イオウイロハシリグモ、サトキマダラヒカゲを捕食する

2017.06.30(Fri)

この日は谷津田の生き物調査ミッション。林縁をひらひら飛んできたサトキマダラヒカゲが、シダの葉にとまりました。

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(20170628 袖ヶ浦市)

これを見たのが午前11時過ぎ。午後2時になって同じところをもう一度通りかかると、何が起こっていたかというと・・・



イオウイロハシリグモにつかまっていました!

どうやらあの後すぐ捕えられたようです。網を作らず、植物上などを走り回って獲物を捕食するイオウイロハシリグモ。大量の生き餌を必要とし、かつ農薬に弱いこのようなクモの生息状況は、谷津田の環境が健全に保たれているかどうかの一つの指標ともなります。この谷津田には実にたくさんのこの種のクモが生息していますが、それはまさしく、そのようなことを示しているのでしょう。

▽イオウイロハシリグモに関する過去の記事
卵嚢を運ぶイオウイロハシリグモ 2012.10.15
イオウイロハシリグモ 2010.2.13

▽サトキマダラヒカゲに関する過去の記事
サトキマダラヒカゲ 2009.8.16

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Category: 鋏角類

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ハチモドキハナアブ

2017.06.14(Wed)

樹液にやってきていたこの虫。どう見てもハチですが実はこれがアブ。その名もハチモドキハナアブです。

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(20170607 富津市)

体長は1.5から2cmほど。配色がハチそのものなだけでなく、腰もちゃんとくびれています。唯一絶対にハチと違うのは触角で、真ん中から一本伸びたのが途中でY字型に分かれた奇妙な形状をしています。もちろんお尻に針はなく、毒もありません。強いものに化けて身を守ろうという、あの「ベイツ型擬態」をしている虫のひとつです。樹液を好み、広葉樹林に生息しています。

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Category: 昆虫類・ハエ目

22:14 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

コナラの樹洞に作られたニホンミツバチの巣

2017.06.13(Tue)

富津で出会った生き物シリーズ、まだ続きます。ニホンミツバチの巣に案内して頂きました。


(20170607 富津市)

巣箱をご覧になったことのある方は多いと思いますが、樹洞に構えられた野生の巣に近づく機会はそうそうありません。ここではコナラの木に巣を作っています。19世紀末にヨーロッパから導入されたセイヨウミツバチに対し、ニホンミツバチは元来日本列島に生息していた在来種です。大ざっぱに言って、生産性や飼育のしやすさなどの点ではセイヨウミツバチの方が様々な点で勝っているのですが、その蜂蜜そのものの質は一歩も劣るものではない、というお話は、養蜂をなさっている方に伺えば色々と教えてくださることでしょう。

また、セイヨウミツバチと異なり、ニホンミツバチは「蜂球」を作ってオオスズメバチと戦う能力を有しています。ただし、一部でどこかのバカが道徳の授業に用いて少しだけ話題になったように、その能力はニホンミツバチにしかないというのは真っ赤な大嘘です。ニホンミツバチはトウヨウミツバチの亜種でして、この能力はトウヨウミツバチはみんな持っているもの、イコール中国や韓国のミツバチも普通にこれをやります。動物の生態を恣意的に捻じ曲げて子供に変なことを教えることは、決してあってはならないと私は思います。そのような事例こそが、むしろ道徳というものは何かを考えさせる材料そのものになることでしょう。

▽ニホンミツバチに関する過去の記事
ニホンミツバチ 2008.3.9

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Category: 昆虫類・ハチ目

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ヒガシマルムネジョウカイ

2017.06.12(Mon)

なんとなくはかなげな外観に似合わず、他の昆虫を襲って食べるジョウカイボンの仲間。ヒガシマルムネジョウカイは、名前の通り「前胸背板」が丸みを帯びています。

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(20170607 富津市)

マルムネジョウカイそっくりですが、だいたい関ヶ原あたりに境目があり、東に生息するのがヒガシマルムネジョウカイ、西に生息するのがマルムネジョウカイです。体長は1cmちょっとくらい。他の昆虫を襲う以外に、花の蜜なども食べます。鞘翅の黒い部分の面積には、個体によりかなりの変異があります。この写真の個体の場合はまあ、これで平均ぐらいというところでしょうか。林縁の植物上でじっとしていましたが、きっと獲物を待っていたのかもしれませんね。

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Category: 昆虫類・甲虫目

21:22 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヒメホシカメムシ

2017.06.11(Sun)

人面っぽい模様を持つ昆虫はあまたありますけれど、このヒメホシカメムシなどもその仲間でしょう。赤と黒の背中はかなりの顔っぽさです。

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(20170607 富津市)

よく似たオオホシカメムシより一回り小さく、1cmちょっとしかありません。背中に一対ある黒い「目玉」も、やや小さく感じられます。

シイやクワ、アカメガシワなどによく集まります。やはりオオホシカメムシと同様、雑木林に生きるカメムシです。

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Category: 昆虫類・カメムシ目

21:04 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

マルウンカ

2017.06.09(Fri)

マルウンカは、大きさという形といいまるでテントウムシのようです。しかし、よく見ると目玉の大きい変な顔をしていて、甲虫ではないことがわかります

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(20170607 富津市)

カメムシ目ヨコバイ亜目の中のハゴロモ上科、マルウンカ科に属しています。このぼってりした体つきがウンカの仲間というのもなんだか不思議ですね。広葉樹林や林縁などの植物上で見られ、様々な植物の汁を吸って暮らしています。白い斑紋には個体によってかなりの変異があり、中には無紋に近いものもいます。夏の間、成虫の姿を見ることができます。

