寒くなってきて、なかなか野外で虫に出会うのが難しい季節になりました。しかしだからと言って、地上の虫が全部死に絶えてしまうなどということは当然ありません。そんなことになったら、次の春が来たって何も出ては来なくなってしまいます。
道端のコンクリートブロックをひょいと引っくり返してみますと、体長数mmの、このような三葉虫みたいな変なのがたくさんいました。
(20141222 千葉市若葉区)
森林性のゴキブリ、モリチャバネゴキブリの幼虫です。ゴキブリといっても家の中にいるあの嫌われ者のやつとは違い、雑木林の林床などで、有機物を分解して暮らしているひとたちです。羽化して成虫となっても体長は1.2cmくらいしかなく、小柄です。
よく家の中でゴキブリホイホイに引っかかっているクロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリなどのたぐいは、あれは実はみんな外来種で、南方のどこかからやってきたものなのですが、このモリチャバネゴキブリは昔から日本にいる在来種。家屋に入ることもなく、日本中の里山で大量に、しかしあまり人目にはつかずに静かに暮らしています。
▽モリチャバネゴキブリに関する過去の記事
モリチャバネゴキブリの幼虫 2011.1.16卵鞘をつけたモリチャバネゴキブリ 2010.7.24***
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