ウスバキトンボ

2012.07.24(Tue)

ウスバキトンボは、房総半島では初夏以降、比較的普通に見られるトンボです。開けたところを群れをなして飛ぶ姿はごくありふれたものですが、しかしなかなか一頭一頭をちゃんと撮影する機会はありません。しょっちゅう飛びっぱなしで、めったにとまらないからです。

・・・クモの巣に引っかかってもがいていたのを、クモに「ごめん、ブログに載せたいから」と謝って身請けしてきました。

P7238011.jpg P7238010.jpg
(20120723 千葉市若葉区)

翅はわりあいに幅広くできています。ウスバキトンボは大変に飛翔能力が高く、長距離・長時間を飛び続けることができます。元来南方系のトンボで、全世界の熱帯・亜熱帯に広く分布しており、日本列島には、大量の個体が季節を追うようにして徐々に北上してきます。卵期が3、4日、幼虫期間が40日程度という繁殖サイクルの速さを利して、世代を繰り返しながらひたすら北へ北へと飛び、秋口には北海道にまで達するのですが、南西諸島以外の地域では日本の冬を越すことはできず、幼虫は寒さで全て死んでしまうのです。この不思議な北上行動は「死滅回遊」と呼ばれるもので、魚類や昆虫類のいくつかの種で見られます。

地方によって、ウスバキトンボは「盆トンボ」「精霊トンボ」などとも呼ばれます。昔の人たちが、毎年ただひたすらに南から現れ、北へと飛んでゆくこのトンボの姿に見たものは、死者の魂そのものだったのです。
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Category: 昆虫類・トンボ目

18:48 | Comment(2) | Trackback(-) | EDIT

COMMENT

ひえぴょん #rKUPRYHA

不思議ですねえ。

この行動に意味があるとしたら、ウスバキトンボの天敵が食料とするためでしょうか。はたまた、餌とする生き物の無秩序な増殖を抑えるためでしょうか。

多分、この死滅回遊がなくなってしまったら、いろいろな場所の生態系が変わってしまうのでしょうね。

2012.07.24(Tue) 20:31 | URL | EDIT

tak #mQop/nM.

>ひえぴょんさん
この行動は不思議ですね。ただ、地球温暖化に伴い、北向きの死滅回遊を行う昆虫の中で分布を北上させているものがあることは事実です。

ウスバキトンボの場合、どういう本能なのか「南下はしない」というのがなんとも不思議ですよね。

2012.07.25(Wed) 18:52 | URL | EDIT

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大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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