日と、美術家のこまちだたまおさんと共同でワークショップを開催いたします。

大島健夫×たまあーと
「山のヌシをつくろう!」
7/27(月)、8/1(土)、2(日) 
9:30~12:00/13:30~16:00
6歳以上
受講料2000 円1グループ2名、お一人増500円です。開始時間に森の家にご集合ください。
コヅカの森を探索し、様々な自然物との出会いを通じて想像力をふくらませ、ひとりひとりの「山のヌシ」を制作しよう!というワークショップです。宜しければ是非、この週末にお会いいたしましょう。

ちょっと少なくなってしまった里山の生き物たちちょっと少なくなってしまった里山の生き物たち
大島 健夫

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Category: 昆虫類・甲虫目

22:14 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

水温上昇とマツモムシ

2015.07.29(Wed)

さて、昨日の記事のキイトトンボの産卵を観察した谷津の奥の池は、本来湧水が流れ込んでいるのですが、この日はイノシシの活動により奥の方が掘り返されて水の手が止まっており、午後になると直射日光を受けてぐんぐん水温が上昇してきました。

掌を突っ込んでみると完全にお風呂になっています。すると、こんな光景が見られました。

201507291.jpg
(20150720 袖ヶ浦市)

水面を泳ぎ回っていたマツモムシたちが、次々と植物の茎に這い上がり始めたのです。なるほど、水が熱くなった時には彼らはこうするのですね。しかもちゃんと、自分の位置が日陰になるように這い上がっています。よく見ると、シマゲンゴロウも交じっていました。

201507292.jpg
(20150720 袖ヶ浦市)

とは言えシマゲンゴロウはマツモムシより水温上昇に強いようで、こうして這い上がっているのは1頭だけ、他のは40℃以上もありそうな水の中で元気に泳ぎ回っていました。

ちなみにこれを撮影した直後、管理者の方が水路を再びつなげたため湧水の流入が復活し、以降はこの池、安定して低水温が保たれています。おそらく、このような水生昆虫が暮らしている止水では、夏場には何らかの事情で水温が上昇するケースはあちこちであるはずです。このような行動を観察できたのは興味深いことでした。

▽マツモムシに関する過去の記事
越冬明けのマツモムシ 2012.3.14
マツモムシ 2011.5.21

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Category: 昆虫類・カメムシ目

22:56 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

キイトトンボの産卵

2015.07.28(Tue)

鮮やかな黄色のキイトトンボには、夏の日光の下をきらきらと舞う姿がよく似合います。身の危険を感じるほどの暑さの中、谷津の奥の池では、こんな不思議な姿勢のペアが多数見られました。

20150728.jpg
(20150720 袖ヶ浦市)

雌の首の上に、雄が「気をつけ」のかっこうで直立しています。この状態から、雌は水面下の植物組織内に産卵するのです。

201507281.jpg
(20150720 袖ヶ浦市)

雄がこんなふうに立っているのは、周囲を警戒するためです。時には、捕食者によって雄だけが食べられてしまい、雌が雄の死骸を首の上に立てたまま産卵する、などというシーンも現出することがあります。次の世代に子孫を残すことさえできるなら、それで一個体としての自らの役割は果たされ、死んでもかまわないというわけです。このような昆虫にとって、生殖という行動の重みは想像を絶するものがあります。

※キイトトンボ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


▽キイトトンボに関する過去の記事
キイトトンボのヤゴ 2014.7.9
キイトトンボの交尾 2013.7.12
キイトトンボの未成熟個体 2012.7.14
キイトトンボの雌雄 2011.8.11
キイトトンボ 2010.8.24

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Category: 昆虫類・トンボ目

23:22 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コハナグモ、キタキチョウを捕食する

2015.07.22(Wed)

すぐ目の前を歩き過ぎても、ぜんぜん逃げないキタキチョウがいました。ははあ、これは・・・と思ってよく見ると、やっぱりこういうことになっていました。

20150722.png
(20150720 袖ヶ浦市)

コハナグモの雌に捕まっていたのです。既に絶命しており、ぴくりとも動きません。コハナグモは、ちょっと体の大きいハナグモ同様、植物上で待ち伏せ型の狩りをし、このように獲物を捕えます。コハナグモの雌は6、7mm、ハナグモにしたって1cmはありません。それなのに、このようなチョウや、時にはトンボさえも捕食してしまいます。自分より数倍、数十倍のサイズの獲物を仕留めてしまうその能力はまさにおそるべきものです。

▽コハナグモに関する過去の記事
コハナグモ 2014.4.25

▽キタキチョウに関する過去の記事
キチョウ 2008.10.31

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Category: 鋏角類

23:32 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

モクズガニ(♀)

2015.07.21(Tue)

この日は谷津田の調査ミッション。前日に水路に仕掛けて頂いていたかご網を引き揚げると、モクズガニが入っていました。

20150721.png 201507211.png
(20150720 袖ヶ浦市)

ハサミが小さく、「藻屑」部分が少ないので、引っくり返しておなかを見るまでもなく雌であることがわかります。甲幅は6cmほど、脚の先から先までだと20cmくらいはありそうで、なかなかの迫力です。

この場所には毎月かご網を仕掛けて頂いて中身を調べているのですが、2012年の6月にもやはりモクズガニがかかったことがあります。さらに谷津の上部の湧水で子ガニを捕まえたこともありますから、普段は姿を見せないものの、近辺に生息しているのでしょう。モクズガニはこのような淡水で暮らし、成長するとある段階で海へ降りて交尾・繁殖を行い、そこで死にます。生まれた子ガニは成長とともにまた川を遡上してくるという生活史を持っています。誕生から繁殖して死ぬまで、その寿命は数年程度。このカニもやがて、死ぬために、生み出すために、海へと降りてゆくのでしょう。

