タゴガエル

2015.08.25(Tue)

タゴガエルは山地性のカエルです。房総半島では、南部の丘陵地帯の渓流沿いで暮らしています。

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(20150824 大多喜町)

写真でもわかる通り、その姿はヤマアカガエルにたいへんよく似ています。しかし、水かきがあまり発達していないこと、また引っくり返してみると顎の下に細かい黒いまだら状の模様があり「網かけ」みたいになっていることで区別できます。ヤマアカガエルの顎の下には、だいたいの場合、はっきりした黒い紋が点在しています。また、タゴガエルには、ヤマアカガエルの大きな個体ほどに巨大になるものはいません。

日本固有のカエルであり、その名前は動物学者の田子勝弥先生にちなんでいます。主に渓流の伏流水などに産卵し、オタマジャクシは餌をとらず、カエルに変態するまで卵黄だけで成長することができるという特徴を持っています。その生態にはいまだ謎が多く、また現在タゴガエルとされているものの中には複数の「隠蔽種」が含まれており、今後いくつかの種に分けられる可能性も多くあるようです。ひょっとしたら、いつの日かこの房総半島の個体群にも、新しい名前が冠せられる日が来るかもしれません。

※タゴガエル
千葉県RDB・B(重要保護生物)


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大島 健夫

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Category: 両生類

22:51 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カワセミ、アメリカザリガニを捕食する

2015.08.22(Sat)

ため池のほとりの木の枝にじっとたたずむカワセミ。カワセミという名前から、日本人の多くがステレオタイプに思い浮かべる光景そのまんまです。

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(20150818 袖ヶ浦市)

ここから、水面下の獲物を見つけて頭からドボンと飛び込み、もとの木の枝に戻ってくるわけです。さて今回の献立はというと・・・

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(20150818 袖ヶ浦市)

ザリガニでした。捕えた獲物が大きくて暴れるような場合、カワセミはそいつを枝や石に打ちつけて弱らせたりしますが、このくらいの大きさだと問題ないようで、二、三度くわえ直すとそのまま呑んでしまいました。

カワセミは清流で小魚を捕えている鳥、というイメージもまた、ステレオタイプに多くの人の中に刷り込まれていることでしょう。しかし、現実には、21世紀の今を生きるカワセミたちは、三面張り水路やドブ川のようなところにも生息し、こうしてザリガニなどを捕えて生き延びているのです。

※カワセミ
千葉県RDB・C(要保護生物)
千葉市RDB・C(要保護生物)


▽カワセミに関する過去の記事
カワセミ(♀) 2011.1.26
カワセミ@坂月川 2010.1.6

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Category: 鳥類

11:38 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

イノシシの幼獣(ウリ坊)

2015.08.21(Fri)

月に一回、生物調査に入らせて頂いているこの谷津田。今回の調査では雨上がりということもあり、イノシシが掘り崩して餌をあさったあとがそこいら中に。

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(20150818 袖ヶ浦市)

水路など、流れの方向が変わるくらい掘っています。千葉県におけるイノシシは、80年代までに絶滅もしくはそれに近い状態になったのち、狩猟目的で人為的に放獣されたものが増え、今では房総半島の中ほどより南では、山あいの田んぼではどこも被害に苦しんでおります。この谷津田でも、食痕やヌタ場や足跡のみならず、時には実物とも遭遇します。

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(20150818 袖ヶ浦市)

前述のように雨上がり、さらに私が風下に立っているなど、たまたま諸条件が重なり、斜面の藪の中から3頭の幼獣、いわゆるウリ坊がごそごそと姿を現しました。このひとたちは眼が悪いので、こちらがじーっとしているとたまにこういうことが起こるのです。

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(20150818 袖ヶ浦市)

のこのこと近寄ってきて、ついに3メートルほどのところまでやってきました。絶対に母親が近くにいるので多少、緊張します。飛び蹴りすれば当たりそうな距離で、ようやく私の存在に気づき、揃って方向を変え、私の足元を迂回するように反対側の斜面へと去っていきました。

▽イノシシに関する過去の記事
イノシシの下顎骨 2014.8.10
センサーカメラに映ったイノシシ 2014.1.31

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Category: 哺乳類

23:54 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ホシウスバカゲロウ

2015.08.20(Thu)

