ヒメアカタテハ

2008.07.16(Wed)

この時期、鹿島川流域の水田地帯では、タテハチョウとしてはキタテハ とヒメアカタテハの姿を多く見ます。


キタテハはかなり近づくのが易しく、撮影も容易なのですが、ヒメアカタテハはわりあいに警戒心が強く、なかなかいいところまで近づけません。しかししょっちゅうどこかにとまるので最終的には撮れます。



   

(20080715 千葉市若葉区)


そして実は私、ヒメアカタテハは表より裏側が好きでして。この複雑なグラデーションが何というか、たまりません。



 

(20080715 千葉市若葉区)


イチモンジセセリ と同じく、このチョウもやはり、あの『死滅回遊』を行うチョウです。


暖かい季節の間にどんどん北上するのですが、寒冷地では冬を越すことができず死に絶えてしまい、しかし、それでも再び秋が来ると、ヒメアカタテハは北へ北へと旅してゆくのです。日本においては、越冬可能なのは関東地方以南のようです。


毎年繰り返されるこの不思議な北上行動を支えるのは、このチョウの桁外れの飛翔能力です。とてもそんなことができそうには見えませんが、時に群れを成して海を越え、1000キロに及ぶ渡りをさえ行います。世界中の温帯に幅広く分布し、南極以外の全ての大陸にその姿を現すのです。ヒメアカタテハはどこにでもいます。世界中のほとんどどこででも舞っています。そして、これからはもっともっと、どこででも舞う姿が見られるようになるかもしれません。


それに手を貸しているのはまごうかたなき我々人類です。


きわめてゆっくりとした速度でではありますが、彼らの北への旅は、死ぬための旅ではなく、生き残る可能性のある旅へと変りつつあるのです。地球の温暖化によって。北へ北へと飛び、天文学的な世代を繰り返し、膨大な犠牲を払いながら、彼らは一ミリ、また一ミリと越冬可能な土地の面積を増やしてゆきます。

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Category: 昆虫類・チョウ目

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大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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