ヤマカガシ@原田池

2009.05.04(Mon)

若葉区は富田町に、乳牛育成牧場 という施設があります。乳牛の育成を行なっている牧場なのですが(もっとましな説明ないのか)、その敷地内に原田池という天然の池があります。

この池には恐ろしい昔話が伝えられています。池のほとりには、地元・更科中学校の生徒さんと千葉市のグリーンビレッジ推進課が共同で作成した看板が。



DAYLIGHT RAMBLER  

(20090430 千葉市若葉区)


そして、こちらがその文中に出てくる弁財天。



DAYLIGHT RAMBLER  

(20090430 千葉市若葉区)


祠の建立以降、水死する人は減ったと看板には記されていますが、この池では昭和に入ってもなお、複数の溺死者が発生しているそうです。かつては池の周囲に何箇所もの湧水があり、大雨の日でも池の水は澄んでいたといいます。そう遠くない昔、この池のあたりは本当の魔境だったのでしょう。


現在ではさすがに白蛇はおいそれとは出てきませんが、池のほとりで全長7、80cmほどのヤマカガシ が出迎えてくれました。



DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20090430 千葉市若葉区)


鎌首を半分ほどもたげ、じっと静止しています。なかなか鮮やかな色の個体です。



DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20090430 千葉市若葉区)


うんと古い本にはヤマカガシは無毒であると記載されているものもありますが、実際には頸部に自己防衛用の頸腺毒を、上顎の奥のほうには捕食用のデュベルノワ腺という毒腺を、それぞれ有しています。数少ないですが死亡事故も起きています。2006年には「動物の愛護及び管理に関する法律」により「特定動物(危険な動物)」に指定されました。自治体の許可なく飼育はできません。ご注意を。



DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20090430 千葉市若葉区)


とは言え、ヤマカガシは基本的にはおとなしいヘビですし、毒牙は小さくて後方にあるので、たとえ咬まれても毒が体内に入らない場合が多いのです(だから昔は無毒とされていた)。見つけたからといってそれほど危険視する必要はありません。危険というなら野良犬の方がはるかに危険でしょう。


弁財天はもともとヒンドゥー教の女神であり、芸術・文化をつかさどると同時に河の神であったため、日本においては市杵嶋姫命あるいは宇賀神と習合し、芸能の神でありまた水神として祀られています。この宇賀神は有名なわりにいささか謎めいた日本土着の神で、農業・財宝・福徳の神なのですが、そのお姿は、体が蛇・顔が老人であるというのです。古来我が国では、蛇は農を守り福をもたらす存在に他なりませんでした。


原田池の白蛇と人間たちとの和解が弁財天の手によって成ったというのなら、水辺で暮らし田んぼに生きる蛇、ヤマカガシこそは、その使者にふさわしい存在であるのかもしれません。


☆☆☆


6月15日追記。


14日午後、原田池におきまして水難事故が発生いたしました。


いろいろな意味で身近なところで起こった事故で、本当に驚いています。亡くなられた少年のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

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Category: 爬虫類

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大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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