8月9日に、たまあーと創作工房さんの夏の特別教室で、「新しい名前をつくろう」と題して講座を開催させて頂きました。目玉が多いと見つかる生き物も多くなるもので、参加者の方が暗いトンネルの中で見つけて下さったのがこのホシウスバカゲロウ。

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(20150809 長生郡一宮町)

翅の先端のほうに褐色の斑紋があるのが、ふつうのウスバカゲロウとの相違点です。成虫は夏に見られ、このような暗い場所を好むようです。体長は3cmを越えるので、ヒラヒラ飛んでいるとけっこう大きい虫に見えます。幼虫はやっぱりアリジゴクタイプで、砂地にすり鉢上の巣をこしらえて、そこに落っこちる獲物を待ち受けて暮らしているのです。

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ミヤマカワトンボ

2015.08.17(Mon)

大分県で出会った生き物・第五弾はミヤマカワトンボです。このトンボもまた、千葉県には分布していないトンボです。

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(20150807 大分県宇佐市)

千葉県にも生息しているニホンカワトンボよりも一回り大きく、脚も長く堂々とした体格をしています。メタリックな緑色の胴体に赤い翅を持ち、「深山」と名のつく通り、山地の渓流に住むトンボです。日本の固有種であり、北海道から九州まで分布していますが、前述の通り私の住む千葉県には分布していないのでした。

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Category: 昆虫類・トンボ目

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シーボルトミミズ

2015.08.15(Sat)

大分県で出会った生き物の第四弾。今日は青光りする巨大なミミズ、シーボルトミミズの登場です。

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(20150807 大分県宇佐市)

この種の最大の個体は40cmを越えるようです。この写真の2頭はいずれも20cm台前半程度でしたが、それでも見つけた時は「おおっ」と思いました。大迫力です。動画でご覧ください。



地方によりヤマミミズ、カンタロウミミズなどさまざまな別名を有するこのミミズの名前は、かのフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本で採集し、オランダのライデン博物館に持ち帰ったことにちなんでいます。「シーボルト→ライデン博物館」というパターンは、かのニホンオオカミなどと同じですね。シーボルトミミズは日本固有種であり、東海地方あたりを東限とする西日本に分布しています。

私自身、現物に出会ったのは初めてでした。いやはや、このツヤ!

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(20150807 大分県宇佐市)

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Category: 環形動物

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ニホンヒキガエルの幼体

2015.08.14(Fri)

大分で出会った生き物の第三弾です。体長3cmほどのヒキガエルの幼体。関東地方の皆様もこういったカエルを林床などでしばしば見かけるでしょうが、東日本にいるのはアズマヒキガエル、西日本にいるのはニホンヒキガエルです。アズマヒキガエルはニホンヒキガエルの亜種にあたります。

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(20150807 大分県宇佐市)

形態、生態はニホンヒキガエルもアズマヒキガエルもほとんど違いはありません。成長すると、アズマヒキガエルのほうがやや鼓膜が大きくなります。日本在来のヒキガエルとしては、他にナガレヒキガエル、ミヤコヒキガエルがあり、いずれも全て日本固有のカエルであります。お近くの公園や民家の庭先などをうろうろしているあの大きなヒキガエルは、実はみんな、日本でしか見られないカエルなのです。

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Category: 両生類

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イワタバコ

2015.08.13(Thu)

大分で出会った生き物の第二弾は、イワタバコです。湿った岩壁に生育し、葉がタバコの葉に似ているので「岩煙草」。カタクリの花のように下を向いた、直径1cmちょっとの淡紫色の花はとても可憐です。

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(20150807 大分県宇佐市)

葉は食用に、また漢方薬の原料ともなります。そして、山に生える綺麗な花のご多分に漏れず、このイワタバコも各地で鑑賞目的の採掘により、自生地を減らしています。見たいだけでなく、自分のものにして庭や鉢で見たいから掘る。減っても気にしない。なくなっても知らない。そういう考え方というのは、やはりあんまり誇りを持てる種類のものではないと私は思います。中高年を中心とした「山野草マニア」による採掘・盗掘により実に様々な希少な植物が減少しているという現象を目の当たりにすると、時に日本人の精神性の暗部を見る思いがいたします。

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Category: 山野草

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ミヤマアカネ

2015.08.12(Wed)

