バラの葉のシュレーゲルアオガエル

2008.05.31(Sat)

個人的に私のもっとも愛するカエル、シュレーゲルアオガエルの今年初目撃です。鳴き声はずいぶん前から聴こえていましたが、姿はやっと見ることができました。



 

(20080527 千葉市若葉区)


最初、アマガエル だと思ったんですね。ごく小さかったので。しかし、近づいて見るとシュレーゲルのまだ若い個体でした。ご覧の通りバラの葉にくっついているのですが、それにかぶさるようにミカンの木があり、そこにいろいろな昆虫が来ていたので、それを目当てにしていたのでしょうか。


   

(20080527 千葉市若葉区)


アマガエルと見分けるには、耳の鼓膜のところを見てください。アマガエルは黒い筋になっていますがシュレーゲルはここが緑一色です。あと、肌の質感や体型もちょっぴり違いますし、これはまだ小さいけど、全体としてはシュレーゲルのほうがかなり大柄になります。私は去年、6cm半もの大物を撮影しました。鳴き声も違います。アマガエルは文字通りのゲコゲコ声ですが、シュレーゲルはクルクル・・・という澄んだいい声です。


ところで、洋風チックな名前ですが、シュレーゲルアオガエルは日本の固有種です。


「シュレーゲル」というのは人名で、この種の記載者たるヘルマン・シュレーゲル氏のことです。この方はドイツ人の学者で、オランダはライデン博物館の二代目館長でした。19世紀初め、かのシーボルトは日本で収集した膨大な動植物の標本をこのライデン博物館に送り、やがて禁制品の日本地図を持ち出そうとして国外退去処分となるのですが、シュレーゲルアオガエルも、シーボルトが送った標本に基づいてかの地で記載された種の中のひとつなのです。


現生の日本の両生類・爬虫類の多くはシーボルトの標本によってライデン博物館の学者が記載したものであるばかりか、あのニホンオオカミを記載したのはシュレーゲルの先代、すなわち初代ライデン博物館館長のクンラード・ヤコブ・テミンク氏であるという事実を述べれば、シーボルトが成した実績の中で、教科書にあまり載っていない種類の部分がいかに重要なものであるかわかっていただけるかと思います。


それにしても、つくづく、記載者のシュレーゲル氏が他の変な名前でなくて良かったですね。例えばもしこの人がアホンダラさんという名前だったらこのカエルは「アホンダラアオガエル」になり、スケベさんという名前だったら「スケベアオガエル」になっていたかもしれないのです。我々日本人のあずかり知らないところで・・・

関連記事
スポンサーサイト

Category: 両生類

22:02 | Comment(0) | Trackback(-) | EDIT

COMMENT

POST COMMENT


プロフィール

大島健夫

Author:大島健夫
1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

記述の中に間違いや誤解を見つけた方、またそれ以外にも何かございましたら、どうか
inaka_jikan@yahoo.co.jp
まで送っていただけると幸いです。

大島健夫公式サイト

ツイッター

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
587位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
59位
アクセスランキングを見る>>

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
↑