※モクズガニ
千葉県RDB・D(一般保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


▽モクズガニに関する過去の記事
ギャラリーいなげのモクズガニ 2011.8.13

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Category: エビ・カニ類

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鳴くツチガエル

2015.07.12(Sun)

10日の調査で出会った生き物シリーズの第二弾です。県北部ではほとんど絶滅してしまったツチガエルも、南房総にはまだかなり生き残っています。

20150712.jpg
(20150710 鴨川市)

一生を水辺から離れることのないツチガエルは、オタマジャクシの状態で一冬を越すという生態を持っています。そのため、一年を通じて水がある環境でなければ生き残ることはできません。これが各地で減少している大きな要因です。幸い、この写真を撮影した場所では冬でも水のたまっている田んぼが残されており、この日もかなりの数に出会いました。

水面で鳴いている雄もいました。ツチガエルは喉の下をふくらませて鳴くのですが、アマガエルやシュレーゲルアオガエルのように、ボール状になるまでふくらませることはありません。MAXでもこんなものです。

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(20150710 鴨川市)

どんな声を発するかというと・・・それは鳴いているところを動画でご覧ください。



ツチガエルの繁殖期は、梅雨の季節から夏の終わりまで。うまく交尾・産卵すると、前述のようにオタマジャクシのまま冬を越し、翌年の夏に変態してカエルとなります。さてこの鳴いている雄は、この夏をどのように過ごすのでしょうか。

※ツチガエル
千葉県RDB・A(最重要保護生物)
千葉市RDB・X(消息不明・絶滅生物)


▽ツチガエルに関する過去の記事
ヤマカガシ幼蛇vsツチガエル軍団 2013.6.26
ツチガエルがモリアオガエルに抱接、そして・・・ 2012.7.3
ツチガエル 2011.6.18
ツチガエル 2010.5.22

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Category: 両生類

23:33 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

水中のミズカマキリ

2015.07.11(Sat)

この日(7月10日)は鴨川市内の田んぼに生き物の調査に伺っておりました。山間の無農薬の田んぼというのはやっぱり生態系が豊かです。例えば、ここにたくさんいたこのミズカマキリのような肉食の水生カメムシ類は、大量の生き餌を必要とする上、薬剤に耐性が弱いので、ちょっと生き物にとって環境の良くない田んぼではすぐに姿を消してしまいます。

20150711.jpg
(20150710 鴨川市)

水中では、上の写真のような姿で、お尻から長く伸びた呼吸器だけを水面に出して、獲物を待ち受けます。近くにやってくると、カマキリそっくりの前脚で捕まえて、針状の口を突き刺し、消化液を送り込んで体内組織を溶かして吸い取ってしまうというわけです。カマキリに格好が似ているのは他人の空似で、あちらはカマキリ目、こちらはカメムシ目です。体長は大きいものでは5cmほど。しかし呼吸器が長く伸びているので、全部合わせるともっとずっと長く見えますね。

※ミズカマキリに関する過去の記事
ミズカマキリ 2011.9.14

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Category: 昆虫類・カメムシ目

15:34 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

フナムシ

2015.07.10(Fri)

梅雨ですね。この日(7月8日)はしとしとと雨が降る中、近所の海岸に行ってみました。

うぎゃっ。

20150710.jpg
(20150708 千葉市美浜区)

うぎゃぎゃぎゃっ。

201507101.jpg
(20150708 千葉市美浜区)

磯をびっしりと埋め尽くしてフナムシだらけでありました。晴れた日はそれほど目立たないフナムシ、雨の日になると俄然、打って出てきます。海からかなり離れた道路でも這い回っているのが散見されました。

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(20150708 千葉市美浜区)

大きいものだと体長は5cmほどにまで達します。やたらたくさんいる上にシャカシャカとした動きが気持ち悪がられるフナムシですが、動物の死骸から様々な堆積物まで幅広く食べ、海辺の掃除屋さんの役割を果たしています。毒もないので、人間にとっては別段、害になる生き物ではありません。カメラを向けるどころか視線を向けただけで凄いスピードで走って逃げる姿を見ると、その身体能力には尊敬の念さえ抱きます。

▽フナムシ
千葉市RDB・C(要保護生物)


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Category: 等脚類

22:40 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

オオミスジコウガイビル

2015.07.01(Wed)

谷津の奥の暗い林床で、こんな生き物に出会いました。

20150701.jpg
(20150629 佐倉市)

・・・ツヤッツヤですね。オオミスジコウガイビルです。

ヒルと言っても、人の血は吸いません。チスイビルなどは環形動物、こちらは扁形動物というのに属しており、分類的にもずいぶん違う仲間です。この種の餌は主としてミミズです。地面の状態を見ればわかる通り、このヒルが陣取ってるのはまさにミミズの糞塚の真上。ゆっくりとミミズを探す動きを動画でどうぞ。



このオオミスジコウガイビルは外来種です。原産国は中国南部とも東南アジアともいいます。86年に国内で初めて発見されましたが、その場所は何と皇居。昭和天皇も研究されています。とにかく非常に大きくなり、時に1mを越えることもあります。この写真のは15cm程度でしたが、近くにはもう少し大きいのも見つけました。名前の通り、黄土色のボディーに茶褐色の縦縞が3条入っているのが特徴です。

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Category: 扁形動物

22:24 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

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