DAYLIGHT RAMBLER

日々に出会った様々な動植物について綴っていきます。文章及び画像の無断転載禁止。

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タチツボスミレ・2011年

日本の多くの地域でもっとも普通に見られる野生のスミレ、タチツボスミレ 。これまた例年よりやや遅くはありますが、陽当たりの良い土手などに美しい薄紫色の花を咲かせ始めています。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20110319 千葉市若葉区)


国内では北海道から沖縄まで、海を隔てて朝鮮半島や中国大陸の一部にも分布しています。似た種が様々あり、区別するのはなかなか困難なことです。


万葉集には、「つほすみれ」を詠んだ歌が二首、収められています。牧野富太郎博士は、このつほすみれとは今のタチツボスミレだろうと考えました。文学史と自然科学史とは時に血を分けた肉親のような面があり、切っても切り離せないものです。和歌のように、しょっちゅう多種多様な生物が登場するものはなおさらです。


山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春の雨に 盛りなりけり (高田女王)


茅花抜く 浅茅が原の つほすみれ 今盛りなり 我が恋ふらくは (大伴田村大嬢)


というのがその二首です。田村大嬢の歌は、浅茅が原のツボスミレみたいに私の恋もまさに今が盛りだ、という歌、高田女王の歌の方は一見するとただの情景描写ですけれど、万葉集に収録されているこれ以外の彼女の歌はすべて「今城王」という人に贈った恋歌です。この歌にうたわれている、ヤマブキの色彩も鮮やかな野辺で春雨の中に咲き誇るスミレの姿にも、何らかの彼女の心情が投影されていたのかどうか。1200年以上が経った今になっても、万葉の歌の数々は私たちにいろいろなことを想像させ続けています。



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[ 2011/03/19 17:38 ] 山野草 | TB(-) | CM(0)
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