5日から7日まで、所用で大分県に行っておりました。大分は初めてだったのですが、いろんな人から「やまなみハイウェイで阿蘇に行け」と勧められ、実際に走ってみるとなるほど大変美しく走るのが楽しい道でございました。

途中、長者原で車を停めてみると、あたりにはミヤマアカネが乱舞していました。

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(20150806 大分県九重町)

何と言っても翅にある褐色の帯がこの種の最大の特徴です。この時期の個体はまだ未熟で赤くなく、薄い黄色をしています。名前からして漢字で書くと「深山茜」と美少女風になりますが、しばしば日本で最も美しいトンボのひとつにかぞえられるトンボでもあります。

私の住む千葉県では、ミヤマアカネは長いこと記録がなく、県のレッドデータブックには「X(消息不明・絶滅生物)」として記載されています。地元で会えない生き物に旅先で出会えるのは、いつも幸せを感じることです。

※ミヤマアカネ
千葉県RDB・X(消息不明・絶滅生物)


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Category: 昆虫類・トンボ目

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オオホシカメムシ

2015.08.11(Tue)

コヅカ・アートフェスティバルで出会った生き物の第五弾は、オオホシカメムシです。

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(20150802 鴨川市)

体長2cmに近くなる、かなり大きなカメムシです。赤地に黒の紋が入った背中は、上から見ても下から見てもやはり人面っぽく見えますね。私はこの種に出会った経験はあまりないのですが、アカメガシワによく集まるということです。

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Category: 昆虫類・カメムシ目

22:40 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ミミズク

2015.08.09(Sun)

コヅカ・アートフェスティバルで出会った生き物の第四弾です。ミミズクといっても、鳥ではありません。カメムシ目はヨコバイ科の昆虫で、前胸の両サイドに一対の突起があり、これが鳥のほうのミミズクの「耳」を連想させるところから、この名がついております。

20150809.jpg
(20150802 鴨川市)

体長は1.5cmほど。この写真の個体は雄で、雌はさらにこの突起が大きく、まことに「耳」のようです。クヌギやコナラなどの汁を吸って暮らす、雑木林の昆虫です。

▽ミミズクに関する過去の記事
ミミズクの幼虫 2014.9.1

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Category: 昆虫類・カメムシ目

23:20 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヤマトタマムシの産卵

2015.08.08(Sat)

コヅカ・アートフェスティバルで出会った生き物の第三弾です。「山のヌシを作ろう!」というワークショップのための自然観察会の最中、ヤマトタマムシが丸太の上に降りてきてうろうろしているのに出会いました。よく見ると、お尻から産卵管が突き出しています。



暑い夏の盛り、ヤマトタマムシはこのように、エノキなどの枯木や伐採木に卵を産みつけます。幼虫は白く、眼も脚もないぶにょーんとしたウジムシ状の姿をしており、木の中にもぐり込んで材質を食べて成長し、2年くらいかけて成虫となります。成虫となってからの寿命は1、2ヶ月でしかなく、こうして交尾・産卵を終えると、夏の終わりとともに静かに死んでゆくのです。

※ヤマトタマムシ
千葉市RDB・C(要保護生物)


▽ヤマトタマムシに関する過去の記事
ヤマトタマムシの交尾 2012.8.10
路上のヤマトタマムシ 2011.7.23
まだいるヤマトタマムシ 2010.10.4
ヤマトタマムシ 2010.9.20

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Category: 昆虫類・甲虫目

11:10 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

モモスズメ

2015.08.04(Tue)

今年のコヅカ・アートフェスティバルで出会った生き物シリーズの第二弾は、モモスズメです。私がしょっちゅうカメラをぶらさげてうろうろしていたので、森の家のキッチンにこのガがいるのを見つけた、参加アーティストの小学生の娘さんがわざわざ呼びに来てくださいました。ありがたいことです。

20150804.jpg
(20150726 鴨川市)

そんなわけで、台ぶきんの上にとまっております。

モモスズメは開張が7~9cmほどになります。この写真でもかすかに見えていますが、名前の通り、後翅は桃色をしています。幼虫の食草はバラ科やニシキギ科の植物。成虫になると口が退化していて何も食べませんから、このガもまた、「一生の終わりに、繁殖して死ぬために羽化する」虫のひとつです。

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Category: 昆虫類・チョウ目

20:29 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

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