オバボタル

2016.05.31(Tue)

オバボタルは、ホタルはホタルでもほとんど光らないホタルです。成虫は羽化直後にだけ少し光り、しかもそれは配偶者を見つけるためには用いられないため、実のところなんで発光するのかよくわかっていないのです。

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(20160518 袖ヶ浦市)

黒と赤の配色はいかにもホタルという感じですね。この日は夕方の雑木林の林縁に(もちろん光らず)ふんわりふんわり飛んでいる姿が見られました。幼虫は陸生で、どうもミミズ類を食べているようです。オバボタルのオバは漢字だと「姥」。これまた一体なぜなのか判然としません。やや謎めいた虫なのです。

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Category: 昆虫類・甲虫目

19:38 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

チュウガタコガネグモ

2016.05.20(Fri)

これまでにこのブログでは、コガネグモコガタコガネグモは紹介したことがありますが、このチュウガタコガネグモは初登場です。大・中・小のうちの真ん中というわけです。

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(20160518 袖ヶ浦市)

谷津田の林縁に網をこさえていました。チュウガタコガネグモの網は、X型の隠れ帯が特徴ですけれど、この網ではまだそれは不完全ですね。背中の模様はコガネグモに似るもののやはり異なっており、微妙な人面ふうです。

チュウガタコガネグモは、千葉県のレッドデータブックへの記載こそありませんが、コガネグモ、コガタコガネグモよりも明らかに数が少なく、この谷津田でも通うこと5年目にして初めて出会いました。こうしたコガネグモの仲間は農薬や化学的な汚染に極めて弱く、生き残っていることは、それ自体が健全な里山環境が保たれている一つの証左でもあります。

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Category: 鋏角類

20:52 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

オオイトトンボの未成熟個体

2016.05.19(Thu)

モートンイトトンボの未成熟個体と出会ったこの日。少し離れた別の池で、また見慣れないイトトンボと遭遇しました。

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(20160518 袖ヶ浦市)

オオイトトンボの未成熟個体です。成熟すると美しい水色のメタリックに成長するオオイトトンボ。羽化したてはこのような、鶯色のような若草色のようなカラーリングなのです。しかし、複眼の後ろの三角形の大きな「眼後紋」、眼と眼とをつなぐ「後頭条」、その他の特徴はこれがオオイトトンボであることをはっきり示しています。

この池では毎年夏、オオイトトンボが多数観察されます。イトトンボが日光を浴びてきらきらと舞っている姿はたいそう魅力的なもので、私のような人間は、眺めすぎて日射病にならないように注意が必要です。昨年はそれでちょっと危ない思いもしました。皆様も気をつけましょう。

※オオイトトンボ
千葉県RDB・B(重要保護生物)


▽オオイトトンボに関する過去の記事
キクヅキコモリグモ、オオイトトンボを捕食する 2014.7.18
オオイトトンボの連結産卵・2012年 2012.7.26
オオイトトンボの連結産卵 2011.9.2
オオイトトンボ 2011.7.31

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Category: 昆虫類・トンボ目

19:15 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

モートンイトトンボの未成熟♀

2016.05.18(Wed)

いよいよ暑い夏の兆しが見えてきましたね。谷津の奥の池で、美しいモートンイトトンボの未成熟♀に出会いました。

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(20160518 袖ヶ浦市)

成熟すると若草色になるモートンイトトンボ。未成熟の状態では全身がオレンジ色で、複眼も、その後ろの縦長の「眼後紋」も乳白色をしています。実になんと言うか、鮮やかです。

全国的に減少著しく、千葉県のみならず環境省のレッドデータブックでも、「NT(準絶滅危惧)」として記載されているモートンイトトンボ。この場所ではこの2年に渡って観察していますが、いずれも一度に1頭ずつ、雌の個体です。来月あたりには雄の姿も紹介できれば嬉しいですね。

※モートンイトトンボ
環境省RDB・NT(準絶滅危惧)
千葉県RDB・B(重要保護生物)


▽モートンイトトンボに関する過去の記事
モートンイトトンボ 2015.6.19

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Category: 昆虫類・トンボ目

21:34 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ジグモ

2016.05.11(Wed)

建物の壁などに沿って地面に穴を掘り、袋状の巣をこしらえるジグモ。小さい頃にそーっと引っ張り出して遊んだ方も多いことでしょう。中身はこんなクモです。

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(20160510 千葉市緑区)

体長は最大で2cmほどですから、ハエトリグモに毛が生えた程度。昆虫の触角に相当する『触肢』が大きく、そのため見ようによっては脚が10本あるようにも見えます。加えて顎もまた強大で、これを使って巣の上を通りかかる獲物を捕らえるのです。

ジグモは、トタテグモの仲間などと並んでクモの中でも原始的なグループに属しています。先に書いた、触肢が歩脚と似た形をしていて(すなわち、触肢がまだ本物の脚であった時代の名残を残しており)脚が10本あるように見えるのも、また地面に穴を掘って巣を作るのもその原始的な特徴のひとつなのです。

