ヘクソカズラの実

2011.01.31(Mon)

切ったり揉んだりするとくさい臭いがするところから「屁屎葛」という、あんまりな名前が付けられているヘクソカズラ 。秋以降、橙色のなかなか可憐な実をつけます。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110130 千葉市若葉区)


この植物がひどい扱いを受けるようになった歴史はかなり古いようで、なんと万葉集にも「屎葛」という名前で歌に詠まれています。高宮王の詠んだ、


菎莢(ざふけふ)に 延(は)ひおほとれる 屎葛(くそかづら) 絶ゆることなく 宮仕へせむ


というのがそれです。菎莢というのはサイカチの木だとされたりカワラフジとみなされたりしています。そういう木をお上に、そこにひっからまっているヘクソカズラを自分にたとえ、そういうふうに俺は絶えることなく宮仕えしていくんだあ、という、なんだかいろんな解釈が可能そうな歌ですね。


作者の高宮王さんというのはいったいどんな人で、どんな心情でこんな歌を詠んだのでしょう。この人の歌は、この歌を含め二首が万葉集に収録されていますが、実は生没年はおろか、経歴についても「名前に王がついてるから皇族らしい」というものすごい初歩的なことくらいしかわかっていない、謎に包まれた人物です。いずれにせよ、彼はこの歌によって、日本文学史だけでなく、はからずも植物史学上にもひっそりとその名を残すことになったのです。



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Category: 山野草

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1974年11月20日生まれ。千葉生まれ千葉育ち。美浜区在住。

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