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Category: 昆虫類・カメムシ目

21:31 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アシナガムシヒキ

2017.06.08(Thu)

ガガンボのように脚が長く、それでいながら胴体部分はいかにもムシヒキアブというたたずまいのこの虫。その実態はやっぱりムシヒキアブの仲間で、名前もそのまんまの「アシナガムシヒキ」です。

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(20170607 富津市)

こんなふうに脚を一本上げて静止しているのはこの虫の特徴だそうで、なんだか手招きしているように見えますね。ムシヒキアブですから当然他の昆虫を捕える肉食で、この長い脚も、獲物を捕食する際には役に立つのかもしれません。この虫もまた、里山のハンターのひとりです。

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Category: 昆虫類・ハエ目

11:53 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

アカイラガ

2017.06.07(Wed)

開張1.5cmから2cmほど。ガなのはわかりますが一見して何の仲間のガなのかちょっとわかりかねるこのガ。イラガの仲間のアカイラガです。

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(20170602 千葉市若葉区)

幼虫はいわゆる広食性で、様々な広葉樹や草の葉を食べて成長します。幼虫には毒針毛があり、イラガですから刺されるとけっこう痛いのでお気をつけください。成虫には毒はありません。ついでに言うと成虫には毒だけでなく口もなく、何も食べず飲まず、繁殖行動を終えると静かに死んでゆくのです。

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Category: 昆虫類・チョウ目

21:49 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヒシモンナガタマムシ

2017.06.06(Tue)

体長わずかに5~8mmほど。この植物片じみた小さなヒシモンナガタマムシも、立派なタマムシ科の虫です。

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(20170531 千葉市若葉区)

鞘翅には確かに菱形の紋があります。ケヤキやエノキにつく虫で、秋に成虫が生まれそのまま成虫で越冬するという生活史を持っているということですから、この写真の虫は昨年の生まれということになるのでしょうか。この後、カメラの気配を察知してポトリと地面に落ちていき、もう探すことはできませんでした。

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Category: 昆虫類・甲虫目

21:44 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

マエキトビエダシャク

2017.06.03(Sat)

開張は2cmから3cmほど。焦げ茶色の翅の前縁に黄色い波状の模様が広がるマエキトビエダシャクは、なかなか美麗なシャクガです。

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(20170531 茨城県鹿嶋市)

名前の「マエキ」というのは「前黄」ですから、これはなるほど体を表していますね。幼虫の食草はイヌツゲやアオハダなどのモチノキ科の植物で、平地から山地まで幅広く分布しています。日本固有種です。

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Category: 昆虫類・チョウ目

11:29 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

タカサゴキララマダニ

2017.06.02(Fri)

動物調査ミッションからの帰り道。コンビニに寄って車を降りようとすると、ジーンズの腿のところにでっかいマダニが食いついているのに気づきました。

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(20170530 袖ヶ浦市)

さすがに一瞬、ぎくりとしました。このダニはタカサゴキララマダニといい、東南アジアから関東地方以南にかけて分布する南方系のマダニです。森林や藪などに生息し、幼虫、若虫、成虫の三段階でそれぞれ異なる動物から吸血します。これは立派な成虫ですから、その宿主はイノシシやシカ、あるいは人間のような比較的大型の動物です。この日の午後のどこかで私に取りつこうとして、ジーンズにとりついてしまったのでしょう。

こうしたマダニに咬まれた時、慌てて手で引っ張ったりすると口器だけが体に残ってしまって後がよろしくないことになるのですが、ダニ取り用のピンセットもアルコール綿も持ってませんでしたし、だいいち食い入っているのは私の皮膚ではなく布地なので、慎重に指でつまんで外します。物凄くしっかり咬みついており、そうとう力が要ります。薄くて固い体も独特の触感です。

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(20170530 袖ヶ浦市)

ご覧のように、その体長は7mmに達するほど。ダニというとなんとなく顕微鏡的な大きさの生き物と思っていらっしゃる方も多いことでしょうが、マダニはかなり大きく、このタカサゴキララマダニの場合、十分に吸血すると25mmほどにまでふくれるのです。こんなものに刺されたら、それは虫刺されというよりはもはや怪我のカテゴリーですね。様々な病原菌を媒介することもあるので、その点も注意が必要です。これからの季節、野外を歩く皆様はこういったものと遭遇する確率も高まってまいります。もしも刺されてうまく外せなかったり、外すのが怖かったり、何か症状が出たような場合は迷わず皮膚科に行きましょう。

Category: 鋏角類

22:00 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

モートンイトトンボ(♂)

2017.06.01(Thu)

谷津の奥にあるこの池では一昨年、昨年と観察してきたモートンイトトンボ。今年は雄を撮影することができました。

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(20170530 袖ヶ浦市)

夕闇が迫る時刻、池の周囲の草むらを飛び交っておりました。体長は3cmほどしかなく非常に細いので、目を切るとすぐに見失ってしまいます。しかし、腹部が橙色をしたその姿は非常に美しいものです。

モートンイトトンボの確実な産地は、県内では10ヶ所程度しか知られていないそうです。この場所では、管理している方の奮闘努力の甲斐あって、この三年間、むしろ増加傾向にある印象です。昨年と同じくその姿を見ることができた、あるいは昨年よりも多くなっているのを確認できた、というのは、継続して調査を行う上で非常に嬉しいものがあります。まして、こうした希少な生物の場合はなおさらです。

※モートンイトトンボ
環境省RDB・NT(準絶滅危惧)
千葉県RDB・B(重要保護生物)


▽モートンイトトンボに関する過去の記事
モートンイトトンボの未成熟♀ 2016.5.18
モートンイトトンボ 2015.6.19

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Category: 昆虫類・トンボ目

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プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

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