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Category: 鋏角類

20:19 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

チチブ

2016.05.10(Tue)

近所の海浜公園にある庭園の池に、こういう太短いハゼがたくさんいるのに最近気づきました。

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(20160508 千葉市美浜区)

汽水や内湾、河口域によくいるチチブです。よく似たヌマチチブとは、顔の斑点が小さくて振りかけたように多くあること、背びれの条が常に長く突出していること、胸びれの根元の帯状の模様の中に橙色の部分がないことなどで区別ができます。チチブはこの海浜公園の「海部分」にも生息しているようです。この池にもいつの間にか上がってきて棲みついたのでしょうか。

体長は、大きいもので7、8cmほど。岸辺の石によくくっついているようですが、警戒心が強く、のぞくとすぐさま逃げてしまいます。この写真の個体は、たまたまふわふわと水面近くを泳いでいたものを撮影しました。体色はこうした黒いものから、もっと薄いものまで様々います。ある一定以上大柄なものはほとんど黒いようです。「ゴリ」とか「ダボハゼ」とか呼ばれるのはこのチチブやヌマチチブのたぐい。頭でっかちなプロポーションはなかなかかわいらしいものです。

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Category: 魚類

21:22 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ウメボシイソギンチャク

2016.05.09(Mon)

ウメボシイソギンチャクは、直径3cmほどの、美しい真っ赤なイソギンチャクです。

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(20160507 銚子市)

これのどこが「梅干し」なのかと申しますと、潮が引いて触手をすぼめ、「口が閉じている」状態になるとなるほど梅干しそっくりに見えるからです。この写真を撮影した時はちょうど潮が満ちておりまして、そうした姿は撮れませんでしたので、想像で補ってくださいませ。このようなイソギンチャクの、岩にへばりついて「口をすぼめた」姿を見ると、ひからびて死んでしまうんじゃないかという心配にもとらわれますが、彼らは潮間帯の生活によく適応しており、そう簡単に死ぬことはありません。

ウメボシイソギンチャクは、無性生殖によって自分のクローンを育てて殖えます。

すなわち、雄雌に関わらず体内で子供を養い、それを口から吐き出して増殖するというなかなかすごい性質を持っているのです。なんとなく、『西遊記』で孫悟空が自分の毛を引っこ抜いて分身を作るというのを連想させるものがありますね。

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Category: 刺胞動物

14:09 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ハシボソガラスの部分白化個体

2016.05.08(Sun)

この日は生物多様性センター主催の『生命のにぎわい調査団現地研修会』というものがありまして、銚子市に行きました。

現地に着いて歩き出し、まず出会ったのがこの、ハシボソガラスのような姿ですが羽と顔が白っぽいカラス。

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(20160507 銚子市)

生物多様性センターのNさんにお尋ねすると、やはりハシボソガラスであるとのこと。こうした部分的に白いカラスはたまにいるらしく、私も千葉市内で見たことがあります。ネットで検索してみると、その白化の程度にはずいぶんバリエーションがあるようで、風切羽の根元だけが白いものから、ほぼ全身が白いものまで様々な写真が拾えます。時折、新聞種になったりもしています。そうした新聞記事によると、数万羽に一羽の割合で出現する(2009年3月の北國新聞)というお話も。皆様も気をつけていると折々出会えるかもしれません。

▽ハシボソガラスに関する過去の記事
ハシボソガラス@栄町 2010.1.27
ハシボソガラス@千葉公園 2010.1.16
ハシボソガラス 2009.6.18

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Category: 鳥類

22:45 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

エビネ

2016.05.04(Wed)

山地や丘陵地の落葉樹林の林床に生育する代表的な野生ラン、エビネ。谷津の奥でささやかな群落をつくっているのに出会いました。

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(20160504 佐倉市)

エビネは千葉県内ではほぼ全域に分布していたはずですが、美しい野生ランのご多分に漏れず、鑑賞目的・園芸用としての採掘のため、全県的に著しく減少しています。これは千葉県に限ったことではなく、エビネは沖縄県を除くすべての都道府県のレッドデータブックに、何らかの形で記載されています。こうした問題の際に、しばしば「山野草愛好家による採取・採掘」という言葉が用いられますが、「山野草を愛好している」はずの人たちがその絶滅に大いに手を貸しているわけで、果たして愛好というのは何なのかということを考えざるを得ません。

「海老根」という名前の由来は、ごつごつとした根茎がエビを思わせる形状をしているからです。日本列島以外では、朝鮮半島と中国南部にも分布しています。

※エビネ
環境省RDB・NT(準絶滅危惧)
千葉県RDB・D(一般保護生物)


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Category: 山野草

22:22 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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まで送っていただけると幸いです。

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