ヤマトシミ

2017.08.31(Thu)

昨日まで、23日夜の灯火観察で出会った虫を紹介してまいりました。家に帰るまでが何とやら、とよく申しますが、その23日の夜、宿舎に戻るとそこにいたのがこいつです。

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(20170823 袖ヶ浦市)

シミです、シミ。紙魚と書いてシミ。障子だの和紙だのの表面を食べることからその名があります。この写真のはどうやら「ヤマトシミ」のようです。

体長は1cmばかり。体の両サイドに脚がいっぱいあるように見えますが、これは「腹肢」というもので、本当の脚は他の昆虫と同じ3対6本です。腹肢があるのは、この虫が原始的であり、かつて多足類などと同じ先祖から派生してきた昆虫類の先祖をの特徴を残しているものだと考えられています。無変態で、幼虫・成虫の別なく生涯脱皮を繰り返し、その一生を通じてその姿はあまり変わらず、翅がなく飛ぶこともできない、など、いずれもやはり原始的な特徴です。4億年以上前と言われる昆虫出現時の形態を残すこのシミ。家屋の隅っこなどでひっそり暮らしています。

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Category: 昆虫類・シミ目

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ワタノメイガ

2017.08.30(Wed)

23日に灯火にやってきた虫たちシリーズ、今日はワタノメイガです。

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(20170823 袖ヶ浦市)

白地に濃い褐色の複雑な模様がよく目立ちます。幼虫の食草がワタ、フヨウ、ムクゲ、オクラなどであることからその名がついています。とりわけ、しばしばオクラの害虫として扱われ、葉っぱをぐるぐる巻いてその中から食害することから「葉巻虫」とも呼ばれます。ツトガ科の中でもノメイガ亜科は非常に種類が豊富で、日本国内だけで数百種に及びます。その生態もまた、多様性に富んでいるのです。

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Category: 昆虫類・チョウ目

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カワラゴミムシ

2017.08.29(Tue)

23日に灯火にやってきた虫シリーズ、今日はカワラゴミムシの登場です。

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(20170823 袖ヶ浦市)

サイズもプロポーションもカラーリングもテントウムシに似ています。しかし、よく発達した大顎と長い脚は、テントウムシにはない特徴です。

この大顎が示す通り、他の昆虫を捕えて食べる肉食です。ふだんは河川や湖沼、海岸の砂浜といった砂礫地の物陰に隠れており、夜になると活動するのです。日本に生息するカワラゴミムシ科の昆虫はこれ一種。河川の護岸工事などによって、県北部では減少しつつあります。カワラゴミムシは千葉県のレッドデータブックでは「C(要保護生物)」にランクされていますが、他にも様々な都道府県のレッドデータブックに掲載されています。

※千葉県RDB・C(要保護生物)

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Category: 昆虫類・甲虫目

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クロヘリキノメイガ

2017.08.28(Mon)

灯火にやってきた虫シリーズ、今日はクロヘリキノメイガです。ツトガ科ノメイガ亜科の、開張15~20mmほどの小さなガです。

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(20170823 袖ヶ浦市)

レモンイエローの翅に濃い褐色の縁取りがある、派手なような地味なようなガです。やはりこのガもまた幼虫の食草は詳らかでなく、とりあえず、その生態として私にわかるのは、

・谷津田のようなところの近辺に生息すること
・成虫は夏に見られること
・夜は灯火に集まること

の三点です。要するに今回の灯火観察で見られたことから導き出された三点なのでありますので、これはおおむね正確と思われます。わりあい普通に観察できる昆虫であっても、その生活には謎が多いものはたくさんいるのです。

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Category: 昆虫類・チョウ目

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クロスジマダラミズメイガ

2017.08.27(Sun)

灯火にやってきた虫シリーズ第三弾はクロスジマダラミズメイガです。開張2cm少々しかないけれどもオレンジ、白、黒の配色が鮮やかで、美麗と言えば美麗なガです。

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(20170823 袖ヶ浦市)

幼虫が淡水中で生活するミズメイガ亜科の常で、水田や湿地の近辺で見られます。幼虫の食草はよくわかっていないようです。ちなみに、よく似た模様のマダラミズメイガの幼虫はスイレンの葉を食べています。

幼虫が水中で過ごし、成虫になると空を飛び回る昆虫というとトンボの仲間が真っ先に思い浮かびますが、このミズメイガ亜科のガ、そしてアブの仲間のかなり多くの種など、実際にはそうした生活史を持つ昆虫はかなりたくさんいるのです。

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Category: 昆虫類・チョウ目

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コガシラミズムシ

2017.08.26(Sat)

23日に灯火にやってきた虫シリーズ、今日はコガシラミズムシです。

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(20170823 袖ヶ浦市)

体長わずかに3、4mm。全体のプロポーション、鞘翅の質感など、どことなくゲンゴロウ的な姿をしていますが、これもやはり水田や池などに生息する水生昆虫です。ただし、ゲンゴロウなどとは異なり植物食で、アオミドロを食べたりしています。夜は灯火にも飛来します・・・って、それはこうして紹介している時点で明らかですよね。失礼いたしました。

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Category: 昆虫類・甲虫目

22:35 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ヒメマダラミズメイガ

2017.08.25(Fri)

