DAYLIGHT RAMBLER

日々に出会った様々な動植物について綴っていきます。文章及び画像の無断転載禁止。

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トウキョウダルマガエルの様々な模様

トウキョウダルマガエルというと、「トノサマガエルみたいので関東とかにいるやつ。田んぼにいる緑っぽい、なんか斑紋のあるカエル」などといったイメージはわりと多くの人の中にあることでしょう。しかし、実のところ「では具体的にはどんな色と模様をしているんだ」と問われると、これがなかなか厄介な問題です。

比較的にメジャーなイメージは、こういう感じではないでしょうか。

201409301.jpg
(20140930 佐倉市)

鼻先からお尻までを縦に貫く、黄緑色の「背中線」。体色は茶色地に、もっと濃い色の斑紋がたくさん。後脚は意外と短く、まさに達磨さん体型です。

しかし斑紋は必ずしも、上の写真のような丸いのがたくさんあるとは限らず、また背中線と口元などの緑色の色合いも千差万別です。

20140929.jpg 201409303.jpg
(左20140929 右20140930 いずれも佐倉市)

で、この背中線ですが、緑でなくクリーム色の個体も多く、また体のどこにも緑色が出ていないのも多いわけです。

20140930.jpg
(20140930 佐倉市)

さらに背中線の太さ自体、個体によりまちまちで、背中線そのものがないやつだってけっこういるのです。

201409302.jpg
(20140930 佐倉市)

トウキョウダルマガエルは、アマガエルみたく周囲に合わせてホイホイ自分の色を変えてしまうことはできませんから、これらは基本的に「地の色」なのですが、とにかく一つ言えるのは、田んぼとその周辺の草むらでは実に見事な保護色だということです。暗い畦道の草の陰でじっとしていると、なかなか見つけるのは困難です。こちらに気づくと、草むらに逃げ込むこともありますが、水に飛び込む割合の方がずっと高いです。「古池や 蛙飛び込む 水の音」という芭蕉のアレも、句を詠んだ場所が深川だったとするなら、トウキョウダルマガエルだった可能性は大きいでしょう。一生を水辺で送るカエルです。

残念ながら、こうしていろんな体色パターンを見比べることができるほどに多数が生息している田んぼは、近年どんどん減っています。田んぼの「中干し」はオタマジャクシの生存を困難にし、短い脚による限定的なジャンプ力は、U字溝などに落ちるとなかなか這い上がれないという結果をもたらします。「蛙飛び込む水の音」が聴こえる水辺が消えるということは、精神の中に、あるいは直接の描写として、その風景を内包した人の営みが生まれる機会がこの国から消えるということを意味しています。生物多様性を守ることは、人間の文化の可能性を守ることでもあると私は思うのです。

※トウキョウダルマガエル
環境省RDB・NT(準絶滅危惧)
千葉県RDB・B(重要保護生物)
千葉市RDB・A(最重要保護生物)


▽トウキョウダルマガエルに関する過去の記事

トウキョウダルマガエルの鳴嚢 2013.6.7

田んぼで鳴くトウキョウダルマガエル 2013.5.30

三面張り水路のトウキョウダルマガエル 2011.7.29

千葉市の両生類 2010.1.24

トウキョウダルマガエルのオタマジャクシ 2009.8.1

トウキョウダルマガエル 2009.6.19

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[ 2014/09/30 21:47 ] 両生類 | TB(-) | CM(0)
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