23日の夜に、夜間、光で昆虫を誘引する「灯火観察」を行いました。今日からしばらく、そこで出会った虫たちを紹介します。

まず、ヒメマダラミズメイガ。

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(20170823 袖ヶ浦市)

なりも小さく模様も別に派手ではないですが、その生態はなかなか面白いのです。ミズメイガ亜科の仲間というのは、チョウ目のくせして幼虫が淡水中で生活するのです。ヒメマダラミズメイガの場合、サトイモ科のウキクサ亜科、またはトチカガミ科、ヒシ科、スイレン科などを食草とし、水面に巣をこさえてその中におさまっています。

この灯火観察を行った場所は、様々な規模の複数の溜め池を周囲に抱える谷津田。集まってきた虫の多くは、こうした、水に関わる生活史を持つ虫たちでした。

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Category: 昆虫類・チョウ目

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スジアオゴミムシ

2017.08.16(Wed)

夜行性で昼間はあまり出歩かないスジアオゴミムシ。たまに日中に見るとなかなか綺麗です。

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(20170809 千葉市若葉区)

体長は2cmと少々。名前の通り、鞘翅には無数の縦筋が盛り上がっています。地表を歩き回り、死骸に集まったり小型節足動物を捕食したりするのは他のゴミ虫たちと同じ。雑木林の林床で、しばしばその姿を見ることができます。

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Category: 昆虫類・甲虫目

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オオケマイマイ

2017.08.12(Sat)

雨の後だったりと気象条件が揃っていたからでしょうか。それとも大勢の方と一緒だったからでしょうか。この日は実にたくさんのオオケマイマイと出会うことができました。

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(20170806 鴨川市)

殻に毛が生えたカタツムリ、オオケマイマイ。何とも奇妙な姿の生き物です。現在、千葉県ではレッドデータブックへの記載こそありませんが、その分布域は限定的です。湿度の高い広葉樹林の林床や渓流沿いなどに生息するオナジマイマイ科のカタツムリで、この写真の場所はその両方を満たしている環境です。殻はひらべったく、天地に薄い形をしており、キチン質の太い毛が放射状に生えて仏像の火焔光背のようにも見えます。ちょっと嬉しい出会いの日でした。

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Category: 貝類

14:55 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

サツマモンナガレアブ

2017.08.11(Fri)

この日もデンマーク人と県内の仏教寺院に泊まっておりました。書院に入ってきたこの1cmくらいのアブ、どうやらサツマモンナガレアブのようです。

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(20170805 袖ヶ浦市)

青く輝く複眼がなかなか神秘的で綺麗ですね。その複眼がくっついておらず離れていますから、この個体は雌です。幼虫は水生で、細流や淀みで成長するのですが、成虫の食性すらよくわかっておらず、謎めいた生き物でもあります。ナガレアブの仲間は日本では10種くらいが知られています。

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Category: 昆虫類・ハエ目

22:04 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ベンケイガニ

2017.08.09(Wed)

この日はデンマーク人二名と鋸山に登るということをやっておりました。小雨が降りけむり湿度が極めて高く、大きなカニたちが何匹も道路上を歩き回る姿が見られました。おなじみのアカテガニだけでなく、ベンケイガニにも出会うことができました。

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(20170804 富津市)

「弁慶」の名に恥じず、大きくてゴツゴツした感じの蟹です。アカテガニとは、甲羅のサイド、眼のやや下あたりに「切れ込み」が入っていることで区別できます。また甲羅自体も凹凸が多く、何と言うか筋肉質な感じがします。

河口付近の河川沿いに生息し、一生、水から遠く離れることはありません。房総半島ではその生息数は決して多くなく、県のレッドデータブックでは「B(重要保護生物)」にランクされています。

※千葉県RDB・B(重要保護生物)

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Category: エビ・カニ類

22:41 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

カワラナデシコ

2017.08.08(Tue)

日当たりの良い林縁に、カワラナデシコが何とも言えない、いい色の花を咲かせていました。

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(20170728 袖ヶ浦市)

秋の七草のひとつナデシコというのはこのカワラナデシコのことです。日当たりの良い草地を好んで生育しますが、人の手によって草刈りのような管理がされなくなった近年の里山からは、各地で次第に姿を消しつつあります。この谷津田では、斜面に数輪が寄り添うように咲いていました。カワラナデシコは千葉県のレッドデータブックへの記載こそありませんが、複数の県で絶滅危惧種への指定を受けています。

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Category: 山野草

22:18 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

ビジョオニグモ

2017.08.01(Tue)

「美女」であり、かつ「鬼蜘蛛」。何がどう美女なのかというと、ものの本には「模様が綺麗だから」などと身もふたもないことが書いてあったりします。はあ。

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(20170728 袖ヶ浦市)

腹部はまるで顔のよう。くの字型の黒い斑紋がまるで「口ひげ」みたいにも見えますね。平地から山地まで生息し、雑木林の周辺などの環境で見られるのですが、それほど出会う機会が多いクモでもなく、房総半島では決してその生息数は多くないように思われます。木の枝や植物の間に垂直円網を張ります。その網は金色がかっていて、実際美しいものです。しげしげと眺めてしまうほど綺麗なのは、クモ本体よりもむしろこの網なのかもしれません。

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Category: 鋏角類

23:30 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

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